十七 レオとのキス
畑道からレオに抱き抱えられて、あっという間に屋敷へと戻ってきた。玄関に入ってからのレオの抱擁、スリスリ、スリスリ、わたしの頬にレオは頬を擦り寄せた。
えっ?
ま、待って、レオはいまモフモフがなくて、直だから……じゃなくて、きゃぁー!! 心の中は大パニック。レオの見たことのない、熱い瞳と熱い吐息に溺れてしまいそう……。
「し、信じられない、ティーが俺を好きだなんて。嬉しすぎて自分を抑えきれない……カプッ」
「ひゃぁ、レオさん?」
今度はレオに頬をカプカプと甘噛みされ、熱い吐息と共に、耳を噛まれてゾクリと体を震わせた。
「ま、まって、……レオさん、レオ」
自分の口から出る甘い吐息が恥ずかしくて、耳をふさぎたくなる。
「いいなぁ、ティー、俺を呼び捨てにして」
「レオ、っ……」
わたしからも背伸びをしてカプッと、彼の頬に甘噛みのお返しをした。その途端、ビクッとレオの動きが止まる。
「ティー」
もしかしてわたしからはダメだっの? と、背伸びを止めて下からレオを覗いた。キリッとしたレオの目元は、しだいに嬉しそうに垂れていく。
レオの、その笑顔は反則だよ……
「ティーからお返し嬉しい、俺からもね」
唇にレオの温かく柔らかい唇が触れて、チュッと軽くキスされた。その後も啄まれるくちづけが続く。
「……んっ、レオ」
「ティー、可愛い」
グイッとレオに腰を引かれて、角度を変えて何度も口づけされた。レオ手が腰をさするたびにゾクリとして、初めて体の奥底に熱がジワリと溜まっていく感じがした。
柔らかなキスが、ふんわり、モフッと変わる、あ、レオが元の姿に戻ってる。わたしはリオン君とは軽くしかキスしたことがないから。大人なレオのキスに足に力が入らず、砕けそうな体をレオは受け止めてくれた。
「ティー?」
「レオ、体に力が入らないの」
+
足に力が入らず、立てなくなってしまったわたしを抱えて、レオはキッチンに運んでくれた。
「ごめん……ティーとのキスが気持ち良くて、止まらなかった」
「あ、謝らないで、わたしも……そう、だから」
「ティー」
頬に軽くキスをして、レオはキッチンで夕飯の支度を始めた。今日の夕飯はお昼に食べたサンドイッチとコーヒー。
「わたしもお手伝いします」
「いいよ。いまティーは立てないでしょ? 座って待っていて」
テーブルにコトッと入れたてのコーヒーと、お昼に王都の獣人街で買ったサンドイッチの袋を置いた。レオはいつもの通り、食卓の反対側に座り真剣な瞳でわたしを見た。
「ティー、いまから三ヶ月か半年後に時間を作るから、俺と一緒にティーの故郷に行って、君の両親に挨拶をしたい」
わたしの両親に挨拶?
「でもレオ、わたしが住んでいた村までは、かなり遠いけどいいの?」
「うん、俺が行きたいんだ。ティーの故郷を見て、君の両親に挨拶したい」
「はい」
レオの休みが取れたら、わたしの故郷に行こうと約束した。




