異人王国
安直過ぎるお話に、内容の薄っぺらいお話...。
こんな文才の無い私を許してください...。
「何も...なかった...?」
思わず呟いてしまった。
目の前には日本語で書かれた門と、関所の様な所があり、全員和服、男性は髪を結い上げているという様だった。
異人王国入国場。今俺たちはそこにいる。
が、俺が驚いたのは外観では無い。
ここにくるまでに強力な敵に合わなかった事に驚いている。
過去仲間を連れた旅では必ずと言っていいほど手に負えない位の魔物に会ってきた。
今回も来ると思っていただけに、拍子抜けだった。
「アデル君?どうしました?」
栗色の目がこちらを覗いている。
「いや、ごめんなんでもない。行こう」
曖昧に返事し、門へと歩いていく。
「どうなされた?」
門兵が尋ねてくる。
「中に入りたい。いいか?」
「少々お待ち下さい」
そう言って門兵は消えて、長髪の男が関所から出てくる。
「私、富永 徳穂と言います。どうぞ、お見知り置きを」
そう日本語で話かけてきた。
俺はキャンデルの手を握り、
「僕は金森 翔吾といいます。元、日本人です」
そう日本語で話しかけた。
「同胞かいいぞ、入れそれとそこの女子は──」
「彼女は記憶は無いのですが何故か僕との間に懐古の念を感じた様なので、おそらく前世の僕の関係者...つまり同じ異邦人という様に解釈し連れてきたのですが、ダメでしょうか?」
これは賭けだった。認めてもらえればそのまま、認めてもらえなければ西に向かう。
「んー。まあいいでしょう。彼がそこまで言うのなら...ね?」
そう言って男はキャンデルにウインクして去っていった。
「な、なんか...どんどん口調砕けてたな...」
「う、うん...」
「よし、入ろう」
何故か赤面してそこを動かないキャンデルの手を引っ張って中に入っていく。
そして──
古風な造りの家に驚かされた。
人口は...そこまで多くない?
王国というからにはそれなりの数の人がいるものだと思ってたのだが...。
いや、そんなことはどうでもいい。
「キャンデル、宿を探そう」
隣でお上りさんモロ出しのキャンデルに声をかけ、
異人王国の奥に入っていく。
「おう、新婚さんかい?安くしとくよー」
途中、商店街で絡まれたりと色々あったが、とりあえず今日泊まる宿は取れた。
「さてと、飯食いに行こうぜ?」
「う、うん」
キャンデルと共に近場の食堂に行き、メニューを開く。
そして、強烈な食欲が俺を襲う。
米、豚丼、ラーメン──
記憶にある食べ物の名前が沢山あり、同時に、その味も思い出す。
食べたい。
久々に、食べたい。
そして──
注文し過ぎで食べきれなくなり、女将に行って持ち帰り用にしてもらうことになった。
「アデル君、食べ過ぎです。少しは予算の心配もしてください」
「はい...」
衝動に駆られるのは仕方ないと思うのだが...。
一応素直に謝っておく。
その日は、特段話すことも無く、キャンデルと布団に入り、眠った。
明日は図書館だと息巻いて。




