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【モブ武将】松下嘉兵衛は、木下藤吉郎を手放さない!~おこぼれの小大名で終わりたくないので、三英傑を手玉に取ってビッグになろうと思います!  作者: 冬華
第8章 紀伊・国獲り編

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第390話 嘉兵衛は、告げ口されて叱られて

永禄9年(1566年)9月下旬 京・松下屋敷 松下嘉兵衛


本日、義元公より召し出された俺はお叱りを受けた。原因は次郎三郎に告げた瀬名様の謀反疑惑についてだ。その事でどうやら激しい抗議文が届いたらしい。


「まあ、余の身を案じてくれたことは嬉しく思うが、これは流石にダメだな。そもそも、瀬名のキノコ汁で殺されるほど、余も氏真も間抜けではないぞ?」


「はい、申し訳ございませんでした」


脇に控えていた半兵衛が「右少将殿も大峯山寺に半年ほど送っては?」と余計な事を言った時は肝が冷えたが、義元公の下した判断は前と同じく古渡城で2か月ほど謹慎であった。


「ずっと働き詰めで頭も疲れているのだろう。瀬名には上手く言っておくから、正月まで領地で休むが良い」


まあ、そのような温かい言葉も賜って、俺はこの京を旅立つ事になった。ただ、旅立つにあたっては決めておかなければならない事がある。それは、あずさに賜った領地やこの京と観音寺城の屋敷の管理に関する人事だ。


「え……殿。何を言っておられるので?それはもうとっくに決めたではありませぬか」


「はい?」


しかし、これは一体どういうことなのだ。主だった家臣を集めて評定を開こうとしたところ、俺は開口一番藤吉郎にそのように言われた。しかも、あずさの家老はあのモブ武将Bになったとも……。


「どうやら、本当にお疲れのようですな。まあ……あの日も何かそんな感じではありましたが……」


「ちょ、ちょっと待て!それはいつの事だ?」


「先日、次郎三郎様がお越しになられたでしょ。あの直前に開かれた評定で……」


ああ、そういえば……と急に記憶が蘇り、評定で決まったことを藤吉郎に確認しようと思って忘れていた事を思い出した。そして、これが決まった事ですと差し出された議事録に目を通すと、確かに話し合われた形跡が確認された……。


「し、しかし、モブ……じゃなかった、源七郎がどうしてあずさの家老にという話になっているのだ?奴は浅井備前守殿の家臣のはずだろ?」


「その辺りの下りもあの日お話しましたが……簡単に説明しますと、要するに浅井家を追放されたのでうちで拾う事にしたのですよ」


「なに?」


源七郎は俺にとっては気に食わない男ではあるが、古座では備前守を守るために文字通り命を張って守った事は評価されるべき話だ。それなのに、褒美を与えるどころか追放されるとは……はっきり言って意味が分からない。


すると、俺が首を傾げているので藤吉郎がもう少し詳しい事情を説明してくれた。


「まず、かい摘まんで説明するとですな。備前守殿が殿の名を騙って那智大社の巫女たちと乱交に及んでいた話はご存じですよね?」


「ああ、知っている。怪しからん話ではあるが、備前守はすでに大峯山に送られて罰を与えられているので、俺の中では終わった話ではあるが……」


「ですが、備前守殿の奥方、さよ様にとっては簡単に終わらせて良い話ではなかったようで、側に居て止め立てしなかった源七郎に藤堂一家共々浅井家から追放するという沙汰が下されたのですよ」


それはまた飛んでもなく酷い話だなと理解した。さよ様の気持ちはわからないでもないが、源七郎のみならず藤堂家まで処罰するのははっきり言ってだだの八つ当たりだ。


「それで、うちで拾うという話になったのか?」


「拾わない理由はありませんからな。どこまで覚えておられるかは存じませぬが、殿が去られた後の周参見において、あずさ様を如何に傍で支えたか。その功績は後でまとめた物をお見せしますが……家老の職を与えても問題ないと衆議は一致しております」


「そうか」


あずさをどのように支えたのか。変な事をしながら支えていないだろうなと……その辺りは今度会った時に思いっきり問い質さなければならないが、これにて事情は分かった。加えて、今更ひっくり返すことはできない事も。


「しかし、監視は必要だぞ?」


「わかっております。他家から来たばかりですし、全幅の信頼を寄せるわけには参りませぬからな」


いや、そうじゃなくて……あずさと変な事にならないように監視しなければならないという意味なのだが、藤吉郎は気づくことなくそちらの人事についても説明してくれた。その役目は、浅野弥兵衛に任せると。


「そういえば……そんな奴もいたな。影が薄いから忘れていたぞ」


「某の義弟なので、今後はお忘れなきように」


「待て。義弟とは?」


「おやおや、これも聞き逃されておりましたか。弥兵衛は寧々の妹であるややとめでたく祝言を挙げましてな。某の義弟となったわけですよ!」


そう言いながら嬉しそうに笑う藤吉郎に悪いが、これはどうやら忘れても良い話だと俺は思った。祝儀は包むけど……。


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