第十六話
予告通りの説明回です
それだけだとつまらないので、百合ちゃんに合いの手を入れてもらいました
理くんだと冷静に分析始めそうだからね、仕方ないね
最後の方にオジさんの説法が入ります
そういったものが嫌いな方は飛ばしていただいて構いません
ストーリーには噛んでこないと思うので
今度は元帥って呼ばれていたオジさんに先導されて、私達は今、長机の並ぶ部屋に来ている
さっき言っていた、説明とやらをここでするのだろう
「適当に座っててくれ。準備があるから、少し時間を開けて説明を始めることとする」
そう言うと元帥オジさんは部屋を出ていった、マントが翻ってちょっとカッコよかった
私は美樹と一緒に部屋の中ほどの机に座る、椅子が固くて座り心地が良くない
理は勿論一緒
理も一緒に座る友達はいないし、ちょうどいい
「ねえ、説明って何を説明するんだろうね」
元帥オジさんが戻ってくるまでやる事が無いので、二人と雑談する事にした
「さぁねぇ…違うことがあるって言ってたけど、私には何もかもが違って見えるけどね」
「だよねぇ、こんな立派なお城、海外でも見たこと無いよ」
「まあ、この国は世界最大の国らしいし、それ相応の偉容はあって然るべきじゃないかしら」
「お前ら、えらい暢気なのな」
何だか分からないけど、理に呆れられてしまったみたい
「えー、どうしてよ。お城、すっごいじゃない」
「いや、城が凄いのは分かるけどな、今はそれどころじゃないだろうに」
「と、言われても、舞島くん。これからされるって説明が何なのか分からない以上、どうしようもないでしょう?」
「そうよそうよ、美樹の言う通りよ」
「やかましいぞ、百合。木野、確かにその通りなんだけどな。でも、一つだけ、推測出来る事があるぞ、気付かないか?」
私達を試す様に、質問を投げかけてくる理
と、思いましたが、理は美樹だけを見ている、私には分からないと思ったのだろう
全くその通りなので、いつも通り、私を理解してくれている理に愛しさと切なさと心強さを感じておく
「心当たりがあるの?しかも、私にも解ること……」
美樹も見事に私を除外している、二人が私をよく理解してくれて嬉しいよ、ちくせう
「ヒント 女神が言ってたぞ」
「う〜ん。ダメ、分からないわ、降参」
美樹が諸手を上げて、ギブアップの意思を示す
それと同時に、元帥オジさんが部屋に戻ってきた
「おっと、残念。講釈垂れる時間が無いな、こりゃ。答え合わせはなし。まあ、直ぐに分かるよ」
「みたいね。あら?あれは何かしら」
美樹の視線を辿ると、元帥オジさんが連れてきた人が何かを引いていた
何と言うか、石板?かな
あれか、黒板みたいなものかな、あれにこれから説明することを書き出していくとか
「おし、全員居るな?便所行ってる奴とか居ないだろうな?」
オジさんが皆の前に立って、点呼みたいな事をしだした
と言っても、皆の名前が記された名簿があるわけではないから、こちらに出欠を確認するだけ
当然、誰一人欠けていないので、理がその事を元帥さんに伝える
「おし、じゃあ先ずは自己紹介しておこう。俺はヘクター・オルブライト、この国で元帥の位を勤めている」
うん、王様がそう言ってたから、それは知ってる
ヘクターさんは、五分刈り?と言うのだろうか、短く刈り込んだ頭部に右の顔面を縦に走るぶっとい傷痕、無精ひげが特徴の気の良さそうなオジさんだ
そのヘクターさんは、自己紹介を簡潔に済ませ、連れてきた人に指示を出して、石板を私達の正面に持って来させた
「さて、これからこの世界に於いて非常に重要な事を説明する。恐らくだが、諸君が呼ばれた原因の一つはこれに在る筈だ」
私達が呼ばれた原因?それはとっても気になる
完全に強制的にこっちに連れて来られた理由が判るとあって、周りの皆もヘクターさんの説明に集中する体勢になった様だ
「端的に言おう。この世界にはレベル、そしてステータスというものがある。これは天啓で知らされている事だが、君たちの世界にはそうした能力を明文化したものは無いそうだな」
レベル?ステータス?って理がやってるゲームに出てくるあの?
クラスメイトも相当に混乱しているみたい
そこで、ふとさっきの理の話が気になった
「ねえ、理。さっき言ってたのって」
「そうか!女神が言ってたって、この事ね?舞島くん」
おう…理に訊こうとしたら、美樹が何やら気が付いたみたいで、思いっきり割り込まれました、どうでもいいけど声おっきいよ、美樹ちゃん
「ん?女神様が言ってたって、何のことだ?」
ほら、おっきい声でそんな事言うから、ヘクターさんが食いついちゃったじゃない、あとクラスメイト達も食いついた、やっぱり気になるのね
「え?あ、えっと……」
美樹が自分の失敗と突然集中してきた視線にしどろもどろになっていると
「ヘクターさん、と呼んでも?」
理がフォローに回った、まあ、理にも原因あるし
「ああ、勿論構わない。それで、お前は確か、陛下と話していた奴だな。名前はサトルだったか」
「はい、舞島 理。理と呼んで下さって構いません。それで、さっき彼女が言った事なのですが」
「女神様が言ってた事ってヤツだな」
「はい、俺達はこの世界に来る直前に、女神オースベルと名乗る存在に逢いました。そして、彼の女神は俺達にこの世界へ呼び出された旨を伝えたあと、こう言ったのです」
『皆さんの身体能力値を全員同じ値に変更いたしました。これにより、相当の強化が施されることになります』
そうそう、そんな事言ってたわ
私なんかすっかり忘れてたのに、流石理は憶えてたか
周りも、そういえば、みたいな反応をしている、皆も忘れてたんだね
「なるほどな、身体能力値。それはステータスの別称だ。正確にはステータスの内の一つを指して、身体能力値と呼ぶ」
「勿論、俺達の世界にも、身体能力を数値化する試みはありますが、この世界のそれは神に認められたもの、文字通りレベルが違うのでしょう」
「フッ、そう言われるとハードルが上がるが、まあ、取りあえず説明しよう」
そう言うと、石板に手を添えて、何やら連れてきた人がし始めた
すると、突然石板が発光し、光が収まったと思ったら、石板の表面に文字が刻まれていた
「さて、どうやらステータスの存在は事前に知らされていたらしいし、後は実際に例を見せながら詳しく説明していこうと思う。これを見てくれ、これは俺のステータスだ」
そこにはこう刻まれていた
ヘクター・オルブライト 男 52歳
Lv50/50
次レベルまで ―
成長率 1.082
生命力 100232
魔力 12029
攻撃力 10414
魔法力 4327
対物力 8130
抗魔力 3234
機動力 7608
感覚力 7228
思考力 6943
運勢力 1807
スキル
大剣術Lv7 槍術Lv6 盾術Lv8 風魔法Lv6
軍団指揮Lv5 部隊指揮Lv7 計算術Lv3 筆記術Lv5
料理Lv7 洗濯Lv5 掃除Lv5 工事Lv6
なんかホント、ゲームみたい
そんな感想を述懐していると、ヘクターさんが話を続けた
「まず一番上、俺の名前と性別、それと年齢だ。俺は今年で52歳だから間違いない。で、その下、これが俺のレベルだ。レベルの上限は50だから、俺は既に成長し切っている訳だな。この/の左側が現在のレベルを表している。右側は上限だな。で、その下、次レベルまで、これは次のレベルアップまでどれだけの経験値が必要か、という事を表している。俺の場合は上限まで育っているから ― と書いてある訳だ。経験値については後で説明する、今は脇に置いとけ」
そこまで一気に説明される、正直付いていけない
けど、石板の表記を見れば大体分かるから、それでいいでしょ
「次、かなり大事だが、あまり言う事が無い項目だ。成長率って書いてるだろ?これは、レベルアップ時にこの割合で元のステータスが上昇するんだ。俺は1.082。8.2%の割合でステータスが上昇する.レベルアップ前の数値が100なら、レベルアップ後は108.2だ。小数点以下は表示されないし、ステータスとして適用されない。けど、ちゃんと計算には含まれていて、最終的には繰り上げで、一桁目が1上がる。俺のステータスは、小数点以下を表示しなければ、例えば攻撃力は10413なんだが、実際には10414だ。最終レベルアップで小数点以下を繰り上げて表示しているから、こうなるんだな」
なんかいきなり数学の話になった
止めてよね、私が本気になっても、数学なんて出来る訳ないでしょ
「さて、その下、何か文字と数字が並んでいるな。これがさっき言ってた身体能力値だ。まず生命力、なのだがこれと魔力は飛ばす。攻撃力から説明するぞ。これは素手や武器を用いた攻撃の威力を指す。投擲の威力なんかもこれに影響されるな。弓もそうだ、弓ごとに設定されている数値以上の攻撃力が無いと、そもそも弦が引けない」
「次、魔法力。これは魔法を用いた攻撃の威力を示している」
「すみません。魔法って俺達の世界にはないんですが」
説明の途中で、クラスメイトの一人から声が上がった
確かにそうだ
物語なんかで馴染んでたから、スルーしてしまうところだった
誰だか知らないけど、グッジョブ!
「魔法も無いのか。分かった、それも実演して見せよう」
そう言うと、ヘクターさんは右手を、何かを捧げ持つ様に持ち上げると、その手のひらから突風が吹いてきた
「これが魔法だ。俺は魔法型のステータスじゃないから、あまり威力は出ないんだが、それでも高成長率と最大レベルの恩恵で、一般的よりは上の威力が出せるな。この風を圧縮してぶつければ、下手な投石より威力が出るぞ、俺は投石の方が強いからやらないけど」
そう言って、手を握って風を消し去った
「下に書いてあるスキルって項目に、風魔法ってあるだろ?いま使ったのがその風魔法だ。まあ、見たまんまだな。スキルに関しては後程説明する」
「じゃあ、次な。対物力、これは攻撃力に対する抵抗力の事だ。単純にこの数値が高い方がより高威力の攻撃に耐えられるって事。これは打撃、斬撃、刺突撃、全てに共通する事だが、この数値を攻撃力が上回らないと有効なダメージが与えられない」
へー、じゃあ、真っ正面から攻撃を受け止めて、「ふっ、効かんな」とか出来るのかな
「で、その下、抗魔力。さっきの流れでもう解るな?これは魔法攻撃に対する抵抗力だ。さっき見せた風魔法の他にも火、水、氷、土魔法なんかがあるが、これら属性に関わらず、この数値を上回る魔法力で攻撃しないと有効なダメージは入らない。さっきの対物力と同じだな」
敵の魔法攻撃の集中砲火を浴びて、土煙の中から無傷で現れるってのも出来るのか…「やったか!?」ってやつ
「次は機動力だ。これは、体を思う通りに動かす力を指す。思い通りと言っても首が一回転したり、関節が逆に曲がったりはしないぞ。あくまで体が取り得る範囲で、な。これは速度にも影響する。当然だな、思う通りの中には速く動かす事も含まれるからな。つまり、この数値が高い奴はよく避ける。回避が上手いんだな。まあ、回避は速いだけじゃ出来ないがな」
あ、私、回避は自信ある
しかも、ここは魔法がある異世界
「残像だ」って回避するのも夢じゃない!?
「次、感覚力。これは個人で表す対象が変わる項目だ。感覚とは、目、耳、鼻、舌、肌、魔の六感の事だ。え?六感も無い?そうか、諸君の世界では五感が普通なんだな。魔法無いって言ってたし、最後の魔感がないんだろうな。じゃあ、今説明しておこう。魔感とは、魔力を感じる、という意味だ。んー…実践しようにも、魔感がないんじゃ、実践しても分からないだろうしなぁ…」
なんか悩みだしたヘクターさん
その、魔感?が無いから、実践してみせても分からないって言ってる
霊感無いから幽霊見れないっていうのと同じかな?魔感無いから魔力感じられない
じゃあしょうがないよね
「この魔感が鈍いと、魔法が上手く使えないんだよ。魔法が下手くそな奴は、大体この魔感が鈍いからな」
ええっ!?じゃあ、私達、魔法使えないの?
そんなぁ、折角異世界くんだりまで来たのに、魔法使えないって、そりゃ無いよぉ〜
「まあ、とにかく実践してみよう。案ずるより産むが易しって言うしな」
その諺、異世界にもあるのね、何か不思議
ヘクターさんはさっき魔法を見せてくれた時みたいに、手を掲げた
ん?なんか、ヘクターさんの手、光ってない?
「どうだ?今、俺の手から魔力を放出しているんだが、何か感じるか?」
方々で手が挙がり、やれ光っているだの、霞がかっている、いや何か金属音が聞こえる、と色んな声が上がる
理も何か目を見張っている、隣の美樹も同様だ
どうやら私だけじゃないらしい
「おお、見えるか。それが魔力だ。感じ方は人それぞれで、目で見える奴、匂いを感じる、音が聞こえる、肌がピリピリする、変わり種だと味がするって奴もいるな」
魔力の味か…ちょっと興味あるかも
「今感じたのが魔力で、それを魔感と俺達は呼んでいる。専門的に言えば、魔力感知と言うんだが、魔感の方が言いやすいし、語呂もいいしな」
「と、どこまで話したか…ああ、そうそう、感覚力の話だったな。この感覚力なんだが、数値が高い程感覚が鋭くなっていく、のだが。ここで一つ問題というか、個人差が出る。鋭くなる感覚の種類が人によって異なるんだ。俺の場合は聴覚が鋭くなっているんだが、俺が連れてきたこいつ」
そう言って、石板の隣に控えていた人を指し示す
存在感が薄いから忘れてた
「こいつは全体的に満遍なく鋭敏になっているんだよ。ここが個人差が出るって言ったところだな」
私はどうなんだろう…視覚かな?動体視力には自信があるし
「じゃあ次な。思考力。考える力、よく分からんな。分からん奴は、この思考力が低い。さっき言った回避はこれも重要になる。この数値が高い奴は賢い、と思っておけば間違いはない。閃きなんかにも影響があるそうだぞ。まあ、低くても閃く事はあるから、一概には言えんだろうが」
これは、私ちょっと自信ないな
小さい頃お母さんに「百合はもうちょっと物事を深く考えて動いた方がいいわね」って言われた私だよ?
こういうのは、理に丸投げが一番いい
牡丹にも「お姉ちゃんはもうお兄ちゃんの言う通りにしてればいいと思うよ」って言われたし
まあ、譲れないとこは譲りませんが、一緒に登校するのとか
「最後、運勢力。これは実に分かりにくい。何が分かりにくいって、これの効果が分かりにくい。一応、運不運に関するって事は分かってるんだけど、そんなの分からないだろ?二人以上の人間が一つの物事に関わる時、この数値が高い方がいい結果を得られる、らしい。要は、運も実力の内ってことだな」
説明も曖昧、分かりにくいっていう気持ちは分かるけど
運が良かった、なんて普通は分からないよね
それに、運で勝ち取ったなんて、普通は信じたくないし
「この運勢力だが、全体的に数値は低い傾向にある。実際に、俺のステータスを見ても一段と低い数値だろ?これでも高いほうなんだぜ?特に低い奴らだと二桁とかもあるからな。それに比べたら、四桁ある俺は凄いんだぜ」
何だか自慢げだ、ヘクターさん
私なら、運が良いなんて言われても、それだけでここまで来たわけじゃないって反発しちゃうけどな
あ、理に出会ったのは幸運の賜物だよ、あの日の出会いには神様感謝してます
「さて、飛ばした生命力、魔力についてだが、まずは魔力を説明しようか。この数値は魔法を使用すると減少する。が、休めば回復するので心配するな。回復を早める薬もあるぞ、苦いけどな。青いどろっとした飲み物なんだけどな。凄い不人気なんだよ、なんでだろうな。まあ、俺もあれ嫌いなんだけど」
その薬、ズバリ魔力回復薬と言うらしい、そのまんまやんけ
どろっとしてるのがいけないんじゃないかな?そのうえ苦いと
苦いのが中々飲み込めないとなれば、やっぱり嫌でしょ
私、粉薬嫌いだし、飲みにくい上に苦いから、のどにからまるんだよね、あれ
「この魔力、空になると魔法が使えなくなる。当然だな、これを消費して魔法を使うんだから。薪も無いのに暖炉は使えないわな」
その例、私達には実感が薄いよ
充電無くなるとスマホ使えなくなる、とかなら実感出来る、よく実感してる
あ、電子機器とかないのか、中世ヨーロッパっぽい雰囲気だし、無さそうだよね
「とうとう来たな、生命力。これを最後に持ってきたのは、出来るだけ印象づける為だ、諸君もしっかりと記憶に刻みつけて欲しい」
今までの、冗談を交えた小粋な雰囲気を一変させ、緊張感を滲ませる真面目な顔で私達に語りかけるヘクターさん
なんか、凄く大人っぽい、私がオジさん趣味だったら落ちてたかも
「まず、この数値は、多くの場合、ステータス中で最大の数値を持っている。人によっては魔力の方が高い場合もあるが、生命力が低い事は絶対にない。病弱な奴でも、死にかけの爺さん婆さんでも、この数値は皆高水準だ。大体、最大レベルで50000以上はあるな。これは何故か。それは、これが生き死にに直結する数値だからだ」
怖いくらいの真顔で説明するヘクターさん
理も美樹も、凄い真剣な表情で聴いている
多分、これがとても重要な事だと分かっているんだ
私も倣って、ヘクターさんの言葉に集中する
「さて、諸君は命の価値をどう考えているか」
そう、独白する様に話を続けるヘクターさん
「これは俺の価値観だ。諸君に押し付けるつもりはない。が、52年の歳月で培った価値観でもある。諸君らはまだ若く見える。異世界人である諸君らが、俺達と同じ時間を生きているかは分からない、常識も大きく異なるだろう。だが、それでも、一聴の価値はあると自惚れて、俺はご高説を述べるとする。これが、諸君らの今後に役に立てば幸いである」
不思議と、集中すると眠気も襲ってこない
こんな話、普段なら眠くて仕方ないのに
「さて、諸君らは命、というものをどう捉えているだろうか。一つしかない?何よりも大事?ああ、そうだ。命は、少なくとも一個体に一つしかない。そして、それが失われる時が、その個体が終わる時でもある。であるなら、それは何よりも大事だと言えるだろう」
「だが、それだけではないのも確かだ。諸君にはまだ早いかもしれないが、自分の命よりも大事なものっていうのが出来ることがある。それは、表面上でもいい、理解できるな?理解できるものとして話を進めるぞ。その自分の命より大事なもの、親だったり子供だったり、或いは血の繋がりすらない奴だったり。様々だ、だがそれら全てにはそうなるだけの価値がある、少なくとも当人にとってはな。これらの為に、もっと言えばこれらを生かす、あるいは活かす為に命を懸けるっていうのは、決して愚かな行為ではない。尊いものだ、と俺は思う」
「さて、ここでこの生命力、という数値に話を戻そう。要は、この数値はそうした非常に大事な、それでいて有効に活用し得るもの、そのものを表してる、非常に大きな意味を持つ数字だ。魔力は無くなっても回復させる事が出来る。が、これが無くなった場合、回復させる手段は一切ない。1でも残っていれば回復可能だが、0になればそこまでなんだ。各々、いつかこれを0にする日がやってくる、必ずな。出来る事なら、その時後悔しない様、心に留め置いてほしい」
しん……と黙して誰も言葉を発さない
そんな静寂を、ヘクターさんは
「いや、これ新兵相手に必ず講釈するんだが、やっぱり照れるな、ハハハ」
と、短く刈り込んだ頭をバリバリ掻いて、破ってくれた
こういうのも年の功って言うんだろうか、ちょっとカッコよかった
オジさんの説法は、かつて近所のおじいさんに聞いたお話を元にしています
その方は随分と前にお亡くなりになりましたが、なんやかんやでそのお話が人生の糧になっている気がします、年の功とはよく言ったものですね
さて、次回は説明会の続きです
視点は理くんに戻す予定です
理くん弱体化ステが明るみに出る、かも
一週間以内に投稿します、させます、させません
…いや、しますよ?




