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【モブ武将】松下嘉兵衛は、木下藤吉郎を手放さない!~おこぼれの小大名で終わりたくないので、三英傑を手玉に取ってビッグになろうと思います!  作者: 冬華
第4章 川中島・援軍編

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第215話 喜兵衛は、嘉兵衛の正体に近づく

永禄4年(1561年)4月中旬 信濃国割ヶ嶽城外 武藤昌幸


大蔵殿の部屋を出て、太郎様に従いその部屋へ戻る。部屋には、飯富殿や曽根殿が待っていたが、「如何でしたか?」という問いかけに太郎様は何も答えられずに席に座られた。


だから、当然のことながら二人は俺に訊ね直してきた。ゆえに仕方なく、何があったのか、何を言われたのかを全て説明した。


「馬鹿な……いくらなんでも、太郎様が殺されるなどと……」


「それに四郎様はまだ元服前ではありませぬか。優れた武将になるとどうしてそんな事がわかるというのですか!」


まあ……お二人の反発は尤もだろうなと俺も思う。あの場にいた俺だって、同じ事を思わないわけではなかったのだから。


しかし、一方で俺は思うのだ。もしかしたら、大蔵様は先の事が読める能力をお持ちではないのかと。


「なんだ、喜兵衛。その顔は……何か言いたい事でもあるのか?」


「実は、部屋を訪ねた時に川中島の地図を広げて、その上に駒を置いて何やら思案為されていたのですが……」


そのように前置きをして、俺は二人に打ち明けた。その駒の配置図は、昨日山本様が俺に内々の話として相談してきた今度のいくさの作戦計画と重なっていたことを。だから、もしかしたら未来の事を見通す力があるのではないかと……。


「馬鹿な……何を言っているのだ?そんな事があるわけが……」


「あるいは、山本殿がそなたに相談する前に大蔵殿に相談したのでは?」


「某が助言して修正した内容になっていました。そして、山本様は某との打ち合わせが終わってすぐに海津城に発たれておりますゆえ、大蔵殿に相談する余地は全くなく……」


「…………」


「……偶然ということは?」


「流石にそれはないかと。加えて、天井裏と床下には忍びを配置していますし、情報が漏れるとは思えませぬし……」


「…………」


「それに、実際に桶狭間においても、当日の雨予測まで的中させておりました。諸葛孔明など、古の軍師は夜空に浮かぶ星の動きを見て、未来を正確に予測できていたと言われておりますし……もしかしたら、大蔵殿にはそのような力があるのかも……」


「「…………」」


そうだ。俺だって馬鹿な事を言っている自覚はそれなりにあるけど、冷静に色々と深く考えて行けば、大蔵殿の言動には説明がつかない事が多いのだ。空恐ろしくなるほどに。


だから、大蔵殿の言われる通りに四郎様が優れた若武者になられたら、果たしてどうかと考える。太郎様が廃嫡の上で後腐れなく殺される未来は……あり得る話だと思えたのだ。


「兵部……」


「はっ!」


「喜兵衛の申す通りだ。あの男……大蔵という男は、やはり先の事が見えていると俺も思う。だから、ここはその助言に縋る事にしたい。手はずを整えてくれるか?」


「畏まりました。太郎様がそう仰せられるのであれば、折を見てお屋形様にお話しするようにしましょう」


「……それにしても、本当に先が見えるとして、どこまで見えておるのかの……」


「以前、京に共に上った折には、あるはずのない『生八つ橋』なるものを探しておりました。何でも、荒れ果てた清水寺の近くに売っているとか言って……」


つまり、あり得ない話ではあるが……ずっと遠い未来からやってきたという可能性もあるのではないか。松永様のお屋敷でお菊殿が言っていたけど、あのウサギの衣装もどうやら大蔵殿の発案らしいし。


「おい……なんだ?そのウサギというのは?」


「あ……もしかして、口に出ていましたか?」


「出ていたな。お菊という名も共にな」


それで話は逸れて……そこからは、根掘り葉掘りと京で何をしていたのか、どういう遊びをしてきたのかと問い詰められる俺。新婚早々に浮気をバラされたくなければ……と脅されてはなすすべはなかった。


「なるほどな……世の中にはそのようにけしからん遊び方もあるのだな……」


すると、そこに藤吉郎殿が大蔵殿の使いとして現れた。先程の話で言い忘れた事があったらしく、書状に認めて送ってきたらしい。


「それで……大蔵殿は何と?」


「生き残るためにはもう一つ。やらなければならない事があるらしい」


「それは?」


「子作りだ。嫡男を儲けたならば、より俺の立場が強くなるから早くしろと……」


ならば、丁度良い。俺はウサギの衣装を含めて、大蔵殿から風変わりな閨用の衣装を取り寄せてはと進言した。


「い、いや……俺は……」


「某も所持しておりますが……中々に燃えますよ?」


「そ、そうか。そこまで言うのであれば……喜兵衛。手に入れてもらえぬか?」


「お任せください」


まあ、これでめでたくお世継ぎが生まれたならばいう事はないな。早速、大蔵殿の元へ行って、注文する事にしよう。


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