096★困ったことに自覚が薄いようです
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
えっとぉ~…逃亡って? 何から?
「えっ? コウちゃん、逃亡している自覚って?」
きょとんとする私に、コウちゃんは顔を洗いながら、さも当然のように言う。
『ママは、自覚ないみたいだけど、美少女なんだよ。まして、あの金月の女神ディアーナの化身って言われている母親と、冴え凍る銀の獅子王レギオンって美男子の父親の間に生まれた超絶美少女なんだよ。それが、パパに会いたくなくて逃げてるんでしょ?』
言われて、私は小首を傾げる。
えっとぉ………超絶美少女?
それって、シルビアーナのことを言っているの?
いや、たしかにコウちゃんの裏技である痩身美容で、断罪されて【難攻不落の深淵の絶望ダンジョン】に送られた当初よりは、だいぶ細くはなったけど………。
いや、ある意味ではナイスバディって言っても良いくらいには素敵なボディにはなりましたけどねぇ。
それでも超絶美少女は言い過ぎでしょう。
だって、整形美容はしてないもの。
デブスからデブが消えて、ブスになるだけよねぇ………。
まぁ………頬もコウちゃんがモミモミしてくれたから、何となく顔も全体的にスッキリしている感覚はあるけど………。
それでも超絶美少女はないわね。
まったく、コウちゃんてば何を言っているのかしらねぇ?
「えっ? 私は、ただのデブスよ。いや、コウちゃんの瘦身美容で痩せたからデはとってブスかしらねぇ………。まぁ…少しは見られる容姿になったかもだけど………」
そう答えた私は、その時点では、まだまだ、自分の容姿に自覚がぜんぜん無かった。
いや、一度目のコウちゃんの瘦身美容の後に、全身が映る鏡を見たが実感があまり無かったのよ。
だから、コウちゃんは私に向かって、噛んで含めるように言う。
『い・ま・は、痩せて引き締まったウェストに、ボンと張り詰めた形の良いバスト、プリッとして魅力的なヒップのナイスバディに、輝く銀の髪に潤んだ紫の瞳の美少女なんだよ。わかってる? 余分な脂肉(=魔力の濃縮された塊り)は、コウちゃんとガッちゃんで美味しくいただいちゃったから、綺麗な瞳もバッチリと見えるの………ママだって気付いてるでしょ…視界が広いって………』
そう言われて、私はハッとする。
意識がはっきりし、モノがしっかりと見えるのは、魔力を奪い、思考力等を低下させる呪具のセイばかりではないと………。
「えっとぉ~………」
それって、物理的にってこと?
全身にくまなく付いていた脂肉(=魔力の濃縮された塊り)のセイだったってこと?
そんな私に、コウちゃんは嘆息する。
『はぁ~……その様子じゃ、いまいちどころではなく全然理解ってないね、ママ。いい、今のママの姿って、前世で凝りまくって、課金しまくって創造ったアバターに勝るとも劣らない程の美少女だって言ってるの』
そこでようやく、コウちゃんが言っている意味を把握する。
だって、あのアバター…めっちゃ課金して、容姿に能力にって付加しまくって、理想の姿だったんだもの………。
って、もしかして、マジで今の私って……前世で創造ったアバター並みなの?
本当に…あのアバターに勝るとも劣らない容姿なの?
いや、でも………そっかぁー…あのお母様とお父様の容姿を引き継いでいるのよねぇ………。
すっかり、ソコんところを綺麗さっぱりと忘れていたわ。
ふわぁ~…それって、天然モノの美少女ってこと?
そこに思考がやっと行き着いた私は、思わず驚きの声を上げる。
「えっぇぇぇぇぇ~…マジでぇぇぇ~………」
びっくりする私を満足げに、コウちゃんはくふくふと笑いながら背中の3対の翼をぱたぱたさせて言う。
『だから、ママに出会った人は、一目でママを覚えられるし、絶対に忘れてくれないよ。そこんとこの自覚を持ってね』
コウちゃんの忠告に、私は小首を傾げる。
う~ん……自覚って言われてもねぇ~………。
いまいち実感できないのよねぇ。
まぁ…あの美麗な両親の子だから、容姿が整っているだろうことは、客観的な意味では理解るのよ。
そう、客観的な視点からねぇ………。
残念なことに、自覚は皆無だけどね。
なんせ、ずぅぅぅぅぅぅ~っと、あの脳内お花畑のお馬鹿さんと、その取り巻き達に、デブスって言われ続けていたからねぇ~………。
それに、今更、見た目が多少変わったぐらいで………って、思っていたのよねぇ………。
いや、めっちゃ瘦せられたのは ほんとぉ~……に嬉しいけどね。
何と言っても、呼吸は楽になったし、視界は良好だし、身体はすぅ~っごく軽いのよ。
ただそこまで、はっきりと言われるほど天然モノの超絶美少女になっているって自覚は……はっきり言って、無いわ。
じゃなくて、とにかく建設的な方向で行こう。
「えぇ~とぉ~……それじゃ、どうすれば隠せるかな?」
もう、ここはコウちゃんの助言をあてにしよう。
なんと言っても、ナビゲーターしてくれるのコウちゃんとガッちゃんだし………。
っていうか、さっきからガッちゃんってば、なんか静かだねぇ?
『だったら、ママが最初に頭に着けていた、意識阻害と認識阻害のピアスとティアラを着ければ良いよ』
あぁ…認識阻害するアレねぇ……。
でも、あのティアラを着けると、魔物が来ないんじゃない?




