来客と真実
遅れました…
"4月24日首相官邸応接室"
この日、最近佐藤の悩みのタネとも言える存在と対峙している。見た目は人、しかしこれが本当の姿かどうかは定かではない。少なくともこの星≪ウヌア≫でも地球でもない、別の惑星から来た存在であることは明らかで自らをストレスラ星間連合と名乗っている。
佐藤は目の前に対峙する人(?)と話す内容より、自分の頭、白髪増えたなぁとか考えている。
人(?)と言うのも、人の見た目をしているが実際何かわからないからである。とりあえず佐藤はその姿について目の前の人(?)に訊いた。
「あ、あの…その姿は…」
目の前の人(?)は応える。
「вд@(6『この姿は正確には本当の姿ではありません。しかし見た目は地球の人々と差異はありません。変えているのは顔だけです。この顔の方が親しみやすいと思いましてね。ご不満なら元に戻りますが?』/¥/¥"@」
なんとも、おそらく彼らの言語に被せて機械が日本語に翻訳をかけているのだろう。それにしたってどこから情報を持って来たのかは気になるところであるが今は聞く必要がないだろう。
『自己紹介が遅れました。私はインペルソナ=アクナと言います。ストレスラ星系連合軍総司令官兼日本捜索部隊総責任者をしております』
(ん?今この人なんて言いました?日本捜索?何故…)
『何故?と言う顔ですな。しかし教えられんのです。ご寛容のほどを』
彼はそう言うと深々と頭を下げる。
「面をお上げください!客人に深々と頭を下げさせるなど…それにそちらの機密で有れば仕方のないことですし…それに…」
『それに?』
「貴方方宇宙人の機密など、我々には知り得ないものなのでしょうしね」
呵々とインペルソナが笑うと佐藤もそれに倣って笑う。
『そういうことです。しかし話せることもあります。我々は地球を見てきました。そして驚かされました』
「ち、地球を…」
『ええ、驚きました。島はある、でも人はいないという状況に…ね。細かく調査したかったのですが、一部ヘマをした部隊が地球側から見つかり騒がれそうになりましたよ』
佐藤はとうとう驚きを隠せなくなった。何せ自分達は「島ごと」転移したと思っていたのに、「島ごとコピーして」転移したとは夢にも思わなかったのである。
手を組み、両肘を両膝に置いて微笑みながら対峙するインペルソナを問い詰めようとするとすると、間の悪いことにノック無しに佐江島が応接室に入ってきた。
「失礼。ほう、こりゃ驚いた。秘書の言う通り本当に人の姿形してやがる」
本音を素のままぶちまける佐江島を佐藤は諌める。
「佐江島さん、失礼ですよ。こちらはストレスラ生還連合軍総司令官兼日本捜索部隊総責任者のインペルソナ=アクナ閣下です」
「⁈日本を?ガハハ、日本の名は宇宙まで響くのか!まるで漫画がアニメですな!」
『日本のアニメや漫画はこちらでも有名ですよ』
「そりゃ著作権的にどーなのよ」
かなり根本的なところに佐江島が突っ込んだ。
しかしそれを無視して佐藤は続ける。
「インペルソナ閣下らは地球を見てきたそうです。そして、我々は「島ごと」転移したのではなく、「島ごとコピーして」転移したようです」
「ん?はい?いやすまんがもう一度頼みます」
佐藤は混乱している佐江島に、インペルソナからの脚注も含めて細かく説明した。
それが終わると佐江島は得心顔で…
「よしわかった。つまり聞くところに聞けばいいんだな!」
と吹っ切れた。
もとより佐藤も聞くところに聞くつもりだったので話は早い。というかどうやら近くにいるような感じを佐藤や佐江島は感じ取っていた。
だから佐藤は呼び出す事にした。
「さて、ご説明願いましょうか?」
佐藤が自分の座っているソファーの真後ろ、つまり自分の背後の壁際に声をかける。
すると音もなくオオヒルメが姿を現わす。
「やっぱり人の子侮りがたしですね…それとも貴方達だけが特別なのかしら?」
「少なくともここ1週間、プライベート以外は全部付いてきてますよね?」
「なんでばれてるのぉぉぉぉ!」
そんな不思議会話を横目に、インペルソナは唖然としている。
『えっと…え?』
「紹介します。こちらのど天然女性は皇祖神オオヒルメ様。まぁうちらはアマテラスって呼んでるけどな」
佐江島が適当な説明をするとインペルソナは、はぁ…という感じで思考を放棄した。
「佐江島さん、あってますけど適当すぎます。インペルソナ閣下、申し訳ありません。然し乍ら我々にも説明し難き存在なのです」
「妾としても説明されても困ります。そこの思考に至られては、人の子、もとい佐藤は既に神に近い存在になるのです」
『我々にも貴方方に言えないことがあります。そちらにあっても仕方ないことですね』
どうやらインペルソナはそれを頭の中で復唱して自分をねじ伏せたらしい。
インペルソナからその答えを聞いたのち、佐藤達は本題に入り、オオヒルメに質問する。
「オオヒルメ様、これは一体…」
「妾にもわかりません。大八洲が向こうからこちらに複写され、こちらに移ったという現象は妾にも説明し難いものなのです。説明し難いどころか説明できませんね」
「おいおい、神様でも根を上げるってか?幾ら何でもそれは無責任ってもんだろう?」
「佐江島さん、そもそも神様は無責任の放任傍観主義者では?」
オオヒルメは2人から放たれる毒舌に心がポッキリ折れたのか、部屋の隅で体操座りして独りでブツブツいっている。
「で、閣下。その地球の方の島はどんな感じなんだ?」
『今の所動きはありませんが、何やら半島の人々が植民してるように思えます』
これを聞くと佐藤、佐江島、果てはオオヒルメまでハッとして、
「「「ふざけんな!」」」
と2人+1柱は叫ぶ。
「どうするよ」
「どうしますかね?」
「ゆ、許さぬ…」
インペルソナな流石にやばい琴線に触れたことを悟り、ある提案をする。
『え、えっと…本国に交渉して技術供与を…「「「是非お願いします!」」」…わかりました…少し船に戻りますので本日はこれにて…』
そう言って、インペルソナは逃げるように応接室、ひいては官邸から去っていった。
評価、感想お願いします




