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 それからしばらく経っても、関係が切れることはなかった。私が呼び出せば宇田はすぐに飛んできた。

 弟が住んでいた部屋の片付けをそろそろしなくてはならない。延ばし延ばしにして家賃だけ払っていた部屋には粗大ゴミだけが残っている。だから片付けを手伝ってほしいと頼んだのだ。

 気まずい空気になるのではと危ぶんでいた東京までのドライブは、案外楽しかった。レンゲでチャーハンを食べるのが下手なのに中国史専攻だったと話すと、宇田は目を細めて笑った。宇田は生物学専攻だったそうだ。

「パスツールの実験までは自然発生説が信じられていたんですよ。生物は無から生まれるってやつです。今では信じられないですよね」

 生物は無から生まれないかもしれないが、宇田が缶コーヒーの硬いプルトップを代わりに開けるくらいの気遣いを見せたことで、感情が生まれることはあるのだと知った。

 会話が途切れると、窓を過ぎっていくラブホテルの看板を華は無意識に数えた。


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