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「まず言っておかないといけないのは、君は実は人工知能なんかじゃなくてただの普通の人間なんだよ」


「へーー。...はあ????????」


「それで私が君の父親で、この真衣が君の妹だ」


「妹でーす」


「はあ」


突然人間だったなんて言われあまりに驚きすぎて、父親と妹だと言われるくらいじゃもう動じないくらい、それくらい人間だということに驚いた


「いやいやいや、だって私こんなゲーム作れちゃうくらいプログラミングできるしいつでも知りたいこと調べられるし知識量は豊富だし、私人工知能でしょ?」


「まあゆっくり理解していけば大丈夫だから」


私が無理やり搾り出した根拠に全く触れることなくひらりとかわされてしまった


「寝てる間に夢のようなものを見ただろ?あれは10年前の現実の話だ。あいは10年前、命に関わる病気になった。現実世界では治すことができなかったから君をこの電脳世界に連れてきてこの世界て病気を治すことにした。ただ生命維持装置を使うとあっちの世界では罰せられてしまうから、君がAIのフリをして他の人間たちと一緒に維持装置をつけられた状態で身体を保存することにした。そして君がこの電脳世界で生き延びている間、私は病気を治す薬を開発してた。こうしてついに今日、完成した薬をあいが服用して病気も治ってめでたしめでたしというわけ。何か聞きたいことはある?」


情報量の多さに頭がパンクしそうになる


よくよく考えたら人工知能の割には頭の回転は遅かったような


「えー、じゃあ1つだけ。もし私が人間だとしたらその頃の人間だったときの記憶はなんで無いの?」


「それは、この計画を進めるには君の存在がなかったことにしなきゃいけなかった。もし誰かにとっくに死んだはずの君がAIとして生きているのがバレたら終わりだから、そして君が死の恐怖と常に隣り合わせなんてかわいそうだから君の記憶も他の人たちにある君に関する記憶を取り出したんだ」


「そう、なんだ」


「まあ記憶は全て保存してあるから折を見て元に戻すつもりだよ」


「うーん、ということはもうこのゲームも電脳世界も必要なくなるよね?もうおしまいってこと?」


このゲームも圭太といい感じになるためにつくったわけだし、電脳世界も私を治すためにつくられたわけだし、もうこの物語も終わりを迎えてしまうのか


「いやー、残念ながらそういうわけにはいかなくてね」



せっかく愛娘の命が助かったというのに浮かない顔を浮かべる父親


「私たちはこの世界を出ることはできないんだ」





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