狡猾で安全な作戦
メルクを殴り飛ばす。
が、脇で固定された腕が吹き飛ぶのを拒み、メルクの腕が折れる。
「ぎゃああぁぁああああ!」
それは、久しぶりに感じる強烈な痛みによる絶叫だ。
「それくらいで、叫ぶな!」
「がはっ!」
メルクを地に叩きつけ、跳躍。
そこから自由落下による飛び膝蹴り。
「重力・封縛」
防ぐか。だが、
無重力空間で俺は落下する。
「今の俺がこの程度のことで防げると思うな!」
俺がしたのは無重力という現象の破壊。
重力があろうと無かろうと、重力に引かれるようになる。
「クソッ!時空・捕縛」
神域の時が止まる。
「クソッ!意外とヒヤヒヤさせられた...。だが、
これでお前は何もできない。今度こそ死にな!」
胸が貫かれる──
「あまいな。俺の才能が破壊なんだ。この位できるとどうして想像できない?」
直前、停止した時間を破壊する。
「ありえない!俺ですら停止した時の破壊なんてできない!
おかしい!おかしい!おかしい!お前!その力はなんだぁ!」
発狂し始めたか。
「お前らが持つ才能は俺の力を超えないように設定してある!なのに!お前のその力は!俺の力を圧倒的に上回っている!」
「俺のこの力は──」
「隙ありぃ!金縛り!」
口が塞がれ、体が硬直する。
息が、できない...!?
「おら!もっかい破壊してみろよぉ!」
なにか、企んでるな...。だが、今はそれに乗ってやるしかない。このままじゃ窒息する。
金縛りを破壊する。
「金縛り!」
「は──」
これか!こいつはこれを狙ってたのか!
「バァカめ!俺が何も学習しないと思ったか!」
こいつは俺が窒息しかけた状態から酸素を取り込む一瞬の隙に金縛りをかけてきやがった。
まずい、また破壊しなきゃ...。
金縛りを破壊する。
「金縛り!」
破壊。
「金縛り!」
破壊
「金縛り!」
息が、どんどん苦しくなっていく。
早く打開策を考えなきゃ...。
頭も、もうそんなに回らない...。
「お?もうおしまい?散々僕を殺すとか言って、この程度で終わり?」
あんな言葉に耳を貸すな。
この状況を打開する策を考えろ。
「ほら、早く破壊しろよ。死んじゃうぜぇ?」
耳障りな声だ。声を聞こえなくしたい。
...声を聞こえなくする?
破壊。
「かな──」
成功だ!
「やった...くっ」
な、何故また金縛りが!?
「へぇいい考えだな。俺の周囲の空気を破壊したのか?残念だったなぁ。声の有無は関係ないんだよ。アハハハハハハ!」
こいつは、もう俺の才能の使われ方を理解している。
しかもこいつが俺に見せたのは縛る感じの能力だけ。それ以外は全部隠されている。
勝ち目が、無い...。
「さてと、1年間、僕を少しだけ楽しませてくれたお礼だ。
とっておきのやつで殺してあげるよ」
俺はもう窒息寸前だ...。それを打つ前に俺は死ぬ。
生憎と、そのお礼は受け取れねえな。
「あ、窒息死されると困るな。呼吸だけさせてやるよ」
「プハッ!」
息ができる。酸素が脳に流れる。
「じゃあ、見せてあげよう、神だけが使える、究極の攻撃
神の裁きをね」
メルクが両手を突き出し、目を閉じる。
その手の中に膨大な力が流れていく。
よく見ればメルクの頬を汗が伝っている。
慢心。何回も金縛りを破壊され、その度に金縛りをかけたのは、俺に破壊しても意味が無いと思わせるため。
最後に俺の真空空間に閉じ込められた時に金縛りを使ったのも俺に言葉を発しなくても使えると見せつけるため。
小さい子は何度も繰り返し失敗すればそれに恐怖を抱き、やろうとしなくなる。
俺も同じだと思いこんでこのタイミングで大技。
慢心が過ぎる。
だがチャンスだ。
金縛りを破壊。そして、
「強固・金縛り」
なっ。
「どうだ?騙されただろ?」
嗤ってメルクはそう言う。
「さっきの構え、お前に向けての意識誘導をしてたんだよ。
そして、俺の思い通りに動いたお前は、まんまと俺の罠に引っかかったわけだ」
こいつ...。
「さあ、その金縛りも壊してみろ。次は、確実に神の裁き使ってたやるからよ」
そう言ったメルクの目は、ゾッとするような凄みを出していた。
こういう戦闘っていうのは一話で終わらせた方がいいのでしょうか...?
わからないのでとりあえず自分なりにこうした方がいいんじゃないかと考えながらやらせていただきます。
もし一話で戦闘が終わらないのが嫌だという人も、
あと一、二話でこのお話完結だから
最後まで見ていってほしいです。
それでは、次回は...たぶん今日中に投稿...
したい!(願望)




