思わぬ戦い。思わぬ再会
すっごく遅れたこと、誠に申し訳ありません。
なかなか話を構成するのに手間取りました。
レーザー兵器によって破壊された箇所から爆発した振動が艦橋まで伝わる。
レーザー兵器による爆発だけではない。友軍艦の破片が飛んでくることだってある。もちろんだいたいはバリアで弾くから問題はないが、それはそれで振動がくる。
宇宙空間には響かない音がここでは盛大に響き渡り、乗員がだめこんやら被害報告に駆けずり回る。
そんな騒がしい中でインペルソナは指揮をとる。
「巡洋艦部隊は左翼へ後退!中央に旗艦を置く形で翼陣を組め!奴らを通すな!3番艦、下がれ!」
怒号を飛び交う各艦にも、通信で指示が響き渡る。
彼らはそれに混乱をきたすことなく行動して行く。
しかしそれを行うインペルソナの集中をかき乱す事態が起こる。
「司令!帝国艦隊から通信です!」
「何?繋げ!今ここでだ!」
「りょ、了解」
艦橋司令部に画面が表示され、1人の老人が現れる。
『あー、ストレスラ艦隊司令に次ぐ、我は帝国艦隊司令にして皇帝の弟、ゲンラス=ベルメルであ…あ?』
突然、老人の動きが一瞬止まる。しかしすぐに動き出す。
だがそこにあるのは呆れと諦観。何よりうんざりとした表情だった。
「またお前か…本当によく会うな」
『全くだ…これで何度目だ?戦闘の旅に見てる気が…』
「同感だ。さて、要件は言わずもがなだが聞いておこう」
『はぁ…いやもういい。あんたの想像通りだから。勝ち目がないな、撤退だ!』
ゲンラスは後ろを振り向き副官らしき武官に言った。武官は一瞬驚くがすぐに飲み込み(理解することは愚考としたのだろう)、撤退の指示を徹底させる。
「これに懲りたらここいらにはしばらく近づかないことだ」
インペルソナは警告じみたことを言う。
いつもならこれでゲンラスは退いて、暫く現れないと約束するが、今回ばかりは違った。
『それは出来ん。我々は取り戻しに来ただけなのだからな…』
インペルソナは眉根をひそめ問う。
「なぜだ。ここには貴様らのものなどないはずだ」
『いや、あるのだよ。我々に反旗を翻し、あまつさえ独立を勝ち取った者が…』
「…⁈」
インペルソナは驚く。彼が明確な理由を持ってることに。
ここに版図を広げていたことに…
"神聖サザンクロス帝国帝都バルショイグラード宮殿"
シュールドルは悩んでいた。
日本に現れた未確認飛行物体のことだ。
(…まさか…いや…あの国がここまでくるのにはもっとかかる概算だ…1200年前と800年前の二の舞に…だがまだ確定したわけではない…か)
そこに第一皇子カルメドルが声をかける。
「陛下…いや父上。なぜ話してくださらないのです?父上がお悩みなのは、ニホンに現れた空飛ぶ巨船のことでしょう?…皇太子の私に相談もないとは…」
すると、シュールドルは小声で何かをつぶやく。
「は?父上、もう少しはっきりと…」
「黙れと言っておるのだ!貴様に言ったところで対処できん!今は…今はまだ…様子を見ることしかできんのだ…迂闊に指示を出せばこの国は一瞬で灰塵に帰すだろう…」
カルメドルは完全に黙りこんでしまい、
「失礼…しました…」
ただそう言って、両手の拳を固く握り締めて部屋を後にした。
すると、カルメドルの横を急いで通り抜け、先ほど彼がいた皇帝執務室に入ろうとする役人がいた。制服から外交部の人間だろう。カルメドルはその役人に声をかける。
「おい、待て。皇帝陛下に何の用がある。申せ」
皇太子に突然声をかけられた役人は驚くが、直ぐに気を取り直し、カルメドルに内容を伝える。
「こ、これは殿下、先ほどサンサ王国の使いが参りまして…その…」
「なんだ。ためらわず早く申せ」
「その…サンサ王国が……我が国宣戦を布告しました…」
「はぁ⁈外交部の聞き間違いとかじゃないだろうな!」
あり得ない事態にカルメドルは役人に聞き返す。
しかしそれでも役人の回答は同じだった。
「わかった…付いて来い!」
カルメドルは役人を連れ、もう一度執務室に入った。
シュールドルはまた入って来た息子に今度はなんだと問おうとしたが、後ろに外交部の役人がいるのに気がつき、外交的な問題の発生を感じた。
「…外交的な問題が起こったと見るが何事だ?」
役人は簡潔にカルメドルに説明した内容を詳しく語る。予想通り、シュールドルの顔は怒気と呆れに満ち、すぐさま対応するように言う。
所詮はサンサ王国なのだ。後進国に遅れをとるような国家に、先進国、ひいては世界最先端の技術をもつ神聖サザンクロス帝国にかなわないとかんがえていた。
だが…
「伝令!国境防衛線突破されました!敵は魔導機関砲を使用しています!」
「バカな!奴らなんでそんなものを…⁉︎まさか…奴ら魔界から持ち帰ったな…あそこにはなぜか無傷の兵器が転がっていたが、操作方法が今ひとつ分からなかった…それに我々にとって魔導機関砲はさしたるものでもなかったから無視していたのが仇になったか…あそこには旧式装備軍しかいなかったからな…」
なんたることだ…とシュールドルは頭を抱える。
しかし悲報は続く。
「それだけではありません。敵は戦車らしき兵器を引っ張りだしてきました…」
「せ、戦車だと!クソッ!航空戦力はどうなっている?」
「航空戦力は幸いワイバーンのみの為、対空砲火で対処可能です」
シュールドルは少し悩む、というより考え込む。この戦況の打開策を。そして決断する。
「……戦闘飛空船を出せ。戦車もだ」
この発言に今まで黙っていたカルメドルが口を挟む。
「へ、陛下!あれらはまだ貴重品。ここで失いかねないところへ持ち出すのは…」
「構わん!この際相手が本気なのだ。世界最先端の力を見せつけろ!」
伝令にそう伝え、シュールドルは退室を促すと、伝令は失礼しましたと言って退室した。
「魔導機関砲はわかるが…戦車?どういうことだ?」
シュールドルは深く考え込みだした。気づけばカルメドルも外交部の役人もいなくなっていた。
毎度毎度遅筆すいません。
これからもよろしくお願いします。
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