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#13 愛07歳の作文

今日は愛の通っている小学校に来た。


授業参観は初めてなので少し緊張している。


娘の授業参観に来るのが僕の夢だった。


仕事で今まで来れなかったがやっと夢が叶った。


僕は小学生の時の授業参観というと嫌な思い出しかない。


お母さんが派手なキラキラしたドレスを着てきて目立ちすぎて恥ずかしかった。


授業参観の後もずっとお母さんのことでいじられて地獄だった。


来てくれたのは嬉しかったが思い出したくもない。


僕はもちろんお母さんのようなキラキラした服は着ていない。


地味なスーツで愛に恥はかかせない。


愛の通っている小学校は僕が通っていたのと同じ小学校だ。


全然変わっていなかったが少し学校が小さく感じた。


僕が大きくなったのか学校が小さくなったかは定かではない。


「愛ちゃんってお母さんとお父さんがいないんだよね」


「そうだよ」


「じゃあ誰も見に来てくれる人いないよね」


「いるよ。親戚のおじさんが来てるから」


「はい静かに。今日はお母さんについての作文をみんなに読んでもらいます」


いよいよ授業が始まった。


次々と児童が作文を読んでいき、みんなの拍手が教室に響き渡る。


そして、ついに愛が読む順番が来た。


「私のお母さん


お母さんは私が赤ちゃんの頃に亡くなりました。


なのでどんな人なのか分かりません。


お母さんの顔を写真で見ましたがとても美人でした。


写真ではとても優しそうに見えます。


生まれてすぐの私を抱いて一緒に写っている写真は大事にしています。


お母さんに似ているとお母さんを知っている人から言われたのは嬉しかったです。


いっぱいお母さんとやりたいことがあったのにすることが出来ません。


お母さんと話をしたかったです。


お母さんと買い物に行きたかったです。


お母さんが作った料理を食べてみたかったです。


お母さんと公園で遊びたかったです。


33歳で亡くなってしまったのは早すぎます。


もっと生きて欲しかったです。


私はお母さんの分も生きようと思います。


お母さん代わりの人が現れたら受け入れます。


でもどんな人が現れてもお母さんを越えられないです。


本当のお母さんはひとりなのだから」


愛の作文にみんなが拍手した。


他の児童より拍手が大きかった。


大人たちはいつまでも拍手を止めなかった。


僕は泣きそうになった。


愛が妻に対して思っていることが聞けてよかった。


意外と良い子に育っていて嬉しかった。


妻も天国で感動して涙しているだろう。


愛には妻の分まで生きていってもらいたい。

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