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【モブ武将】松下嘉兵衛は、木下藤吉郎を手放さない!~おこぼれの小大名で終わりたくないので、三英傑を手玉に取ってビッグになろうと思います!  作者: 冬華
第6章 南近江・上洛編

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【幕間話-24】半兵衛は、鬼になる覚悟を決める

永禄7年(1564年)3月上旬 美濃国菩提山城 竹中半兵衛


南近江・観音寺城に送り込んでいたお妙が帰ってきた。木下藤吉郎殿と関係を持たせて、更には後日子ができたとして逃がさないように型に嵌めて、我ら美濃の協力者とする策はどうやら失敗に終わったようだ。


「申し訳ございません。お役に立てませんでした」


「構いませんよ。策は他にもありますので、とにかく今は気にせずに休んでください」


ちなみにこのお妙という娘は、俺の母の縁者だが……くノ一でも何でもないただの平凡な娘だ。だから、協力してくれただけでもありがたく、感謝の気持ちを伝えて下がらせた。


「しかし、そうは言ったものの……些か弱りましたねぇ」


今川家が南近江を平定し、飛騨は武田が抑えた。浅井もどうやら今川に尻尾を振っているようだし、まさに四面楚歌。こうなってしまっては我ら斎藤家に勝ち目はない。


だから、残された道は今川家への従属。しかし、少しでも有利な条件で成し遂げるために、藤吉郎殿の協力があればと思い、策を弄したのだが……失敗した以上、別の方法を考えるしか道はないようだ。


「ですが、家臣たちは喜びましょうなぁ。なにせ、一斉に子作りさせて、産まれた子の中からお妙殿の子として送り込むというのは、あまりに非道……いえ、失礼しました」


非道であろうが、この美濃を守るためには鬼にでもならなければならない。だから、何を言っているのだと久作を睨みつけたが……そこに稲葉山城から使いが到着した。


「なんだと?俺が今川家に内通していると……左様に殿は本当に仰せられているのか?」


「そうだ……と言いたい所だが、実際には斎藤飛騨守が喚いていて、殿は真偽を確認するために貴殿から話を聞きたいそうだ」


「馬鹿な……結局、それは信じていないと同じではないか」


ただ、そこで思い出した。俺は木下藤吉郎殿から松下家の名で発行された知行充行状を渡された事を。そして、こちらが嵌めようとしていただけに、その仕返しをされたと確信した。


「それで如何する?」


「如何するとはどういうことですかな?稲葉殿……」


「ぶっちゃけいうと、もう斎藤家はもたないだろう?賢明なそなたならわかっているとは思うが、殿は先代義龍公とは似ても似つかない暗愚で、斎藤飛騨守という佞臣に好き放題させている。しかも、この存亡の危機という状況にもかかわらずにだ」


全くもってその通りだと思う。斎藤家はもたない……だからこそ、なるべく領地を残した形で今川家に従うというのが俺の望みである。


だが、その場合……俺もそうかもしれないが、稲葉殿を始めとする斎藤家の諸将たちの所領はといえば、必ずしも保証されるとは限らない。場合によっては、領地を召し上げられて、斎藤家からも召し放たれて……ということも可能性としては否定できない。


「それで、どうだ。すでに多くの家臣たちも賛同している。我らは斎藤家を見限り、個別に今川家に恭順の意を示すというのは?」


ゆえに、この提案が出てくることも理解できた。さらに言えば、上手く伝え手を見つける事が出来たなら、稲葉殿らの望みはある程度叶えられるだろうとも。


しかし、それでは……斎藤家の存続は絶望だ。亡き義龍公に目をかけられて、喜太郎様を託された身としては、受け入れる事の出来ない提案だ。


それゆえに、稲葉殿の提案はひとまずお断りする事にした。


「だが、このまま稲葉山城に行けば……」


「要は殺されず、今の状況を覆せばいいのでしょう?」


策はある。この策はできれば使いたくなかったが、使わなければ……斎藤家は確実に詰んでしまう。だから、稲葉殿には「あと1か月で構わないので時間をください」と申し上げて見送り、心を鬼にして……隠し棚の引き出しを開けた。


「使いたくなかったのですが……どうやら、これしかなさそうですね」


それは、かつて清洲で寧々から拝借したキノコの残りを粉末にしたもの。それを懐に入れた俺は……斎藤飛騨守を殺すために、稲葉山城に向かうのだった。


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