極大魔法 焔天
「これは...想像以上だな...」
王国と公国の連合軍。精々数千人だろうと高を括っていたが、まさか端が見えないとは...。
「これ、みんな敵なんだね...?」
少し戸惑いを孕んだキャンデルの声が聞こえる。
「ああ、やらなきゃ、やられる」
そう言って己を奮い立たせる。
距離が縮まっていく。
「止まれ!」
誰かわからない人が叫ぶ。
「お前たちは何故我が国にそのような大軍で来た!」
我が国...王様か何か、か。
「私は、連合軍総大将 ランド。此度、ハイル王国、亜人公国、両国の敵、アデルという少年を倒す為に来た。
我々の目的はアデルただ1人。素直に渡してもらえばそちらに被害は行かないようにしよう」
ランド...!?
「アデル君...両国の敵ってどういうこと...?」
「わからない」
「我が国に、アデル、などという名前のやつはいない!」
!?
あいつ、何言ってるんだ!?
自分の国の奴が死ぬかもしれないんだぞ!?
「あくまで白を切るつもりか!ならば、貴様ら全員殺してアデルを探し出すまでだ」
「キャンデル、戦闘が始まったら速攻で門付近まで戻る。」
「え?どうして?」
「行け!やつらを全滅させろ!」
「先に仕掛けてきたのはあっちだ!力を抑える必要は無い。全力で叩き潰せ!」
両軍?が突撃する。
「引くぞ」
キャンデルの手を引き、門前まで下がる。
「アデル君、戦わないの?」
「戦うさ、でもその前に確かめたいことがある」
「わかった。その確かめたいことを確かめ終わったら言って」
俺が王国を出て2年以上。その間にあいつらがどれだけ強くなったのか、見させてもらう。
「はぁぁぁ!」
「ふんっ!生温いなぁ!」
戦況は連合軍劣勢。だが、後方で待機してる目測2万の軍が何をするかで戦況は簡単にひっくり返る。
それにランドは異装を使ってない。実力を発揮しないまま少し劣勢という状態を保っていることを見ると、ランドだけでなく騎士団全員が異邦人並に強いということだろう。
くっそれにしても暑い...。何故だ?さっきまでこんなに暑くは無かったはず...。
ふと空を見上げる。
そこには、陽が二つ。一つは少し黄金のような色。
もうひとつは、橙に染まり、今なお膨張を続けている。
「みんな!上から来るぞ!」
吼える。精一杯、吼える。
「今更遅い!撃て!」
ランドがそれに合わせて攻撃命令を下す。
「『焔天』」
直後、空から片方の陽が落ちてくる。それは強烈な熱波を発し、地を焼き尽くさんと迫る。
その進行を止めようと魔法に体を向けた者達は、背後から剣が突き刺さり絶命する。
そして、極大の魔法が地に落ち、周囲に焦げ臭いにおいと砂塵が充満する。
視界が晴れた時、そこには何も無かった。ただ焼け焦げた地が広がる、無草の地となっていた。
状勢を優勢にしていたあの勇敢な異邦人の姿は無く、前線にランド達騎士団と出ていた亜人の姿も無かった。
「邪魔者は、いなくなったかな」
一時期聞きなれた声が鼓膜を震わせる。
「さて、後は君だけだよ?アデル君」
人工的に創り出された荒地に、狂笑が舞う。
戦闘シーン...ダメダメですね...。
(それ以外もだけど)




