表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約者に裏切られた田舎娘は、異国の地で獣人に甘やかされる  作者: にのまえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/34

三十二 幸せの帰り道 5(前編)

 翌日、レオが今から行くと言った国はエルフとドワーフの国だった。

 エルフ? ドワーフ? と聞き返したら、ティーは知らないかとレオは笑った。


「よかった、ティーのびっくりした顔が見たかったから」


 エルフは森で精霊と共に暮らす森人と呼ばれていて。

 ドワーフは岩穴に居住があって、武器、鎧、盾、日用品、包丁などを制作をする、優れた鍛治職人が多いらしい。


 この双方の国には簡単には入国出来ない。入国するには『亜人種族パスポート』という物がいるらしく。

 モコとルフから借りてきたとレオは言った。


 モコはエルフが栽培する人の国には無い、珍しい薬草を求めてエルフの国へ。ルフはドワーフが作る魔法の剣を求めてドワーフの国へ、年に二回ほど訪ねていて。


 二人が双方の国に注文した物を受け取りに行くついでに、滅多に入れない双方の国を楽しんでおいでと、モコとルフはレオに言ってくれたらしい。


「ティー、このペンダントを見える様に胸にかけてね。後、このモコが作った飲み薬も飲んで」


 レオに言われるままペンダントを首に掛けて、飲み薬を飲んだ。飲み薬は甘いシロップの様な味で、飲んだすぐに体に異変が現れる、体が熱くて鼓動はドクンドクン鼓動して、呼吸がハアハアと速くなる。


「レ、レオ、なにこれ?」


「今日一日だけティーは俺と同じ種族になるんだ、すぐに終わるから……我慢して」


「……う、うん」


 今日一日だけレオと同じ種族? ということは。

 私は獣人になるというの? 熱が通り過ぎて鼓動と呼吸は元に戻る。


「ティー、落ち着いた?」


 隣で心配そうに見つめる、レオに"大丈夫"だと頷く。

 そのレオの瞳が大きく開き。


「おお、モコの薬はすごいな。ティー、こっち、洗面所の鏡を見てみて」


「はい?」


 レオに洗面所まで連れて行かれ鏡を覗く、そこにはレオと同じ、ライオンの耳と尻尾を持つ私がいた。


「私、レオと同じになった……耳がピコピコ動いて、尻尾がユラユラして可愛い」


「うん、可愛い……ティーはどっちでも可愛いね」


 私の頬にスリスリした。







 エルフの国とドワーフの国――双方の国には貨幣がなく、主に物々交換が当たり前。


「モコとルフに交換する物を貰ってきたから」と言って。モコからは手作りのアクセサリーを数種類。

 ルフからは冒険のときに集めた、鉄鉱石などの鉱石をリュックサックに入れて背負った。


 大国ビーラン国から北の森に歩いて向かい。

 森の中を真っ直ぐに進んでいくと、パスポートのペンダントが反応して双方の国に着くらしい。


「俺も初めて行くからよく分からないけど、もし森に魔物がいたら、今日はティーを守って戦うね」


「はい。……レオ、よろしくお願いします」

「あぁ、任せてね」


 レオはいつもとは違い、動きやすい格好と腰に剣を装備している。


 魔物、エルフ、ドワーフと初めて聞くことばかりで、私は緊張していた。「ティー、行くぞ!」とレオが私の手を握り森の中を進む。

 一歩、一歩、進みほんの一瞬、体を通る何かを感じた。


 それはレオも感じたみたいで、森の中でキョロキョロ見渡し、琥珀色の瞳をまん丸にして私を見た。


「ティー、いま外と次元が変わった? 森の中に入った途端に、まとわりつく空気が変わったよね」


 私も頷く。


「うん、変わったかも? なんだか、空気が澄んで冷たくなった気がする」


「じゃ進むぞ、ティー」

「行きましょう、レオ!」


 二人して初めてのことで、ウキウキ、ドキドキしていた。





 そして着いたエルフの国とドワーフの国。

 エルフ国の中央には大木が生い茂り、木々の中に彼らの住処はあった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ