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もちろん音楽に自由は大事だ、けれども、、、

珍しく昨日の話の続きからやってみようと思いました。せみころーんさんですーどーもーとととととととて。ととて。


指揮のコンクールで、チェコ作曲家の新曲が演奏された。なるほど、オーケストレーションも悪くないし、一人の指揮者で十分に振れる。


けれども、断片化した調性音楽だよねって話です。


チェコを含む東ヨーロッパも、共産主義政権崩壊当時、ほんとにお金がなかったんです。チェコの名門ピアノメーカーPETROFは粗悪なカワイか何かかと思うほどのひどい響きでした。


ピアノメーカーはF 308とピアノの大きさを示す数字を付すのが常識でしたが、その常識すらPETROFにはありませんでした。まだI II III IVとローマ数字で区分していたのです。鎖国していると常識すら伝わらない、ひどい有様でした。


あれから30年が過ぎ、今では一部ピアニストによってカワイを凌ぐほどの人気を勝ち得たのはいうまでもありません。決して廉価というわけではなくなりましたが、確かな信頼を勝ち得たといってよいでしょう。


チェコは自由になりました。


自由になったら、音楽家はどのように成長するのでしょうか?


当然ですが、西側諸国の常識は大量に流入してきます。


問題はそのあとです、この大量の情報の洪水に、チェコ人は耐えられるのでしょうか。


きのうのSrnkaの音楽は、急に自由になったとある日突然言われてしまった音楽家の、生きざまを見ているようで私ところーんさんは二人とも複雑な気持ちでした。


かつてのディートリヒのように、「西側諸国との対決!」と掲げる人なんてもう誰もいません。作りたいように作ればそれでよい。こうなるまでに全く時間はかかりませんでした。


厳格で衒学的なことをやったって受けませんので、程よいレヴェルを作って表現したほうが得だ。。。こうなっちゃうんですよね。


Miroslav Srnkaさんの音楽はもうYoutubeに多数アップロードされております。たとえば、、


Engrams for String Quartet


この出だしを聞いて、チェコから来ましたって言ったって誰も信じないだろうと思われる。技術は十分。しかし、もう2分30秒前後にどしらそふぁみれど、と全音階主義が出現。


調性でなければもっと遠くに飛べたのではないかと思うのだが、その後もほとんどが調性的なフラグメントの編み合わせで、もったいなかった。


Moves for Large Orchestra: No. 3


出だしのノイズは嫌いではない。一聴して、ドイツ系の現代音楽の影響が顕著と感じたものの、アコーディオンの蛇腹の押し弾きで、ああ、、この人はひょっとするとベアート・フラーからやってきたのかな、と納得。フラーのワンパターンな反復は疲れるが、この人の反復は疲れない。


正直なリズムが多くて、好かれているのだろうと思われる。8分20秒辺りに、この間の指揮コンクールの課題曲のような音型が頻出しており、この手のフラグメントを羅列していくのが売りになっているように感じた。10分前後になると、またどれどれどれーと調性音楽。


オーケストラはみんな弾きやすそうで、リハで揉めないと思われる。


Pouhou vlnou for Piano Quintet


私はこの編成で勝負するのは非常に危険だと感じていたが、悪い予感が的中した。もう最初っから調性音楽丸出しでやってきて、それが何の批判にも遭遇することはないのだ。室内楽の演奏コンクールの課題曲かと思うほど親切。日本でもほとんどの聴衆には好印象だろう。


途中で弦が無調的に暴れるシーンもあるが、ピアノは調性音楽のまんまである。弦が無調的に暴れるのは、ころーんさんが言うに「エクリチュール科では暴れられないので、やはり作曲科卒なんじゃないかな」と。


Koncert pro klavír a orchestr


いきなりシャッリーノみたくグリッサンドをやられても、何も驚かないんですが、、。それはさておき、サルヴァトーレ・シャッリーノとレベッカ・サンダースとステファーノ・ジェルヴァゾーニを足して3で割った印象。


これも反復の洪水だが、3人より若干高速化されているのがミソ。Hodgesにも助けてもらって大成功。でもお、、先人のインパクトを全く超えないまま音楽が進行するのはちょっと、、。


ピアノの連打音にオケが絡むという技法は、日本では夏田昌和が「重力波」で使っておりなじみがある。


Assembly for orchestra (2011)


ミカエル・レヴィナスっぽいなと思ったが、エレクトロ変調もなく、すぐどれみふぁそらしどに帰ってゆく。


アンサンブル・モデルンは、この手の退嬰的な作曲家に対して批判的だったと思われるのに、今やすっかり変わってしまって、やれと言われればすぐに弾いてしまう演奏家団体へ。しかし、Olluの指揮は冴えており、演奏はうまい。


だいたいこんなとこです。


近年彼が多用している、極限的に断片化した調性音楽をフェイドインする技法は、個人的に嫌いじゃないです。あの感覚が成長していけば、チェコを代表する重鎮になるかもしれません。


誰にも何も言われないまま、作曲家として成熟することは怖いなと思いますね。近年調性を多用する作曲家全員に言えることですが、、

(。・_・。;)<今気が付いたけど、調性音楽の断片化フェイドインって、Giorgio BattistelliのFrau Frankensteinだよねえ。。。

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