まったり
「会長、戻りました」
ワープして戻って来た私と圭太は早速会長に靴下を届けに行った
ちなみに奈々さんは落下のショックで気を失っていた坂本の看病をするため坂本をおぶって部屋へと戻って行った
この頃あの2人が一緒にいる率が高い気がするのはたまたまなのかわざとなのか
「お疲れ様、思ったより早かったね」
会長は寒さで血の気が引いてる私たちと違ってポカポカと火照った顔で私たちを労ってくれる
「まあ、そうですね...」
普通なら家中のものに命を与えている根源を探し出して討伐し脱出するのだろうが私たちは飛び降りて無理やり敵を迂回してしまったから早いのも当然だ
「星のほうは回収できたんですか?」
「んー、そっちは少し時間がかかりそうなんだよね」
逐一届くメッセージを確認して進捗状況を把握しているようで、今も私たちと画面を交互に見ている
「あの、おれたちが手伝いに行きますか?」
「なっ?!」
ただでさえもう耳が凍りそうなくらい体が冷え切ってるというのに、この男はなんてことを言うんだ?
まあおれがならわかるけど、さりげなく私のことも巻き込もうとするなんて
「ううん、大丈夫よ。サッカー部は結構強い人多いから」
「そうですよねっ」
「そうですか...」
ガッカリする圭太には悪いけど、元はと言えば圭太が悪いけど、私はものすごーーーーく嬉しい
「あとは私たちが頑張るから、2人は部屋でゆっくりしてて、ね?」
「はーーい」
浮き足立って早々とこのサウナみたいに暑い部屋を脱出した
「ただいま」
「あ、おつかれー」
自室へ戻ると、妹が布団に包まって芋虫みたいにもぞもぞしていた
「いいなーずっとぬくぬくできて」
ちょこっと嫌味を含めて言ってみる
「むむっ、私だってちゃーんと4人の様子を見守ってたんだからね」
そう言って壁を指差す
見るとそこには私たちが洋館でオバケから逃げる映像が流れている
「ほんとすごい無理やり突破したよね」
「もう二度とあんなの経験したくないわ」
「えーそうなの?このときのお姉ちゃんとっても目を輝かせてキラキラしてるのになー」
そう言って私が圭太にお姫様抱っこのような形で抱えられながら着地したシーンで一時停止され、妄想に入り浸る私の情けない顔が拡大される
「ちょっと、早く消しなさいよ!」
「えへへん、どうしよっかなあ?」
布団にくるまりながらもすばしっこく逃げる妹を追いかける
まるで姉妹喧嘩ごっこみたいでお互いそんなに本気にはならず、あくまでごっこをして姉妹であることをどこかで楽しんでいたのだと思う
喧嘩ごっこも一時休戦して各々のベッドで横になって布団にくるまりながらたわいもない話をしているといつのまにか
2人して眠ってしまったらしい
ズズズズズっ
地響きが鳴って私たちは飛び起き窓を開けて外を見ると、中央のツリーのそばに
巨大な巨大な、ビルのように巨大なサンタクロースがいた




