帝国接近
遅くなりました…ほんとにすいません…
"姫路上空、ストレスラ星間連合軍旗艦「アミューラ」通信室"
ストレスラ星間連合軍日本捜索部隊旗艦「アミューラ」の通信室で、総司令官インペルソナ=アクナは画面の中で頬杖をつき、眉根を顰める自分よりもふた回りも若いだろう自分の上司と会話、もとい首相官邸での約束を報告した。
「…で、技術供与の安請け合いをした、と?」
「は、はい…その…それ故議長閣下の許可を…」
インペルソナは彼をこれ以上不機嫌にしないように恭しく申し出る。
「私の独断でできたら、ここまで不機嫌になってない!だが、今は非常時。我が国にとって日本は必要不可欠。ならば向こうが望むならそうせざるを得まい…むう…」
画面の中の若い男、ストレスラ星間連合議長メルカッスル=ドーラスは腕を組み悩みだす。この非常時に議長権限で強行するか否か。
しかし、彼には悩む暇などなかった。
突然、インペルソナにある報告が入る。
「議長!て、帝国が…帝国が…この星に…」
「もはや悩む余地なしだな。インペルソナ、全力で帝国を追い払い、再度侵攻してくるまでに日本に技術をできる限り供与する。議会はなんとかする」
インペルソナは無言で頷くと、そばに報告に来た兵士に警報を鳴らすように伝えると、インペルソナは最後にメルカッスルに頭を下げ、部屋を後にした。
アミューラ全体に警報が鳴り響く。
「出力最大!一気に目標まで飛ぶぞ!真下にある街に被害を与えるなよ!」
「出力最大!」「目標までのルート確保!障害なし!」「衛星軌道上の僚艦はすでに戦闘態勢を整えています!」
続々と報告が入るなか、インペルソナはそれを的確かつスピーディーに捌く。
「全艦対艦、対戦闘機戦闘用意!そのまま目標まで行け!到着して即座に僚艦と艦隊陣形を形成する!帝国艦隊との接触までに準備を整えろ!」
城のみならず、街に暗い影を落とす巨艦が動き出す。
その音は意外にも静か。しかし、それはあくまで意外であり、街には大きく響いた。
人々は声を上げ、指差し、その大きさには見合わぬ速度で上昇する巨艦を眺める。これから起こることも知らずに。
"JAXA筑波宇宙センター"
巨艦が動き出すのと同時刻、宇宙センターでは衛生との通信にノイズが入り始めたことが問題となっていた。
筑波だけでない、日本各地で通信不良が起こり大騒ぎとなっていた。
「主任、ダメです。ノイズが強すぎて…」
局員は集められるだけの情報を集め、上司に報告する。
しかしその内容はどこも通り一遍「ノイズが強すぎて、通信できない」もしくは「ノイズ原因不明」である。
「各地の天文台は?」
「通常の天文台に支障はありません。しかし、先程から大きな物体が横切るのが見えたとの報告が上がっています。また、電波望遠鏡にも巨大な物体が映ったと…」
「なんで今の今まで…」
主任と呼ばれた男は首をかしげる。
「わかりません。姫路でも最近現れたUFOが動き出したとか騒ぎになってます」
ますますわけがわからん、と主任は言った。
「とりあえずこのまま監視を続けろ」
と指示を出す。
それでも尚、報告は雨霰と続き、報告はまとめて内閣府に送られた。
"首相官邸総理執務室"
執務室の自分の机の上に頭を突っ伏し、佐藤は正直独りごちていた。
「なんでしょうね…最近この椅子に座っていると何か起こりそうな気がしてならない…」
そうごちた途端、予想はしっかり的中した。
「はい、私です」
佐藤は受話器を取り、相手の声を聞く。すると妙に音が被り、また、ノイズの走った声が聞こえた。
『佐藤総理ですね。議長の許可を得ました。これで我々ストレスラ星間連合は日本に対し、技術供与が出来ます』
「イ、インペルソナ閣下⁈ど、どうやって…ノイズが激しくて、無線は繋がらないのに…」
いつもの佐藤なら宇宙人の技術と割り切り、諦めがついただろう。しかしこの時ばかりは佐藤はそう割り切る余裕を持ち合わせてなかった。
インペルソナが突然連絡をよこしたのもあるが、日本各地で大騒ぎになっているノイズをかいくぐり、ここに繋げていると言うことが大きい。それに加え、相手がインペルソナとなると余計に、だ。
『細かいことは後です。現在、この星には我々と敵対関係にある勢力が向かってきています。我々はこれに対して迎撃に出ます。ノイズはおそらくその影響でしょう。今までステルスモードであった為、目視できなかったことと、今まで静止軌道にあった為、ノイズを発生させるほどの衝撃波を放っていなかったからでしょう』
話を聞いた佐藤はここでようやく落ち着く。
そしてインペルソナにこう返す。
「…わかりました。ご武運を。1つわからないことがあります。なぜ貴方方はここまで我が国を守るのです?」
『それは……今はまだ話せません。しかしいずれ分かるとは思います。今の貴方方ならば…「одрм@2¥991&!!」…すいません。そろそろ戻らねば。失礼した』
そう言い残し、インペルソナは通信を切った。
後に残った静寂を佐藤はしばらく受話器を握ったまま硬直して過ごした。
いつもいつも遅れてすいません(・ω・`)




