シナリオ #03
「どうして、わたしが銀で、あの子が金なのよ!」
季節は秋。
さる貴族仲間の夜会に招待されたフィオナは、陽気な賑わいから離れ、静かな庭園にておおいに不満をこぼしていました。
苛立つ彼女のかたわらに、黒い影が寄り添います。
その影こそ、かつて彼女の剣となると誓った少年──従者のディオス・シュスです。
少女が麗しい令嬢へと羽化したように、彼もまた、一人の青年として立派に成長していました。
相変わらずの無口と無表情な性格でしたが、護衛騎士として剣術を学び、その腕前は都の将をうならせるほどとまで噂されています。
理想の令嬢を目指して、己を磨き抜いたはずなのに。世の人々の飽きっぽさと薄情さに、フィオナ嬢は憂鬱になるのでした。
しかし、その夜。
彼女はとうとう、待ち焦がれていた運命の出会いを果たすのです。
「美しいお嬢さん、水遊びには少々冷たさが堪える季節ですよ」
迷子の子犬を追って、突如目の前に現れた素敵な貴族の若者。
彼の名は、エリオール・シルクス。
一つ身分の高い、公爵家の三男です。
エリオールの優しい微笑を前に、フィオナはたちまち恋に落ちてしまいました。
エリオール。
彼こそが、わたしの運命の人……。
そう確信したフィオナ嬢は、ありとあらゆる手を講じて、この恋が結ばれるよう奔走するのでした。




