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3層突入

チュンチュン


「ん、うーん」


心地よい日差しと鳥のさえずりが私に朝が来たことを教えてくれる


つい先ほど似たような場面があったが実はすでに2層クリアから1日経っている




私たちはすぐに3層へと向かった


各層をどのようなステージか自分も楽しめるようにあえて(ここ重要)ステージ作りに携わらなかった


だから3層がどんなテーマのステージなのか私も知らなかったのですごいワクワクしながらゲートをくぐった


たどり着いて早々、私たちの目の前に入ってきたのは

ヤシの木、白い砂浜、そして青々とした海


先ほどまでの灼熱地獄とは違い心地よい風が吹き、波の音や独特の潮の香りが海に来た感を倍増させた


「うわっ、すごーい」

「キャーーー見て見て、海だよ、海」


私たちは所詮一端の青春に憧れる高校生だった


海で遊ぶ=青春してるという謎の考えを皆青春が題材の創作物によって植えつけられていたらしく、例に漏れず私もその1人だった


海を見るまではさっさとクリアして現実世界へ帰ろうという強い意志があったが


もうそんなものはどこかへ行ってしまった


「今日は各自ボスの情報を集めることにして一旦解散にしよう!」


会長の意図が見え透いた提案に誰も反論することはなかった


「よし、じゃあまず宿とらなきゃねー」


前回宿の大切さを学んだので私は会長の意見に大賛成してみんなで向かった


宿に着いて1人1部屋取れたので早速どんなお部屋か見に行こうとすると


「あいちゃん30分後にここに集合ね」


会長からお誘いをいただき、私にはさすがに圭太と2人で海を堪能するほどの度胸がないのでありがたく受けさせていただいた



部屋に入ると、オーシャンビューが実に素晴らしく、これからもっと近くで見るのにすごいすごいとテンション高くベッドで跳ねながら1人でキャッキャキャッキャしてた




5分もしたらオーシャンビューにも見飽きてきたので早めにロビーへ行ってみると、すでに会長、奈々さん、そして真衣さんがそろっていた


やけにみなさん浮き足立っているのでそんなに海に行くのが楽しみなのかと思うと微笑ましく思う


とくにあの真面目そうな奈々さんがそわそわしてるのがすごいギャップがあって可愛らしかった




まあそんなこんなで女子4人で水着を買いに行ったり浜辺で水を掛け合い砂のお城を作ったり


青春をまっとうした私たちはこのかけがいのない時間をともに共有したことでより強い繋がりができたと私は感じた


とくに真衣さんとは身体的共通点があり共通の敵ができたことでより仲を深められた気がする


まるで昔から知っていたような感覚になりこのときは真衣さんが怪しいなんて微塵も思っていなかった


「明日こそはちゃんと攻略しようね、うん」


結局、私たちは肌が赤くなるまで遊び続け、ゲームを1ミリも進めることはなかった


まあ今まで私たちは最前線で頑張ってきたわけだし、少しくらい遊んでもバチはあたらないでしょ


私はヒリヒリする肌と戦いながら一夜を過ごした








こうして私はゲーム開始4日目に突入した




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