昔の記録
ブックマーク30件ありがとうございます!
この作品も終盤に差し掛かっています。
このまま終わりまで読んでいただけると嬉しいです。
「すいません、ここからは異邦人であると認められた人しか入れません。その、はっきりしていない、曖昧な方は、入れることができません...」
翌日、図書館入口にて、キャンデルの同行は拒否された。
「キャンデル...」
「う、うん、何となくだけどわかるよ、私、入れないんでしょ?」
日本語はわからなくても、雰囲気だけでそう察したのだろう。
「私、今日は家にいるよ」
「うん、ごめんね」
「いいよ、それより、しっかり調べて来てね」
彼女はそう言って図書館を出ていった。
「では、案内させていただきます」
今さっきキャンデルを追い返した目の前の女は、そう言って図書館の門を開け、俺を引きずりこんだ。
「で、お客様はなんの本をお探しでしょうか?」
営業スマイルが少し眩しい。
「神々...この世界について異邦人が書き残した本はあるか?」
あれば上々、無ければ他を探すだけだ。
「ありますよ、そこの階段を4階まで上がって、右に曲がり、そこを突き当たりまで真っ直ぐ行ったらあります。」
何も見ないで女はそういった。
「あ、ありがとう」
その暗記力は正直羨ましかった。
彼女の言った通り、突き当たりに異邦人の記録と日本語で書いてあった。
その中の一冊を取る。
『転生神と我々の関係』
顔が醜く歪む。見つけた。口元が緩む。
「いや、内容までは読まなければわからないか...」
開く。
『これは、我々と我々を転移、もしくは転生させた神と我々の関係について推理したものである。
ここに書いてあることが必ずしも正しいわけではない。
それを心に留めて読んで欲しい。
おそらく私自身の体験を元に書いた方がわかりやすいと思う。
よって、ここからは私の体験が主に書いてある。
私はある日、トラックに轢かれて死んだ──』
そこから男と思われる人物の話は続き、異人王国にたどり着いた所で終わった。
興味深い話はあった。
まず、この男は地球の神と会ってない。
次に、才能をもらったと言っていない。
最後に、現世で神と再び会うことができる方法。
一つ目はもしかしたら地球の神は最近誕生した、や、もしくは考えが変わった、など色々な理由が考えられるため単に結論付けるのはやめる。
二つ目は、ただ書き忘れただけかもしれないが、何かがひっかかる。けれどわからないから頭の片隅に置いておく。
そして三つ目、実験成功例が一つだけある。
ただ、方法が方法、その上成功率も低い上、被害も大きい。
正直やりたくない方法だった。
「いい情報を得たと言えばそうだが...」
『皆さん、閉館の時間です。速やかに、今お持ちの本を棚にしまい、当館からお帰りください』
「閉館時間か」
気づけば、辺りは夜の闇が支配していた。
俺は読んでいた本を棚に戻し、急ぎ足で宿へ戻った。




