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気苦労の多い日本さん  作者: 蓬莱
星間国家
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戦車Ⅱ

 アシハラ技術者団代表のユウスケ=サイは総統官邸にお邪魔し、総統に理由を伝えると、ここへ行ったらいいぞ!的なノリで渡された地図のところまで来た。

 実際地図を渡されたは良いが、許可の言質はとってない。しかし、地図を渡したと言うことはそういうことだろう。

 ユウスケはとりあえずアストラル語で「国立技術開発局」と書かれた門をくぐった。


 くぐると、その先に立っていたのは1人の少女だ。

 しかしユウスケは誰とは聞かない。誰かは一目見ればわかったから。


「ようこそ、アシハラ技術者団様。私は国立技術開発局局長ヘルヘラ・ロンです。おと…総統閣下からは聞いております。また、今回は好きに見せてやれ、とも許可がおりております」


「ご丁寧にどうも。私はアシハラ技術者団代表ユウスケ=サイと申します。この度はよろしくお願いします」


 適当な挨拶を済ませ、応接室へ通された。

 応接室、といってもほぼほぼ工場のような開発局の二階の隅にある小さな部屋だ。

 とはいえ応接室の体をなす程度には調度品が整っている。騒音以外は。


 ヘルヘラとユウスケは儀礼的な挨拶と細々した雑談をすると本題に入る。


「この度はですね、貴国の「飛空機」を見せて欲しいのです。我が国の王、テルヒトは大変興味を見せております」


 流石にここでは戦車のことは伏せている。伏せておかねば警戒されかねないからだ。

 そして、要望を伝えたユウスケにヘルヘラはある疑問を抱く。"なぜ日本から輸入しないのか"と。


「お伺いしますが、貴国はニホンと仲がよろしいとお聞きします。なぜニホンからの技術支援ではないのです?」


「向こうの法律というやつですよ。それにこちらに来れば発展しきったあちらより、新たな開発の余地があるかとも思いまして」


 ユウスケはペラペラと舌を回し、上っ面(半分事実)を語る。

 ヘルヘラはある程度の建前であることは理解している。例えそうであろうと、父の総統が命を下したなら仕方ない。従うというか、好きにさせざるを得ない。


「なるほど…はぁ…まぁいいわ。もう堅苦しい話も口調もヤメヤメ。肩が凝って仕方ないわ。飛空機を見たいのね。いいわ。お父様、総統閣下が許可したんだもの。信用するわ」


 もしかしたら単に父の興味本位とも考えたが、どうだっていい。目の前には技術に貪欲かつ優秀な同志が教えを請いているのだ。私情を挟むようだが、構わない。


 ヘルヘラはユウスケを好きに泳がせる。ヘルヘラはユウスケについていき、何かあれば教えるように口添えする。

 ヘルヘラの口添えは、まさに鶴の一声ともいうべきものがある。だから誰もがその言葉に従う。彼らはヘルヘラに対する人望だけでしたがっているのではない。否、ある種別の人望で動いてる。それは非常に単純明快にしてとてつもなくどうしようもなくて、とんでもなく面倒なもの。

 それは…


(((ヤベェ…局長が楽しそうにしてる…これ絶対止まらんやつや)))


 と、こう一斉に考えた。

 ヘルヘラは知ってか知らずか、それをいいように使っている。というかそもそも総統の娘。下手に逆らえば痛い目みそうで怖いというのもある。


 閑話休題。

 ユウスケは飛空機のエンジン…ではなく主に機体形状に重点を置いていることにヘルヘラは気づいた。

 彼女の疑問はひとつ。「なぜエンジンではなく機体形状なのか」だ。エンジンがあると仮定した場合、機体形状はエンジンの出力強度に沿って居なければポテンシャルは発揮できない。それもとびきりポテンシャルが高い場合はなおのことである。

 日本から技術提供を受けたとさらに仮定しよう。

 確かに日本の技術は高い。が、それに伴う工業力、精密機器が必要となる。精密機器はともかく、工業力は発展段階の筈であるアシハラには無理がある。ならば考えられることは一つ

「魔力の出力をあげてスピードを増す」

 これだろう。

 魔力の出力を上げるということは、エンジン強度を強固なものにする必要があるが、それは対策したとすれば合点がいく。


「だから機体形状を重点的に…」


「え?何か言いましたかヘルヘラ局長?」


「い、いえ、なんでもないわ!さぁ、次へ行きましょう!」


 とんでもなく動揺してしまった…

 ヘルヘラはこれを父に後々己の考察と共に報告したのはいうまでもない。


 こうして2週間。アシハラ技術者団はアシハラへと帰国した。

遅れました…ストックをしないタイプなのでどうしても遅くなってしまいます。

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