35話
クラスの大半がマサランを嘲笑して馬鹿にする笑いが起こっているのを聞いて、まあ俺もこのマサランが1番になるのは無理だろうとは思っていた。
アカシックレコードで知り得る情報の中には生徒の魔力量だけじゃなくて属性魔力の親和性やどれだけ魔力の操作や制御が行なえているのかなどの情報だって入って来ている。
はっきり言ってマサランはこのクラスの中では魔力量はそこそこだし、魔力の操作や制御に関する部分も下から数えた方が早いくらいの順位だ。
そんなマサランがこの1組のクラスで1番になるには俺が例え居なかったとしてもかなり難しいと思われるし、それにこのクラスには俺がいるからこそ誰も1番の席は奪えないだろう。
誰を見ても俺よりも魔力操作や制御に関する部分も俺以下しか居ないし、これから鍛えたとしても魔力量を含めて俺よりも上には魔力の操作も制御も属性魔力の親和性も上げられないのは分かり切っている事実だ。
実際はやめないが、例え俺がここから鍛えることをやめたとしても俺に追い付かなくて誰も出来ないだろう。
それが出来るのは余程の天才か、それか俺とは違う別の転生者たちのチート能力次第と言ったところか。
そんな事を考えている間にクラス中の嘲笑めいた空気や笑い声を聞いたのだろうマサランは顔を真っ赤にしていた。
あぁ、血圧上がっているな。とアカシックレコードから送られてくる情報でマサランの身体の状態を知ってしまったが特に何もマサランに言うことはしないことにした。
「うるせぇ!なるったらなるんだよ!!お前ら全員見てろよ!!特にお前だ!!」
「えっ、俺?」
いきなり指を刺されて驚いた。
特に俺はマサランに何かしら言ってもいないし、マサランを笑ったりもしていなかったのに指を刺されて本当に驚いてしまう。
「そうだ!今は1番でも油断しているとすぐに俺が奪ってやるぞ、ってことだよ!!」
「あ、うん。そう……まあ頑張ってよ。俺は試験は手を抜かないようにするからさ。(まあなるべくだけどね。)」
まあもう既に俺が異常なのだろうとは先生たち教師も理解しているとは思う。複合魔法を使えることもバラしたし、それに何よりも俺の魔力量自体がもう異常だしな。
真っ赤な顔をして興奮しているマサランは言いたい事を言ったからか俺の席の前から消えて自分の席に戻って行くのを知覚しながら俺は8時30分になるまでシミュレーションの結果でも確認しようとしたのだが隣の女子生徒が話しかけてきた。
「ねぇねぇ、あの子と知り合いなの?」
「試験の時に同じだっただけの知り合いかな?試験会場で少し話しただけだし、親しくもないよ。」
「ふぅーんそうなんだ。それで貴方なんて名前なの?私はマリン・オーシャン。オーシャン家の次女よ。」
家名があるから貴族だ。この国だと家名を持てるのは貴族だけしかいない。
それにしてもオーシャン家って聞いたことない。でも俺が知っている貴族の家名なんて俺が暮らしていた村を統治している貴族の家名しか知らないし、興味自体がなかったからな。
「あ、貴族なんですね。俺はディンです。平民ですよ。」
「すごいね、平民で一位になるなんて。魔法の先生がすごかったの?」
「両親から教えて貰っただけだよ。」
それからもマリンに話しかけられて聞かれた質問に答える感じで会話をしていると時間がどんどんと過ぎていき8時30分を時計の針が示そうとした時に教室の扉が開いた。
教室の扉から入って来たのは大人の女性だった。この人がこれから1年間か2年間お世話になる担任の先生なのではないだろうか。
「時間になりましたね。それでは自己紹介から。私は1組を担当するシドラです。これから貴方たちが卒業するまで1組だった場合は私が担任をします。それでは自己紹介を序列1位の生徒から始めてください。」
それから俺が最初自己紹介を行なって順番に2位、3位と俺に続いて自己紹介が行なわれていくのだった。




