30話
そうして始まった最後の試験は魔法試験。魔法試験ではそれぞれが得意な魔法を試験官に見せるだけだ。
「魔法をまだ使えない者は私に伝えるように。今の段階で魔法を使えなくても問題ないからな。ここに入学すれば授業で魔法を使えるようになる。だからこそ魔法が使えなくて恥ずかしいと思わずに伝えるように。それでは61番からだ。61番は前に出て。」
試験官に呼ばれて61番の子供が試験官の元まで向かうのを見送る。一体61番はどんな魔法を使うのだろうか。
魔力量は少なくても魔法を使えるくらいはあるだろう61番がどんな魔法を使うのかを見ていたが。
「あ、あの……ぼく、魔法を使えません。」
「そうか。それなら下がっていいぞ。次は62番が前に出てくれ。」
どうやら61番は魔法を使えなかった。その事を残念に思いながらも次の62番はと期待した。
でも残念ながら65番まで魔法を使える子供は居なかった。
魔法を使えた66番だったが、その66番が使う魔法は本当に初歩の初歩の魔法だった。
そしてあれほど俺に向かって挑発?して来ていた69番の順番が回ってきた。
「それでは魔法を使用するように。攻撃魔法の場合はあの的に攻撃をするんだぞ。」
「ああ!みんな見てろよ!!行け!ファイヤーボール!!!」
両手を前に出した69番が的に向かって展開した魔法陣から火の玉を放って的に攻撃魔法を放った。
それを見て周りの子供たちは「おお!!」と驚きはしゃいでいるような歓声を上げており、その歓声を聞いてか69番はドヤ顔をして俺の方を見てきた。
今までの子供たちが使う魔法を見ていれば確かに69番のファイヤーボールはすごいのかもしれない。
でも俺から見れば魔法陣の展開速度も遅いし、魔法に使用している魔力が火属性魔力じゃないから威力も低くなっているのがみてとれる。
「入学前でもうファイヤーボールを使えるのか。すごい事だ。魔力量も問題ないだろうし、これなら1組だろうな。」
「へへ、まあ俺はすげぇからな!これくらい朝飯前だよ!!」
鼻の下を擦りながらドヤ顔をしている69番は試験官の元から離れてこちらに向かってやって来る。
「どうよ!これが俺の実力ってやつだぜ!!」
「そうだね。まあすごかったよ、君のファイヤーボール。(まあ俺の方がもっとすごい魔法を使えるけどね。)」
「それじゃあ次はお前の番だな。ま、俺よりもすごい魔法なんて使えないだろうけどな!!」
ドヤドヤとしたドヤ顔をしてこちらを見てくる69番の姿にどうしたもんかと悩んでしまう。
俺はここで69番よりもすごい魔法を使ってもいいのだろうか?もう既に魔力量が測定不能で目を付けられているだろうし、気にせずに難易度が高めの魔法を使っても構わない気もするけど。
69番がする自慢に適当に相槌を打ちながら悩んでいる間にとうとう俺の順番が回って来てしまった。
「76番、前に出てくれ。」
もう少し考えたかった、と思いながらも俺は試験官の元まで向かった。
「それでは魔法を使用するように。攻撃魔法の場合はあの的に攻撃をするんだぞ。それと攻撃魔法の場合は的を破壊しない威力で行なうようにな。」
「?分かりました。」
たぶん俺の魔力量が多いから的を壊さないようにと試験官は言っているのだろうな。
とりあえず俺が使う魔法は中等魔法学園で習うことになる攻撃魔法を使用することに決めた。
それと69番が火属性魔法だったからこそ、ここで火属性魔法を使うことで俺の方が格上だ、と示すことも出来るけど、流石にそれはどうかと思うのでここは複合属性魔法を使うとしよう。
「それじゃあ始めます。サンダーボール。」
俺の前方に出現した魔法陣から球体状の雷が的に向かって放たれ、サンダーボールは狙い通りに的に命中して的を中心に雷が撒き散らされる。




