26話
「遅れました!!!」
「遅いぞ。もう試験の説明は終わった。席に座って試験が始まるまで待っていなさい。」
「は、はい……。」
しょんぼりした雰囲気を出しながら遅れて入ってきた子供は空いている席に座った。
あんな調子で試験の説明を受けずにいるなんて大丈夫か?と思いながらも特に何かしらのフォローはしない。遅れたのが悪いのだから。それに知り合いでもないし。
でも遅れて入ってきた子供は周りの子供たちに試験ってどんな事をするのかなど、先ほど試験官が説明していた内容を聞き出そうとしていた。
周りの子供たちはこれからの試験に集中したいようで嫌そうな顔をして断る中で気弱そうな子供に目を付けたのか、遅れて教室に入った子供は執拗に質問していた。
あれははっきり言って試験を受ける為に頑張ろうとしている相手への妨害だろうとは思ったが、俺は俺でこれからの試験の方が大事だから無視しておく。
そうこうしている間にようやく試験の始まる時間になった。
「それでは試験を開始する。これから渡される試験用紙に記入するように。」
問題用紙と答案用紙が配られると俺は問題用紙の問題の内容を確認していく。
問題の内容はすごく簡単だった。これが問題なのか?と疑問に思うほどに。
今回の試験は文字の読み書きが出来ることが前提の試験だ。問題用紙の問題に書かれた内容を読み取って答案用紙に記入するだけ。
こんな内容の問題なら50分も時間を使う必要なんてないだろうと思うくらいには簡単に問題を読んで答案用紙に答えを書き込んでいく。
教室にある時計を見てまだ時間が開始してから20分も経っていない。こんなに早く全部の問題の答えを答案用紙に書き終わったのかと思った。
とりあえず問題は全て答えを答案用紙に書き終わったけど、それでも何かしらの記入ミスがないかを確認するのにじっくりと問題用紙と答案用紙を確認するのに更に20分の時間を使って満点を取れるだろうとは確信した。
残りの時間はとにかく何もすることがなくなってボーッと過ごしていたのだが、こんな簡単な問題なのにまだ何人かの子供たちは答案用紙に書いている音が聞こえてくる。
それから時間は過ぎて文字の読み書きから始まった試験は途中で休憩を挟みながらも算数、歴史、魔法学と続いて行った。
どの試験も内容としては簡単な内容だった。
問題のほとんどが両親から最初の頃に習うようなことばかりだし、両親が残していた初等魔法学園の教科書の最初の方に載っていたものばかりだったからだ。
良い点数が取れる子供は前提として両親を含めた大人たちからしっかりと勉強を教えて貰った子供たちばかりになるのだろう。
それでもしっかりと勉強が出来ていないのだろう子供がちらほらと俺が試験を受けた教室にもいたことから考えるに、入学後の授業では学習内容をどれだけ納めているのかを考えてのクラス分けをするのではないかと思う。
この試験のテストに満点を取った子供とほとんど点数が取れなかった子供を同じ教室で授業をさせるとは思えない。
点数が良かった生徒を集めたクラスと悪かったクラスとクラスを分けられていると思ったし、そうやって分けられたのなら授業の内容も違ってくると思う。
あぁ、でも筆記試験だけが全てじゃないから体力テストや魔力量に魔法を使えるかなども考えるとまたクラス分けの方法は違うかもしれない。
クラス分けとかそんな事を気にする必要は俺にはないと思う。
筆記試験の内容は簡単だったし、これから午後に行なわれる試験にも自信がある方だ。
でも少しだけ体力テストには不安があるかもしれない。
毎日晴れている日は少しは身体を動かしているけど、だいたいは魔力量や属性魔力の親和性を上げたりするのに散歩していたくらいでそこまで激しい運動はして来なかった。
せいぜいが散歩やストレッチに軽い筋トレしか身体を動かしていないし、他に身体を動かしていたのは家や畑の手伝いくらいだ。




