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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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98/143

098★何故か、精霊さんが………


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 うっすい(まく)のような(あたた)かいモノに(つつ)まれて、のほほんとしていると………。

 私をじーっと見ていたガッちゃんが口を開く。


『うん。予定通りの効力に押さえられているね。これなら、(あるじ)さまに出会った人間は、(あるじ)さまの本来の容姿(ようし)を見ることも、覚えることもできないね。流石(さすが)は、コウちゃんだね。(あるじ)さま、これで、ソルス・ロス・エンド村に気兼(きが)ねなく()けますよ』


 ガッちゃんから無事にOKが出た私は、つい嬉しくてピョンピョンと()ねてしまう。

 そして、そこで気付く、本当に身体(からだ)がとんでもないほど(かる)いことに………。


 余分(よぶん)脂肉(あぶらにく)(=濃縮(のうしゅく)された魔力の(かたま)り)が、コウちゃんとガッちゃんに|吸収されたお陰で、物理的(ぶつりてき)にも体重(たいじゅう)激減(げきげん)したと、しみじみと実感(じっかん)する。


 ただし、等身大(とうしんだい)の鏡で自分の現在の姿を見ていないので、まだまだ自分への認識は甘いだろうことは、予想(よそう)(かた)くない。


 それでも、全身(ぜんしん)脂肉(あぶらにく)その他をコウちゃんに痩身美容してもらった上に、天使シリーズの手袋とブーツを()いているお陰で、魔法よる身体強化(しんたいきょうか)をしていなくても、それに近い状態になっていることを自覚する。


 うふふふ………やっぱり、天使シリーズはマストね。

 これで、安心して冒険ができるわ。


「ありがとう、コウちゃん、ガッちゃん。それじゃ、今度(こんど)こそ出発」


『『はい』』


 こうして、私は難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョンというフィールドから魔の森へとステージを変えるのだった。



 難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョンの入り口から、100mを()えると、鳥の声や動物の鳴き声が聞こえてくる。


 なんか、さあ冒険の始まりだって言う感じがするわね。

 私は、天使のブーツでちょっとスキップしてしまう。

 そんな私に、コウちゃんとガッちゃんが、話しかけてくる。


『ママ、もう少しで、ママの嫌いなイモムシの魔物、ローラーワームにぶつかるよ』


 うげっ………アレかぁ~……はぁ~……魔物として、あんまり美味しくないのよねぇ………。


『ローラーワームは、キャタピラワームと違って、肉も皮も使えなくて、魔石を取るだけの存在ですから………』


 よし、私の前世での知識と相違(そうい)ないか確認しておこう。


「コウちゃん、ローラーワームの魔石って安かったわよねぇ」


 確認する私に、コウちゃんは私に答えてから、ガッちゃんに言う。


『うん、安いし、効力を添付(てんぷ)できない魔石だよぉ………ってことで、ガッちゃん残さず食べてね。残骸(ざんがい)は残さないで、ママが嫌がるから……』


 その言葉に、ガッちゃんは私の肩からヒラリと飛び立ち、空中をルンルンとスキップしながら答える。


『うん、美味しくいただきます』


 ガッちゃんの言葉が終わるとほぼ同時に、出現(あら)われました。

 それも、ものすごぉ~く大量に。


「んじゃ、戦いますか?」


 そう言って、私は(ため)したい魔法があったので、さっそく(とな)えてみた。

 ちなみに長ったらしい詠唱(えいしょう)面倒(めんどう)だし、威力(いりょく)(しぼ)りたいので、端的(たんてき)魔法名(まほうめい)だけの詠唱破棄(えいしょうはき)で思い付いた魔法を(はな)ってみる。


「マイクロファイヤーランス」


 やったぁー…予定通りの太さの炎の(やり)が、ローラーワームに()()さったわ。


 ………って、えっ? えぇぇぇ~? なんでぇ~?

 うっそぉぉぉ~……詠唱破棄(えいしょうはき)までしたのにぃ………。

 どうして、(はい)も残らないほど()()きちゃうの?

 

 ローラーワームは、あっと言う()に綺麗さっぱりと()()きてしまう。

 そして、そこにはあまり(やく)に立たない魔石がコロリンッと転がっていた。


「うそぉ~…どうしてよぉ?」

 

 思わずがっくりした私に、コウちゃんが言う。


『ママ、それって、ファイアーランスって言うからだよ。マイクロニードルって(とな)えれば、精霊も手を()さないから………ランスは、()めようね』


 えっ? えぇ? なんで、精霊?

 どうして、そこで精霊が出て来るの?

 思わず、コウちゃんに視線を向けてしまう。


「えっ? なんで……精霊が私の魔法に手を()してくれるの? なんの契約もしていないのに………」


 コウちゃんからの言葉に、私は困惑(こんわく)してしまった。 


 戸惑(とまど)いの中で、視線の先に転がるクズ魔石を見て、私は小首(こくび)を無意識に(かし)げる。

 そんな中、コウちゃんが説明してくれる。


『ここは、瘴気(しょうき)渦巻(うずま)くダンジョン内の()じた空間じゃ無いから、周囲(しゅうい)に精霊達が存在しているんだよ。でもって、ママの魂もこころも綺麗だから………。それに、前世は俺と一緒に転生していたから、精霊達はママを人族って見ないんだよ。だから、気軽(きがる)に力を()しちゃうんだ。精霊種ってヤツは、楽しければ良いってところあるからね。だから、言葉にも気をつけてね、ママ』


 なんだか、理解(わか)ったような理解(わか)らないような………。

 とりあえず、言質(げんち)を取られるような発言(はつげん)をしないように心掛(こころが)けないとダメってことね。


 でも、基礎(きそ)レベルを上げたい私には、精霊さん達の親切な助力はご遠慮願(えんりょねが)いたいわね。

 ここは、コウちゃんの忠告通(ちゅうこくどお)りに、ランスじゃなくて、ニードルで()こう。


「うん、次からはニードルって言うわ」


 そんな会話している(あいだ)にも、ローラーワームが次々と()いて来る。


『それじゃ、残りを片付(かたづ)けようね』


 コウちゃんの言葉に(うなず)き、私は言われたとおりに火炎系の魔法を(はな)つ。




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