第17説 PKO法が成立して……
PKO法が成立して憲法の空洞化が更に進んだ。国民は十五年戦争での夥しい屍と引き換えに手に入れた平和と民主主義を本格的に喪失する過程の始まりに直面することになった。
この国の政府は国の基本法である憲法を積極的に守ろうとしたことが一度もない。反対にその平和主義、民主主義的規定を常に掘り崩そうとしてきた。国民は憲法を守る気のない政党に政権を与え続けてきた。だから事態がこうなったことは必然だとも言える。しかし、予想される将来が、国民にとっての惨禍であるとすれば、その国民の一人として黙っているわけにもいかないだろう。
言いたいことを一言で言えば、我々は主権者として賢明でなければならないということだ。騙されるなということだ。日本の政治は利益誘導型だと言われる。日本の政治家は有権者に何らかの利益を与えることと引き換えに支持をとりつけるというわけだ。すると有権者は選挙の度に「利益」を得てきたことになる。戦後半世紀が過ぎた。国民はどんな「利益」を得たのか。半世紀の間、一票と引き換えに得た「利益」もさぞかし莫大なものであろう、と思いきや、現在の日本の現実が、その答を示している。利益を得たのは与党のスポンサーである大企業だけだった。国民は物価、地価の高騰、自然破壊、長時間過密労働、老後や病気、災害時に何の保証もない生活に苦しんでいる。農業は潰滅的に破壊され、食糧危機の到来も見る目のある人は予想している。差別選別の受験教育、資本の論理が隅々まで浸透した社会が生み出す人間破壊も深刻だ。つまり半世紀の時間幅で見ると、国民は騙されたのだ。その時々に政治家が差し出す「エサ」に。
ここら辺りで踏み止まらないと、身ぐるみ剥ぎ取られてしまうだろう。これまでのように、こうしてやるから一票くれ、に乗っていてはPKO法が成立した今日、命までとられることになりかねない。先ず、その党が何をしてきたのかという事実をしっかり見ることが大切だ。人間の場合と同じく、政党の評価の基準も言葉ではなく行為だ。その際、マスコミの流す情報に頼りきるわけにはいかない。マスコミは大企業の一つであり、その流す情報には営業上の立場からくる種々の制約があり、偏向がある。予算を通して政府与党の規制下にあるNHKも同様だ。自分の目と頭で政治を見定める努力が大切だ。本質は与党そのものなのに、選挙になるといかにも与党の政治を変えるかのような扮装を凝らす党も多い。しかもそれをマスコミがバックアップしている場合がよくある。騙されてはいけない。




