33話
試験があった翌日の朝。
俺は朝早くから起きて寮の入り口の前の広場でラジオ体操の動きみたいに身体を動かしていた。
「すぅーーはぁーーー終わりっと。」
若干の汗をかきながらラジオ体操を終わらせた俺は朝一番の風呂に入ることにした。
大浴場の脱衣所には誰も居らず、収納魔法に収納していたタオルを出して着ていた衣服を収納魔法で仕舞うと俺は大浴場の中に入った。
「やっぱり誰も居ないんだな。この時間帯だと。」
大浴場の方にも誰も居ない。完全に大浴場を独り占めすることが出来ていた。これなら周囲に気を遣って浴室に入らなくても良さそうだ。そう思った俺は浄化魔法で身体を綺麗にしてから軽くシャワーを浴びて浴室の中に入る。
「ふぅー……。」
身体を伸ばしてゆっくりと浸かるお風呂は全身が温まるし気持ちがいいが、それでも誰が入っていたのか分からないから浄化魔法を身体の周囲に纏わせるのはやめないけど。
時間が経ち10分、20分、30分と長風呂をしていると脱衣所の方から音が聞こえてきたので流石に上がることにした。
大浴場と脱衣所の扉が開いて大浴場の中に入ってきた子供に「おはよう。」と言われて反射で「おはよう。」と返したなんてこともありながら俺は熱った身体を冷やしてから着替えて寮の入り口の前に向かう。
「あぁー涼しい……。」
風が通って熱った身体が涼しく感じながら湯冷めだけはしないように魔法を使っておいた。
そうしてある程度涼み終わった頃には食堂が開く時間帯になっていたので食堂で朝食を食べに向かった。
食堂では既に数十人の子供たちが朝食を食べていたりしているのが見受けられる。
俺も自分の分の朝食を注文してお盆の上に乗せて空いている席に座って朝食を食べることにした。
今日の朝食はパン、スクランブルエッグ、ベーコン、スープ、オレンジ、これが朝食のメニューだ。
そんな朝食を美味しく食べてから俺は食休みに寮の中庭で時間が来るまでお腹を休ませることにした。
食休みの時間はただボーッと過ごしだけではない。休んでいる間に夜から朝までの間にシミュレーションで行なわれていたものを確認する。
「やっぱりそう簡単に行かなそうだね。」
アカシックレコードを魔道具的にも魔法的にも人の知覚的にも隠蔽することは今の知識だと難しいようだ。
幾つもの思考がアカシックレコードの改良を行なってシミュレーションで試してみたのだがどれも隠蔽には失敗している。
何が問題なのかは理解しているけど、その問題を解決する答えが見つかっていないのが現状だ。
魔道具的にも魔法的にも人の知覚的のどれかの隠蔽に成功したとしても、どれかには隠蔽が見破られることがあるし、それにシミュレーション内にあるアカシックレコードを見破れる方法以外もあるだろうことも問題だろう。
アカシックレコードで調べようとしているのが誰にも何物にもバレないようにする。それもシミュレーションにないような未知のものを含めて万能に。
目指すべき目標が高いけどこれくらい出来ないと機密情報を盗み見ることなんて出来ないだろう。
アカシックレコードの隠蔽の方はまだ半日も経っていないからこんな物だけど、それとは違って魔力量に関しては俺自身の正確な魔力量を理解することには成功した。
魔力量42万5943。
あの魔力測定機で測定される魔力量を基にした数字だと、これが俺自身の正確な魔力量だ。
同じグループで試験を受けていた69番でも魔力量は3764しかないのに魔力量が多い方だと言われる世界で、俺の魔力量である魔力量42万5943は異常なほどに多いと一目瞭然で理解してしまう。
この魔力量に合わせて俺自身の属性魔力への親和性や魔素の魔力への変換率も高くなっている。




