2話
自分で考えたチート能力をそれぞれの善行ポイントを使って作っていた5人が作り終わるまで時間が掛かった。
欲しいチート能力を得るには善行ポイントが5人共が足りなかったみたいだ。
作成するのに必要な善行ポイントに合わせる様に欲しいチート能力の性能を削ったり、はたまた別のチート能力にしたりなどしてようやく5人のチート能力が決め終わった。
最初からランダムで決めていた俺からしたら1時間以上もの時間を待たされてイライラするのを我慢した。
「ようやく最後の1人が決まったな。転生を開始する。転生後は転生先で10歳になった頃に意識を取り戻せるだろう。あぁ、10歳までの間は怪我や病気になる事はないから安心しろ。それでは転生開始だ。」
足元に俺を含めた6人全員を囲む様に光を放つ魔法陣が現れる。
どんどんと魔法陣の光が強くなっていき目が開けられないくらいに強くなったのと同時に意識を失った。
俺が次に目を覚ましたのは暗くて視界の効かない水の中の様な場所だった。
「(なんだここは?)」
そう思いながら10歳になったら意識を取り戻せるという話を思い出す。
水の中に居るというのに呼吸が必要ないことにも疑問に思うが、それよりも今の俺が10歳な気がしない。
「(これ、もしかして転生先の母親のお腹の中にいるんじゃないか?)」
そんな気がする。
それになんでこんな早すぎる段階で俺が意識を取り戻せたのかは理解できた。
あの謎の存在が作ったチートの効果だ。
俺が手に入れたチートの名前は超学習頭脳という。
超学習頭脳の効果はたくさんある。
学習能力強化、理解力強化、多重思考、思考超加速、思考演算力強化、情報処理能力強化、脳機能強化、記憶完全保管庫、シミュレーションを超学習頭脳は内包している。
この超学習頭脳の内包している効果のどれか、または複数の効果が産まれる前の赤ん坊の頭でも俺の意識が活性化した理由なのではと思う。
意識を取り戻せたと言ってもあれだけど。
こんな身体を動かせない状態で意識を取り戻せたからってなんだと言うのだ。
ここから産まれるまで、しかもそこからも自由に歩ける様になるまでの年月を考えると嫌になってくる。
自由に出歩ける様になるまで意識を取り戻さなかった方が良かったまである。
「(まあ、仕方ない。チートの効果を調べるくらいはしておこう。)」
ただ何もせずにボーッと過ごすのは暇で仕方がないからこそ、何かをして時間を潰す為にもチート能力の超学習頭脳の今の性能の調査をすることにした。
俺が貰った超学習頭脳は成長すると言う情報があるので、超学習頭脳の性能調査はその都度した方がいいだろうから、最初の基準になる調査を開始した。
と言っても超学習頭脳の複数ある効果の中で半分以上の効果は自動発動していて調べられないから調べられる物だけだが。
それから俺は多重思考、思考超加速、記憶完全保管庫、シミュレーションの4つの効果を試してみる事にした。
多重思考。実際に試してみたら俺自身の思考が1つ増えていた。これも成長すればもっと思考の数が増やせるのだろう。
思考超加速。思考する事くらいしか出来ない今の状況で行なっても分からなかった。どうも思考が加速していても俺自身の体感している思考の速度は変わらない。それと疲労感を感じた。
記憶完全保管庫。前世も含めて全ての記憶を保管している保管庫から記憶の情報を思い出せる様だ。でも転生する時の魔法陣の部分だけは何故だか魔法陣の部分だけが消えていた。
シミュレーション。自分の思考内で行ない、思考の一つがシミュレーション中は完全に使えなくなる事が分かった。多重思考を使いながらじゃないとまともに使えない。
俺はこの中でもシミュレーションは異質な能力を持っていると思う。
どうも最初からある程度のシミュレーションの設定がされている様なのだ。
シミュレーションの設定を変更も出来るのだが、この転生先の世界の情報を基にして設定されている。
謎の存在が初心者でも扱える様に最初からシミュレーションを作られている気がする。




