二十三 マント領に向けて旅立ち
レオが借りた荷馬車に乗り、私の故郷――北の最北にあるマント領を目指す。着替えと食料、もしもの為にとキャンプ用品もたくさん荷車に住み込んだ。
そして、旅の途中に何があるかわからないからと、レオは馬車に乗るときは腰に武器を忍ばせている。レオがいない間、森の管理をしてくれるモコとルフ、リコが見送りに来てくれた。
「レオ、ティーちゃん、気を付け行くんだよ。レオ、ティーちゃんをちゃんと守りなさい」
「リコ、わかってる」
「レオ、お土産よろしくな!」
「いいなぁ、二人旅。森のことは僕とルフに任せて、怪我のないようにゆっくり行くんだよ」
「ああ、たくさん土産を買ってくるよ、ルフ、モコ、森の管理をよろしくな!」
旅の必需品だとモコからは薬、傷薬、体力回復薬、リコからは服など、要るものをたくさん貰った。
「ありがとう、モコさん、リコさん」
積荷を荷車に乗せて、準備は完了。
「さてと、マント領に向けて旅立とうか」
「はい。ルフさん、モコさん、リコさん行ってきます」
朝方、私たちはマント領に向けて旅立った。
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荷馬車はレオが操り私はその隣に座り。
どちらかが疲れたら、荷馬車で日中一緒にひと寝入りする。
獣人から半獣になったレオは人々を驚かせないように、頭からローブをすっぽり被り耳と尻尾を隠していた。
半日くらい荷馬車で移動して、今日の宿を取るリローネ街に着く。さっそくに宿屋に馬車を預け借りた部屋に入るなり、ローブを脱ぎレオはモフモフの姿に戻る。
「フウッ、お風呂とトイレ付きの部屋が空いていてよかった」
ホッと、しているレオからローブを受け取った。
「レオさん、今日一日、荷馬車の操縦お疲れ様でした。いま、お茶を入れますね」
「ティー、その前に俺を癒して」
そう言い、ベッドに腰をかけてここに来てと膝を叩き私を呼んだ。おずおず近付きレオの膝に座ると、彼は私の名を呼びポフッと首筋に顔を埋めた。
「……っ」
「はぁ、ティーの甘い香りに癒される」
安らいだ声をあげたレオ。今日一日中、彼は緊張していたのだろう。旅立つまえレオに『俺が疲れていたら癒して』とお願いされて。私は『はい、私でよければ、たくさんレオさんを癒します』と頷いた。
「いっぱい癒されて、レオさん」
「……あぁ」
ぎゅっと、私を抱きしめてレオが癒されたあと、お茶をいれて、町で買った夕飯をテーブルに並べた。
彼はサンドイッチを手に取り、フウッと息を吐く。
「情けない……国を出たことがなかったから、人の中を移動するのは緊張する」
「……レオさん、私の為にありがとう」
「いいや、ティーのふるさとに行きたいと、俺が言ったんだ。くたびれる日もあるだろうけど平気だ」
「疲れたら遠慮なく言っください。いっぱい、いっぱい、レオさんを癒すから」
「それは、嬉しいな」
「私だって、レオさんに癒されているもの」
レオが近付き優しいキスが降る。夕食とお風呂を済ませて、宿屋のダブルベットでレオのモフモフの腕の中で眠った。




