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ゲーマーが往く、異世界チート発見!  作者: ヤタガミ
第二部 喪失と挫折
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第三十八話

速い!!(自画自賛)

その代わり短いです

途中で視点が切り替わります

認めよう

俺は、完全に油断していた

いや、考えないようにしていたというべきか


ゴブリン幼生体の群れを撃破してから、何度か戦闘になったが、殆ど危なげなく勝利を収めることが出来た

その後の、コボルト幼生体の群れも難なく撃破出来た

ゴブリンとコボルトの混成も、割と容易く倒す事が出来た


流石に無傷とはいかなかったが、十分に治療可能な範疇であり、後の戦闘行動に支障を来す事は無い……筈だった

大事なことを失念している事にも気付かずに、慢心が募っていった


そして今

俺は、全く手も足も出ない事態に陥っている


敵はゴブリン幼生体

それが、最初と同じ八体出現した

全員が無手、何も武器を持っていなかったので、楽勝だと油断した事がまず間違い

だが、それは大した間違いでは無かった

最大の間違いは後に、最悪の形で露呈した


敵の隊列は、三体 三体 二体の順

大まかに言ってだが、それくらいの並びで出現した

三体なら、同時に捌けることは既に証明していたので、最初の攻勢を容易く削り殺した

同士討ちを誘発し、時に受け流した攻撃をそのまま敵に中てたりと

お定まりの戦法で、初手を即撃破し、次に備えた


次も同様だ

いい加減慣れてきた為、ほぼ同時に撃破なんて遊びを追及する事まで出来た

ここまでは良かった

問題はここから


待ちの姿勢は変わらず、最後の二体の攻撃を待った

それもまた間違いではあったが、あくまで戦術的なもの

致命的なものではない、十分に取り返しのつく過ちとなる筈だった


脅威は、知らぬ内に迫るからこそ脅威なのだと

師匠が言っていたのを思い出す

何時の間にか接近されている、これ以上の脅威は無い

逆に、どれほど恐ろしいものでも、その接近を事前に察知出来るのなら、幾らでも対策を練れる

対策を練れたのなら、それはそもそも脅威と成り得ない

対策を練った上で打ち克てないなら、それは結果としての勝敗の問題であり

そもそも対策を捻り出せなかったなら、自身の実力が足りなかっただけ

そういうことなのだと


ならば、これは本来脅威では無かった筈だ

それを脅威としたのは、間違いなく俺の慢心、いや逃避というべきだろうか


残る二体より放たれたのは、魔法

放射される炎は、火勢こそ強くないが、長距離を細長く伸びて放たれた

噴出する水流は、やはり勢いという面では大したことが無いが、長距離を飛んで迫った


火は確かに脅威だが、水の方は勢いが足りず、ホースの口を絞った方がまだ勢いが出るだろうという程度だった

だが、問題はそこではない

そもそも、放たれた魔法は、触れるだけでダメージを受ける

本来なら、とてもダメージなど受けない様な水しぶきでも、そのステータスに応じた威力でダメージを受ける様になっているのだと


その実感が、今まさに全身を襲っている

生命力が減少すると、全身から力が抜けるらしい、と元帥のおっさんから聞かされていた

だが、見ると聞くとは大違い、百聞は一見に如かず、とはよく言ったもので、実際に経験してみるとよく解る

全身が少しずつ重くなっていく

手足の力が抜けるのが解る

これが、話に聞いたやつなのだと、理解させられる


更に、火の方はもっと厄介だ

こちらは、普通に分かりやすくダメージを受ける

熱い……炙られている肌が焼けているのが感じられる

それほどの火勢ではない、と言っても火傷するには十分すぎる

幸いというか、防いでいる籠手が頑丈で、ある程度を熱を遮断してくれているのだろうが、それでもなお熱い


それでも、話の流れがおかしいが、さほどに脅威ではない

感覚であるが、このままでもいくらかは耐えられる

最悪、捨て身の特攻でも仕掛ければ、十分に対処可能だろう

相手が動かなければ、だが


当たり前と言えば当たり前の事だが、魔法を使っている敵は動く

右へ左へ、前へ後ろへ

魔法を放っている基点である手だけはこちらに向けられているが、それ以外はかなり自由に動かせるらしく、苦しい中でなんとか距離を詰めようとしても容易く離される

ならば投石をと、投げてみれば軽く避けられる


近づかなければどうにもならないのに、どうやっても近づくことが出来ない

これこそ正に詰みだろう


どうしてこうなったのか

その原因こそが最大の間違い


俺には魔法の適性が無い

その事は重々承知している

だが、俺はよりにもよって、その事実から目を逸らしていた様だ

その結果がこれだ

魔法が使えないという事実から目を逸らし、魔法への対策を練っていなかった事

魔法への対策を考えれば、第一に浮かんでくるのが魔法そのものでの逆撃

至極単純、子供でも解る理屈だ


ただそれだけを避けていたなら、まだいい

別の対策を練っていれば、こんな事にはなっていない

しかし、俺は、この迷宮の始めでは、魔法を使う魔物は滅多に出現しないという文言を過信し、ならば大丈夫だろうという、理解不能な理屈を並べて、何の対策も講じていなかった

せめて遠距離攻撃の手段を用意していれば、と後悔せずにはおれない


文字通り、後悔先に立たず、という精神状態だ

実に呆気ない

俺の人生、ここで終わりかと

波乱に満ちた人生だった

不思議と生命への執着心は湧いてこない

あるのはただ、全身を蝕む疲労感と精神を苛む虚脱感だけ

守るという誓いも、その為の努力も、全てに別れを告げる


(どだい無理な話だったって事だな……)


失ったから、もう二度と失われない様に守ろうと

そう誓って、血と汗と涙を流して、そうして得た力も、女神に奪われ


(そもそも、召喚ってなんだよって話だよな……)


世に理不尽は数在れど、これほどの理不尽もそうは無いだろう

一方的に連れ込んで、身ぐるみ剥いで、戦ってください、だよ

ふざけんなっての……

その剥いだ身ぐるみ返せば、考えてやるよ


(って、言えたら良かったんだけどなぁ)


ついつい、カッコつけて交渉なんかしちゃったから……

ああ……


「死にたくないなぁ……」


こんなにも後悔がある

後に残す想いがある

死が恐ろしい


ふと、脳裏を過ぎる光景があった

薄暗い空、響く雷鳴、赤く腫れ上がった母の頬、右膝を抑えて泣き叫ぶ血塗れの父

走馬燈とはこのことだろうか

嫌な景色ばかりが浮かんでは消える


バチバチッ!バチッ……


不意に耳に届く、何かが弾ける様な音

意識も薄れゆくこの身では、到底その発信源を探ることなど出来ないが、そんな事はお構いなしに主張を続ける謎の音

最早、その音だけが、俺の意識を繋いでいる

聞こえなくなった時が、俺の死ぬ時だろう

そう思っていた時だ


「理!!」「舞島くん!!」


聴き慣れた声が響いたのは


百合の声、そして木野の声だ

聴き慣れた声は、聴き慣れない悲壮感に満ち満ちていた

ああ……


(心配掛けさせたのか……情けない……)


何が守るだ

今、正に守られようとしている分際で、なんと烏滸がましい妄想を抱いたのか

そんな、強い羞恥心を抱きながら、意識が漂白されていった

もう、弾ける様な音は聴こえなかった……




「百合!!」


目標に向かって駆ける私達の目に映ったのは、大きな籠手だけをなんとか掲げて、ゴブリンの使う魔法を防ぐ、力無く跪く舞島くんの姿だった


怒りと共に、強く相棒に呼びかける

あの痴れ者を許してはならない

ただその意志のみを言葉に乗せて


「理から離れろぉ!!!」


鬼気迫る勢いで、魔法を放つ二体のゴブリンに肉迫する百合

私自身も、灼熱する怒りに身を焼かれながら、優先順位をなんとか意識して、ゴブリンの殲滅は百合に任せ、膝を着いた舞島くんの下に駆け寄る


百合に狙われ、ゴブリン達の魔法が丁度途切れたところに、必死に駆け寄り、崩れる身体を抱き留める


「酷い……」


事ここに至るまで、私自身、信じ切れていなかったらしい

舞島くんなら

百合の考えを否定した

いくら舞島くんでも

そう考えていた私が、まさかと、こんな事になるなんてと


信じ切れていなかった

舞島くんならと、そう心のどこかで思っていた

なんて滑稽な

悠長に、戦闘跡の解析なんかしていたのも、そこに端を発しているのだろう

もっと必死になって、彼を捜していれば

いや、彼の邪魔をしたくないと考え、合流しなかった

そう考えた時点で間違っていたのだと


そう、最低の形で気付かされた

全ては私の甘えが原因だ

腕の中の彼は、かつて私の大事なものを救ってくれた時とは、比べようもない程に弱々しく、今にも止まってしまいそうな程に、その呼吸は弱々しい

赤熱した籠手を見れば、彼を守ってくれたのだと判っていてもなお、その隙間から除く肌の火傷を垣間見てしまっては、憤りを覚えずにはいられない

籠手を引き剥がしてしまいたい衝動に駆られるが、はり付いた皮膚が引き剥がされるかもしれないと考えると、その手も止まってしまう


「美樹!!」


思考がぐるぐると袋小路に嵌まっていた私を、百合の叱咤が正気に戻す

そうだ、こんな事をしている場合じゃない


「百合!ここでは後には戻れない、先に進むしかないわ!!」


だから、とは告げずに、抱えた舞島くんを背に背負い直す

そのまま、何も言わずに駆け出すと


「露払いは任せて!!美樹は全力で!!!」


走り抜け、とも言わない

お互いに為すべき事は解っている

ならば、言葉は時間の無駄

舞島くんを背負って、少し速度が落ちているが、それが丁度いい

先行する百合の背には気を留めず、遠くに見える出口だけを見据える


「大丈夫、直ぐに出られるわ。だから」


死なないでと

そんな願望は口には出さない


ただ走る

膝が痛い

肩も、背中の筋肉も、腰も

全てがオーバーワークを警告する

それでも、ひた走る


気づいた時、私は光る柱の中に蹲っていた

今回は筆が、いやキーボードがサクサク進みました

今後もこうありたいですねぇ


さて、今回で迷宮脱出と相成りました

理が窮地に→百合、美樹が救い出す

この流れは、早々に決めていましたが、辿り着くのにやたらと時間が掛かってしまいました

人それを、自業自得と言う!!(井上和彦ボイスで)

成敗!!


と、冗談はここまでにして

今回は、色々と難があった回です

魔法周りの設定があったのですが、その表現が上手いこといきませんでした

現時点での魔法の設定はこうです

1.威力は魔法力依存

2.範囲は消費魔力量依存

3.繊細な形状設定が不可能(放射するだけ)

こんな感じです

火魔法なら火炎放射、水魔法ならホース放水、風魔法なら扇風機、氷魔法なら吹雪、土魔法なら砂噴射

という単純なものです

こう、炎球だったり水成る蛇だったり風刃だったり汴舞(ネタ古い)だったり神砂嵐だったり

なんてものはありません(風が二つあるのは気にしない)


そこらへんが、上手いこと書けた自信がない

まあ、これから上手くやります……多分


いつもなら、この後自分語りが入るのですが、暑い涼しいくらいしか言えることが無いので、今回は無しで

あ、ドラクエ11やってます

それだけです


次回更新は未定ですが、理くんに挫折してもらう予定です

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