表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約者に裏切られた田舎娘は、異国の地で獣人に甘やかされる  作者: にのまえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/34

十八 婚約

 私の生まれ故郷に行こうと話して三日後。

『ただいま』と、レオが勤め先からにこやかに帰宅してきた、どうしたの? と彼に聞いても、後でねと訳を教えてくれない。


 レオのにこやかの原因が夕飯後にわかった、片付けが終わり、紅茶が乗った食卓に彼は書類を何枚か広げた。

 

「ティー、この書類に名前を書いて。あと、母印もね」


「え、レオさんこの書類に『誓いの書』と、書いてありますけど、コッチは財産分与と書いてあるわ」


「ティーの両親への報告は半年以上もあるから、先に婚約だけ済ませようと思ってね、実は婚約指輪も用意したんだ」


 シャツの胸ポケットからお揃いのシルバー指輪を出した。この指輪は雑貨屋のモコの手作りで、魔法をほどこした指輪だとレオは説明してくれた。


「この指輪って、魔法の指輪なんですか?」


「そうだよ、俺の指に合わせて指輪のサイズが変わるんだ。だから獣人と半獣の時に取らなくていいから、ズーッとティーと同じ指輪を付けることができるんだ」

 

 レオと同じ指輪。 


「ティー、左手を出して」

「はい」


 左手をレオの前に出すと、薬指にシルバーの婚約指輪をはめてくれた。次に俺にも付けてと、レオにつけている途中で嬉しくて、涙が込み上げてポロポロ頬を流れた。


「う、嬉しい、レオさん」

「俺も嬉しいよティー、君を抱きしめさせて」


 食卓から立ち上がって、手を広げたレオの胸に『大好き!』と、声をあげて飛び込んだ私を、レオは優しく受け止めてくれた。


「俺だって大好きだよ。ティー、一緒に幸せになろうね」


「はい、私がレオさんを幸せにします」

「言ったね、僕だってティーを幸せにするんだからな」


 スリスリ鼻を振り合わせて、誓いのキスをした。




 +




「「レオ、ティーさん婚約おめでとう!」」


 二日後、婚約の書類『誓いの書』も無事に受理された。今夜はレオの仲間は婚約の祝いパーティーを王都の獣人街、猫族のミヤの定食屋で開いてくれた。たくさんの料理、祝ってくれる大勢のレオの仲間にお礼をいった。


「ありがとう、みんな」

「ありがとうございます」


「レオ、大切にしろよ!」

「泣かすなよ!」


「そんなの当たり前だ」


 みんなの温かい言葉に幸せで嬉しくって、そこでも私は大泣きした。その涙を優しくレオはハンカチで拭いてくれた。

 

「私、すごく、幸せです」

「俺もだ。ティー、踊ろうか」


「え、レオさん?」


 いつの間にか音楽隊も来ていて、生演奏が始まっていた。レオに手を引かれて定食屋の真ん中のスペースで、手を取り合いクルクル踊った。


「ハハハッ、楽しいな、ティー」

「はい、楽しいです」


 定食屋の外にまで仲間は溢れて手を取り合い踊り、お酒を飲み、料理を食べる。この日、獣人街では音楽と楽しい声が上がり、定食屋は夜遅くまで明かりが消えなかった。



 獣人街から少し離れた暗闇。

 今宵の闇夜に紛れる様に馬車が一台、楽しげな灯りを眺める様に止まっていたことをレオとわたし、誰も気が付かなかった。




 +




 たくさん笑い、飲んで、食べて帰りは明け方。私よりもお酒をたくさん飲まされた、レオは寝室のベッドに倒れ込んだ。


「フゥッ、酔った、酔った」

「レオさん、お水」


「ありがとう、ティーもお酒、けっこう飲まされてたろ」


『はい』と、酔って頬が赤いレオに頷いた。


「でも、レオさん、ほどでは無いわ」

「そうかな? ティーの頬が真っ赤だ」


 頬に手が伸びてきて、レオに触れられて肉球の冷たさに『んっ……』と、声が漏れる。


「レオさんの肉球、冷たくて気持ちいい。もっと撫でて……欲しいな」


「フフ、いくらでも撫でてあげる。ティーは俺の手が気持ちいいのか、瞳がとろんとして可愛い」


「それはレオさんも同じだよ」

 

 どちらともなく、近寄りキスを交わした。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ