シナリオ #06
再会した従者は、なぜか見たこともない仮面で目元を覆い、くたびれた姿をしていました。
フィオナは意を決して、従者に訊ねます。
はたして、自分の身にいったいなにが起こったのかと。
ディオスは、彼女に一枚の紙を渡しました。
新聞です。その一面を読んだフィオナは、血相を変えてしまいました。
『【悲報】侯爵家のフィオナ・ベルベット嬢、死す。婚約の祝いの席にて、毒を盛られたか』
ああ、やはり夢ではありません。
自分は死んでしまったのだと、彼女は強いショックを受けました。
さらに記事には、死んだフィオナの代わりに、エリオールとの婚約は義妹のリリアが引き継ぐことも書いてありました。
フィオナは怒り狂いました。
すべては仕組まれていたのだと、彼女は確信しました。自分をだしに公爵家との縁を取り持ち、その命を葬ることで後釜を狙ったのだと。
「わたしを毒で殺したのも、きっとあの子──リリアにちがいないわ!」
はっきり言いきったフィオナは、ふとあることに気づきます。
「待って……わたし、死んでないじゃない!」
そうです。
彼女はたしかに、いまここにいます。
新聞の記事は嘘っぱちであると一笑しますが、一方でディオスは首を横に振りました。
「いいえ、あなたは死んでいます」
そう言って、従者は令嬢に鏡を差し向けます。
映った顔に、フィオナは絶句しました。
くすんだ青い肌、悪鬼のごとく血の色に染まった瞳──おぞましい姿をした、自分自身がいたのです。




