16話
村の方へと向かう途中で村の子供たちの声が聞こえてきた。聞こえてくるどの声も興奮している様に俺には聞こえる。
それほどの物があるのだと気になってくるのだが、俺の魔力感知の範囲にこれまでで一番の魔力の持ち主と巨大な人型の何かを感じ取った。
たぶんあの巨大な人型の何かを見て子供たちは興奮しているのだろうと当たりを付ける。
「見えて来たぞ。あれが魔装機だ。」
「おぉ!確かにすごい!!」
村に近付いて見えて来たのは巨大なロボットの姿だった。
背中にマウントされている巨大な大剣を持って二足で立っているロボットの姿に、これなら興奮するのも当たり前だと思った。
俺もすぐ近くであのロボットを観察したい。アカシックレコードならもっと詳しく分かるはずだ。
駆け出したいのを我慢しながら家族3人でロボットの元まで移動した。
「すごい!すごいよ!ほんとに!!」
「すごいだろ?ディン。この魔装機で大きなモンスターを倒すんだぞ。」
「うん!本当にすごいよ、お父さん!」
ロボットの元まで近付いたからこそよりその凄さを理解できる。
観測分析情報収集魔法アカシックレコードによって知らされる情報の中でロボット魔装機の情報で頭がいっぱいになりそうなほど。
精密に幾つもの魔法や魔道具を使われてこのロボット魔装機は稼働することが理解できた。
こんな魔法が使われているのか!あぁ、この魔法を付与しているんだ!などと思考の中では大騒ぎだ。
自分でも作ってみたいと、自分で操作して動かしてみたいと思ってしまう。
「ねぇ、お父さん。これって俺でも動かせるの?」
「うーん、どうだろうな。大量の魔力がないと動かせないだ。魔装機を動かすとなると高等魔法学園に入れるくらいには魔力がないといけないんだよ。」
「そうなんだ。」
そこから父親に教えて貰ったのだが、一般的に高等魔法学園に入れる条件の魔力量が多くなくてはいけないのは、この魔装機を動かせる最低必要量の魔力を持っているのが条件だそうだ。
高等魔法学園では高度な魔法はもちろんだが主に魔装機の操作や建造に関する授業が必修で行なわれるらしい。
魔装機を眺めながらそんな話を父親としていると、子供たちに囲まれていた魔装機のパイロットの姿が見えた。
「えぇー、なにあの格好?」
「あ〜あれはな。魔力を効率的に扱う補助をしてくれるパイロットスーツだよ。まあ、すごい格好だけど性能は凄いらしいぞ。」
パイロットの格好は身体のラインがはっきりするほどのボディスーツだ。
あの魔装機のパイロットが男の人だからあれだが、もしあんなボディスーツを女性が着ることになるのなら目のやり場に困ってしまうことになりそうだ。
でもあのボディスーツの性能はすごいのは分かった。
アカシックレコードで情報を獲得した時に得た情報によると、素材も魔力の操作や制御を行ないやすい物なのだが、あのボディスーツ自体に周囲の魔素を取り込みやすくしたりする機能や魔力の増幅を若干だが行なえる様に加工されているみたいだ。
他にも魔法を付与されて防刃や衝撃吸収などもあるが、対G耐性を来ている人に付与させる効果もあるそうだ。
あんな効果がボディスーツにあるのなら、魔装機を動かすのに必須なのかもしれない対G耐性は。
それにしても魔装機もあのボディスーツも見たことのない多くの素材や魔法が使われているのが分かる。
今も常に最大限で働いているアカシックレコードからの情報で思考を30近く使っているが、これでもしかしたらシミュレーションの中だけだがあの魔装機を操縦することも出来るかもしれない。
今の状態だと起動している情報が足りないから出来れば動いている時の魔装機の情報も欲しい。
待っていれば、あのパイロットが魔装機を動かすところを見れないだろうか?




