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#12 愛08歳の高熱

一月のある日のこと。


会社の喫煙所で一服していると一本の電話があった。


一体誰だろうと思って電話に出ると愛の学校の先生からだった。


先生の口からは「愛さんは体調が悪くて高熱があります」という一言が。


僕は一気に不安になった。


一時間目の体育の時から体調が悪かったみたいだが愛は一言も言わなかったようだ。


今は午後一時少し前なので相当我慢していたのだろう。


僕は一目散に学校へと向かった。


愛に会って一目で体調が悪いのがわかった。


体調が悪いのは一時的ですぐ良くなると思っていた。


でも病院に向かう車内で一気に容態が悪くなった。


一体この先どうなってしまうのだろうと思いながら運転していた。


悪化したことは学校の先生が一概に悪いとは言えない。


児童一人一人のことを見ているのは難しいので仕方ないと思う。


そして愛が黙っていたことも悪化した一因だ。


でも一番の原因は僕なのかもしれない。


愛が朝食を一口も食べなかったのに一切気にしていなかったからだ。


病院に着いたが愛は一回も目を開けなかった。


ここは一流病院なので必ず治るだろうと一安心していた。


でも一流病院の一流医師でも体調不良の原因が分からなかった。


「一応やることはやりましたがどうすることも出来ません」


「覚悟してください。一瞬も気を抜けない状況です」


医師の一言一句が胸に突き刺さった。


前にも一大事はあったがもう一度起こるなんて予想もしていなかった。


今年の目標が一日一善だった優しい愛がなぜこんなことになってしまったのだろう。


ほんの一部の人しか体験しないような危機になぜ。


一縷の望みを抱いてひたすら待っていた。


祈っても一朝一夕には治ってはくれなかった。


もちろん愛にも一長一短はあるがそれも含めて一途に愛してきたつもりだ。


僕の唯一の娘なのだから一番大切に決まっている。


愛とは一生一緒にいたいのに

。


一生幸せが続くことなんてないのかもしれない。


僕は悪い考えを一瞬でもしてしまったことを後悔した。


後悔したことが僕には一杯ある。


一汁一菜の食事を出してしまったこと。


そして一挙一動に目を向けていなかったことなどだ。


その後愛の状態が一進一退した。


その度僕は一喜一憂した。


僕は病院で一晩寝ないで過ごしたり愛のそばにずっといた。


愛のことで一杯一杯で自分のことまで手が回らなかった。


なので僕は一挙に痩せてしまった。


そして何とか失っていた意識が戻って一安心した。


一度ではなく二度も生死をさまよった愛。


これからはもっと愛と過ごす一日一日を大事にしようと思う。

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