表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【モブ武将】松下嘉兵衛は、木下藤吉郎を手放さない!~おこぼれの小大名で終わりたくないので、三英傑を手玉に取ってビッグになろうと思います!  作者: 冬華
第7章 京・政争編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

354/423

第324話 嘉兵衛は、罰を与えられる(1)

永禄8年(1565年)4月下旬 近江国観音寺城 松下嘉兵衛


北近江・小谷城への出兵が決定し、準備を進めていた矢先に……浅井家が降伏を申し出てきた。しかも、当主である備前守は罪人のように網籠で義元公の御前に運ばれて、父親である宮内少輔(浅井久政)殿と弟である玄蕃頭殿が頭を下げられて寛恕を願うという事態に。


「では、此度の一件はそちらの備前守殿が勝手にしたことで、宮内殿も玄蕃殿も知らなかったと申すのだな?」


「左様にございます。それに、備前守も酒がかなり入った上でそのような話があったと申しておりまして……」


「つまり、酒の上での戯言だから許してほしい……と、宮内殿はそう申されたいのかな?」


「いえいえ!酒の上での不始末とはいえ、許されることではないのは重々承知しております。ですので、こうして太守様の御裁きを受けさせなければと御前に連れてきたわけでして……」


まあ、現在そのようなやり取りを半兵衛と交わしているが、義元公はその間何も仰せられずに、時折俺を睨みつけられていた。理由はわからないが、何だかとっても嫌な感じだ。


「それで……宮内殿は、此度の不始末について、どのようにケジメをつけられると申されるのかな?」


そして、あまりにも長くネチネチとした半兵衛の追及を見かねて、助け舟を出したのは小四郎殿だった。同じ浅井の遠縁だと聞いているので、もしかしたら総攻撃があることを教えたのはこの方かもしれないなと思っていると、宮内少輔殿は返答なされた。


浅井家は備前守殿を退かせて、嫡男・猿夜叉丸殿を新たな当主に据えると。


「猿夜叉は、太守様にとって義理とはいえ孫となります。如何でございましょうか?」


「しかし、猿夜叉丸殿はまだ幼子ではないか。政ができるとは思えぬが……」


「そこは、某とここに居る玄蕃頭が後見を仕ります。間違っても備前守には関わらせません」


「ちなみに、その備前守殿は如何なされるつもりか?」


「そこは、太守様のご判断に委ねますが……仮に命が助かったとしても、隠居の上で城から離れた場所に置くことになるでしょうな」


宮内少輔殿は、はっきりと力強くそう仰せられて、それから義元公に再び頭を下げられた。「どうか、これでお許しいただけないでしょうか」……と。


すると、義元公は一つ溜息を吐かれて、お答えになられた。「それでは些か手ぬるいな」……と。


「半兵衛、こちらの条件を伝えてやれ」


「畏まりました」


こうして、半兵衛が改めて宮内少輔殿に降伏の条件を伝えていく。ひとつは、国替えの話だ。


「浅井家の所領・近江国小谷城17万石を召し上げ、遠江国引間城8万石を浅井宮内少輔に、三河国長篠城3万石を浅井玄蕃頭に与えるものとする」


なお、空いた17万石は入れ替えで、引間城主だった飯尾家に与えられることになる。


「お、お待ちを!国替えの上に減封とは……それでは家臣たちが納得しませぬ!!」


「納得せぬのであれば、そこにいる備前守殿共々戻られて、いくさ支度をなされるがよろしかろう。また、その備前守であるが……」


続けて二つ目の条件として、備前守殿は尾張国古渡城の預かりとなった。つまり、うちに……ということだ。


「それは、幽閉……ということでしょうか?」


「いや、そこまでは求めていない。おとなしく余生を過ごすのもよいし、一兵卒となり、再び一国一城の主となるのを目指して今川のために働いてもよい。あ、そうそう、さよと猿夜叉丸も連れていけ。離縁は許さぬからな」


義元公はいたずらっぽく備前守殿にそう仰せられてから、再び俺を睨みつけられた。先程の御言葉と合わせて意味が分からず戸惑っていると、これは俺に対する罰だと仰せられた。


「あの……仰せの意味がよくわからないのですが?」


「此度のこと、浅井に知らせたのはそなたの家臣、木下藤吉郎だそうだ。悩んでいたそなたを見かねての事だろうが……」


しかし、突然そんなことを言われて驚く俺に、義元公は続けて仰せられた。これは許されぬことであると。


「ゆえに、そなたに罰を与える。今後、その備前守が今川に背いた時には、連帯して責任を取ってもらうことにする。もっとも……浅井が今申した条件を受け入れた場合の話だがな」


そこで改めて、義元公は宮内少輔殿に問いかけられた。返答はいかに……と。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ