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ゲーマーが往く、異世界チート発見!  作者: ヤタガミ
第二部 喪失と挫折
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第二十話

またもや難産でした

時間が少し飛び、一週間後のお話から始まります


説明を受けてから、私達は城内の個室へとそれぞれ案内され、王城内に一室を得て生活する事になった


そして今までの約一週間(この世界も元の世界とほぼ同周期で暦が作られているらしい)

王国軍騎士団の団員達に付き添われて、王都周辺でレベル上げを行い、私達は順調に強くなっている


今の私のステータスはこうだ


舞島 百合 女 16歳

Lv5/100

次レベルまで 42

成長率 1.099


生命力 1458


魔力 729


攻撃力 145


魔法力 145


対物力 145


抗魔力 145


機動力 145


感覚力 145


思考力 145


運勢力 145


アビリティ 体術Lv1 風魔法Lv1


      戦闘思考Lv2


あの説明会の翌日、まず最初に戦闘講習が行われた

その際に使用する武器を選択したのだけど、私は空手を習っているので、武器は使わない事にした

正確には、拳を保護する籠手と、足を保護する靴を装備している

籠手は、手の動作を妨げない様に、要所に金属板を配している

靴、というか脛まですっぽりと覆うブーツ、と言った方がいいか

このブーツも、同じく金属板で要所を保護してある


その状態で殴る蹴るを主体に戦っていたおかげか、レベル2の段階で体術アビリティを習得した

もっとポンポン上がるかと思ったのだけど、アビリティレベルは未だに1だ

やはり、そう簡単には上がらないらしい


魔法は、魔力を感じられば使用そのものは難しくない、との事で、早速いろいろ使ってみたところ、一番しっくり来たのが風魔法だった

魔法には、火、水、氷、風、土の属性があるらしいが、実際に使ってみて、使いやすさや使いにくさを感じるものの様で、私の場合は風が一番使いやすかった

そういうのを指して、適性というらしい

実際に私は、レベルが3に上がった時に風魔法のアビリティを覚えることが出来た

こちらもやはり、未だにアビリティレベルは1のままだ


最後に、戦闘思考というアビリティを覚えたが、これは指揮アビリティの個人版で、個人で戦う際の勘働きとかが良くなるらしい

指揮官に向いた人はこれは覚えない事が多いのだとか

だから元帥さんには無かったんだ、と妙な感心をしてしまった

こちらはレベル2で覚え、レベル5になった時にアビリティレベルが2に上がった

これは割と上がりやすいアビリティらしい


さっきからアビリティの説明をしているが、勿論ただの受け売りだ

教えてくれたのは私達に付き添ってくれた騎士団の人で、イングリットさんという女騎士さんだ

この人は騎士団でも珍しい女騎士さんで、クラスメイトの女子には必ず女騎士さんが付き添う事になっている

女同士の方が、間違いも起こらないし、気兼ねもないから、という話だ


騎士団に女性が珍しいと言ったが、これは別に女性差別というわけではなく、ステータスの傾向に原因があるらしい

女性はどちらかといえば、魔法力が高い魔法型や、機動力に優れた回避型が多い傾向にある様で、騎士団の求める人材とは異なるから、という事が原因だと言っていた


逆に魔法師団や斥候隊には女性が多くいるのだとか

このオースベルでは、ステータスで職業適正が判るので、どうしてもこういう偏りが生まれてしまうそうだ

その分、男性女性関係なく、職業に就く事が出来るらしい


では、この世界、家事はどうしているのか

主婦はいるのか?居るのなら、専業?それとも兼業?


まず、家事だが、殆ど場合自分で済ませてしまうらしい

だから、この世界の年長者は、皆家事関連のアビリティを身に付け、高レベルに成長している事が多いのだとか

そういえば元帥さんも、料理、洗濯、掃除のアビリティレベルが高かったな

あれはそう珍しいことではないそうだ


一緒に行動している美樹も順調にレベルが上がっていて、今は私と同じレベル5だ

見せてもらったステータスは、こうなっていた


木野 美樹 女 16歳

Lv5/100

次レベルまで 51

成長率 1.096


生命力 1442


魔力 721


攻撃力 144


魔法力 144


対物力 144


抗魔力 144


機動力 144


感覚力 144


思考力 144


運勢力 144


アビリティ 剣術Lv2 盾術Lv1


      戦闘思考Lv1 部隊指揮Lv1


美樹の成長率は1.096

美樹の話だと、私とのステータスは相当の差が出るって事だったけど、今のところそれほど大きな差は出来ていない

それを美樹に話すと


「あのね、まだ4回しかレベルアップしてないのよ。掛け算する回数が増えれば増えるほどに、差が大きくなってくるから、それまで待ってなさいね」


などと、なんだか子供に諭す様に言われてしまった

いや、いくら私がおつむ弱いからって、子供扱いはちょっと……


そう思って拗ねていると、頭を撫でられ慰められた

理以外に撫でられても……ちょっと気持ちよかったのは内緒だ

まあ、理に撫でられたら、間違いなくとろけてしまうだろうけど


……理とはあれから、あまり会えていない

日々強くなっていく実感がある分、それを許されない理に対する後ろ暗い感情も増していく

正直なところ、会っても何を話せばいいのか分からない


以前は話を途切れされる方が難しかったのに…


人伝に聞いたところ、理は部屋とどこかを往復する毎日だそうな

何をしているのか、はっきり言ってとても気になるが、今は正直合わせる顔が無い

理ならこの逆境も覆してみせるだろう、という思いもある

あれほど強かった理が、それだけの強さを得る努力を積み重ねた理が、このまま諦める筈はない


どうなるにせよ、今の私に、理の為に出来る事はない

ならば、少しでも早く強くなって、理を助けられる様になろう


その一心で、今もイングリットさんに付き添われて、美樹と一緒に魔物狩りに出ていたところだ


「う〜ん…!今日もいっぱい倒したな〜」


「そうね、百合ったら凄く張り切って、連携も考えずにガンガン前に出るんだから。そりゃあ、いっぱい狩れたでしょうよ」


帰還してすぐ、軽く背伸びしながら口にした言葉に、美樹がチクリと一刺ししてきた


「いや、連携なんかしなくても、この辺りの魔物なら余裕で倒せるでしょ?」


私はそう反論するが


「そうね、それは正しいと思うわ。でも、将来的にはもっと強い魔物を相手にしなきゃならなくなるでしょ?その時の為に、余裕がある内に連携の練習をしましょう、って言っておいたわよね?」


しかし、私の甘い理屈などでは美樹は論破出来る訳がなく、逆にこちらが論破されてしまった


「そうですね。お二人は順調に力をつけていますが、何事にも初めては付き物です。その時、慌てて隙を晒してしまう事も珍しくありません。そしてそのまま…という事もよくあります。その時、連携が取れていれば、それだけで安心感が生まれて、慌てる事も少なくなりますし、もし慌ててしまっても、その隙を仲間がカバーしてくれますから。ミキ様の仰る事は正しいかと思います」


更に追い打ちをかけてきたのは、初日から私達に付き添ってくれている王国騎士のイングリットさんだ

流石に経験に裏打ちされた理屈には、私如きじゃ反論の余地も無く見事にやり込められてしまった


「ぐう…分かりました。明日からは気を付けます」


そういうしか出来ない私は、何とかぐうの音だけは出してみせた……何の意味も無かったが


「ですが、かなりの速さでレベルが上がっていますし、あと数日の内にレベル10に上がれるでしょう。そうなれば、迷宮進入の許可が下りますから、それまでには連携をある程度出来る様になっていた方がいいでしょうね。始めのうちはそれほどの危険は無いですが、やはり外とは色々と異なりますから。万全を期した方がよいでしょう」


迷宮か…


「ねぇ、イングリットさん。迷宮って、そんなに外とは違うものなの?一応、事前に説明はされたけど、あんまり理解できなかったんだよね」


迷宮に関しては、武器を選択した時、つまり、事前の戦闘講習で説明を受けていたのだけど、どうも講習とかだと頭に入ってこないんだよね

そんな訳で、ここ数日で結構親しくなったイングリットさんに、出来ればその経験からくる為になるお話をお聞きしたいなぁ〜、という下心から質問してみることにした


「そうですね。まず、外では多くても、一度に現れる魔物は10体程度が精々ですし、そもそも個体も弱いものが殆どです。また、それほど連続して遭遇する事もない、というのは、ユリさんミキさんもご理解頂けていると思います」


「そうね。こう言っちゃなんだけど、魔物を倒す時間よりも探す時間の方が明らかに長いくらいだったものね」


「そうだったね。それに、魔物っていうくらいだから、もっと手強いと思ってたのに、実際に戦ってみるとホントにすぐ倒せちゃったし。確か、私達の初期ステータスって、この世界じゃ結構低めなんだよね」


「仰る通りです。異世界人の皆様のステータスは、正直、一線に立つには心許無い数値ですね。成長率も高いですし、レベル上限も倍ありますので、最終的には、私達など足元にも及ばなくなりますが、現段階では初期課程を済ませた子供にも敗北するでしょう」


「まあ、私達の強みはレベル上限の高さにあると言っても過言じゃないからね。レベル50を越えるまでは、同レベルで一流の人には劣るでしょう。それは仕方ない事だわ」


そう、あの後しっかりと計算した結果、私達のステータスは、同レベルなら優秀なオースベル人のそれと大差無い事が判明したのだ

つまり、私達の本当の役目を果たす為には、出来るだけ早い内にレベル50を越えることが求められる

そうでなければ、最悪な事になるかもしれない、とは美樹の言葉だ


最悪な事…つまり、私達がこの世界での戦いに敗れ、死んでしまうこと

そうなれば、当然元の世界に帰る事など出来ないし、家族に再会する事も出来ない

というか、そもそも死にたくない、この若い身空で

初キスだってまだなのに


「話を戻します。迷宮の特徴の一つとして、魔物の出現数の多さや出現頻度の高さが挙げられます。この特徴の為、基本的には皆、それこそ一般国民から将官、果ては王族まで、レベル上げは迷宮に入って行うのが普通です。はっきり言って効率が桁違いですから」


脱線しかけた私の内心を察したのかは分からないが、イングリットさんが続きを話して修正してくれた


「それだけ効率的なら、何故初めから迷宮でレベル上げをせずに、外で狩りをするの?非効率なんでしょう?」


美樹は不満げにそう質問する

その気持ちは私にも解る

少しでも早くレベルを上げたいのだ、私達は


それは恐らく、クラスメイト全員共通の思いだろう

確かに夢のような出来事だが、夢は夢だからいいのだ

特にファンタジーな夢は、現実になるとこの上なく厄介だ、という事を今思い知っている


「疑問はもっともだと思います。それも可能でしょう。既に説明されたと思いますが、国内の迷宮に入るには、レベル10以上でなければなりません。この条件の設定には色々理由がありますが、まず一つ。レベル10以降は必要経験値が跳ね上がる事にあります。このせいで、外でのレベル上げの効率が落ちてしまうのです。それを改善する為、迷宮に入ることが求められます。二つめの理由は、多くの場合、レベル10になった辺りで初期値の倍のステータスに成長する事です。その為、我が国では、レベル10になったら一人前と見做されます。それらの理由から、迷宮入りはレベル10以上、と定められているのです」


うん、説明が長い

正直半分も理解出来ませんでした

つまり、迷宮にはレベル10にならないと入れなくて、迷宮内では、より効率的にレベル上げが出来る

って事でOK?


「でも、それだと理由としては弱いんじゃないかしら?特に、私達をすぐに迷宮へ向かわせない理由にはなってないわね。国としても私達のレベル上げは、寧ろ推奨したいくらいでしょうに」


「国の思惑は分かりません。ですが、効率的に経験値を稼げる、という事は、それだけ多くの魔物と遭遇するという事でもあります。また、迷宮内の魔物は外の魔物よりも強いです。つまり迷宮内では、外より強く、数の多い魔物と、閉じられた空間で戦わなければならないのです。これが如何に危険な事かは、聡明なミキ様ならご理解頂けるでしょう?」


そう言うイングリットさんの瞳は、真摯なそれだった

純粋に私達の心配をしてくれているのが伝わってくる

それなりに仲良くなれたとは思うが、それが一方的な思い込みで無かった事に、嬉しさを感じた

美樹にもそれは伝わった様だ

……ところで、私は?私は聡明じゃない?私じゃ理解出来ないって思われてる?


「ええ、そうね。愚問だったわ。ごめんなさい、イングリット」


「いえ、焦燥感を覚えるのも当然でしょう。お二人の御友人、サトル様の事も心配でしょうに、事は思った様に進まない。焦ってしまうのも、仕方のないことと思います」


美樹は理に関しては、私ほど楽観視していない様だ

美樹も理の強さはよく知っている

それ故に、今の理がどれほど気落ちしているか、何か取り返しのつかない事を仕出かしてしまわないか、といつも心配している


場が少し暗くなってしまったので、僭越ながらこの百合めが、締めに入らせていただきます


「とにかく!」


パン!と両手を叩き合わせ、大きく声を上げる


「レベル10になるまでに、連携の練習をしておく。そして、レベル10になったら迷宮突入!今後の方針はこれで良い?」


そうして二人に問いかける

二人も私の意図に気付いてくれた様で、笑みを浮かべて答えてくれた


「ええ、了解よ」


「了解しました。明日から、連携の指導も行いましょう」


ただの付き添いの筈なのに、イングリットさんは面倒な役割を引き受けてくれるみたいだ

この恩はいずれしっかりと返さないとね



その後、イングリットさんとは城門前にある騎士団の詰所前で別れた

何でも、私達の活動に関しては、付き添いの騎士さんに報告の義務があるのだとか

これから報告書の作成だ、と言っていた

所謂、お役所仕事というやつだろう

本当にお疲れ様です、後で差し入れでも持って行こうかな、お世話になってるんだし


百合ちゃん達とヘクターさんのレベル50ステータスの比較をば

ヘクターさん

生命力 100232 魔力  12029 攻撃力 10414 魔法力  4327 対物力  8130 抗魔力 3234

機動力 7608 感覚力  7228 思考力 6943 運勢力 1807


で、百合ちゃんは

生命力 102060 魔力 51033 攻撃力魔法力対物力抗魔力機動力感覚力思考力運勢力 ALL10206


美樹は

生命力 97614 魔力 48807 攻撃力魔法力対物力抗魔力機動力感覚力思考力運勢力 ALL9761


あまり大差はないですね、寧ろ一部は明らかに勝っています

まあ、計算に使う数値は殆ど同じですから当然なんですが、実際に出してみると実感します

故に彼ら地球人は早急なレベル上げが急務です


因みに各レベルのステータス計算式はこの様になっています

(初期値)×(成長率のx乗)

xは計算するレベル-1の値を代入(レベル50のステータスを求めるなら50-1=49を代入する)


多分これで求められるはず……多分


次回は年を跨ぎます

それでは皆様、よいお年を

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