37話
あれから三時限目の授業で魔法学で習った幾つかの初歩的な魔法を発動するなどして授業は進み、四時限目ではそのまま体育だったので実習場の更衣室で体操着に着替えてから体力作りが始まった。
あぁ、そうそう。この時に着替えることになった体操着はシドラ先生の収納魔法で収納されていた物がそれぞれ生徒たちに配られることになった。もちろん新品である。
「そこまで!各自水分補給を行なってから昼食を摂るように。あぁ、そうだ。寮の食堂で昼食を食べるんだぞ。それじゃあ解散だ。」
授業終了のチャイムが鳴ったことで体育の授業は終了した。これで昼休みまでの授業は終わって昼食の時間帯になった。
「はぁ、はぁ、はぁ……疲れた。この授業が1番大変かも。」
息を整えながら先ほど受けた授業の内容を思い出す。体育の授業で行なったのは2つだけ。身体を動かす前に行なったストレッチとその後は体力作りにマラソンを行なうことになった。
体育の授業が終わるまでの間ずっと走っては休憩、また走っては休憩、と繰り返し行なって走り続ける授業だった。
全身から球のような汗は流れ出るし、体操着なんて汗でびっちょりになってしまっている。
周りのクラスメイトも大半は息も絶え絶えで苦しそうにしているし、本当に大変な授業は体育なのではないかとやっぱり思ってしまう。
荒げていた息も整ったことで、俺は全身の汗を乾燥させる魔法で除去してから、浄化魔法で身体と衣服を全て綺麗にした。
「これならいいか。」
浄化魔法で綺麗にしているので洗濯までしなくても大丈夫なくらいには綺麗になった。
これで昼食を気分良く食べられるな、と思って移動をしようとした時に話しかけられてしまった。
「ディン、ちょっといい?」
「どうしたんだ。マリン。」
話しかけてきたのは隣の席のマリンだった。
ちなみにマリンは貴族だが呼び捨てタメ口でも構わないそうだ。
「私にもさっきのディンの魔法を使って欲しくて……駄目?」
「まあ、それなら別にいいぞ。」
「やった!じゃあ使って使って!!」
「分かった。動くなよ。」
まず衣服と身体を乾燥させる魔法を発動して衣服を完全に乾かして身体は適度に乾燥させ過ぎない程度に乾かすと、その後に全身を衣服も含めて浄化魔法で綺麗にしてしまう。
「どうだ?」
「うん!すごいよ!この魔法!!私でも使えるかな?」
「元の魔法を改良して使い勝手を良くしてるからな。大変だと思うぞ。」
「そうなんだ〜。じゃあさ、改良した魔法の方を教えてくれないかな?」
それはちょっとと悩んでしまう。
乾燥の魔法も浄化魔法もここまで改良するのに時間をかけて改良を行なっている魔法だ。
乾燥魔法の原型は初等部でも習う魔法を元にしているが、それを改良し過ぎているせいで難易度が高い。
浄化魔法も改良を加えているけど、浄化魔法自体の取得難易度が中等部で覚える魔法なせいで難易度がこれまた高い。
そうなると2つの魔法を覚えるのに時間を使ってしまうことになるだろうし、魔法を覚えるまでの間にどれだけの時間を必要としているのかも分からない。
それをクラスメイトになったばかりのマリンに教えるのは躊躇ってしまう。
躊躇っている間に俺に話しかけてくる者がいた。
「おい!教えてやればいいじゃねぇかよ!!ちょっとくらい構わねぇだろ!!」
「マサランか。だけど覚えるまで教えることになると俺が使える時間が少なくなるだろ。浄化魔法の方は中等部で習うことになるし、乾燥魔法は改良し過ぎて覚える難易度が高いんだよ。」
「あ、あ〜そうなんだ。それならいいかな?まだ学校も始まったばかりだし。慣れない生活もあるしさ。」
マサランのせいで雰囲気が悪くなってしまったが、その後も俺に乾燥魔法と浄化魔法を頼んでくるクラスメイトに魔法を使ったりしながら更衣室に向かうのだった。




