079★やっと声を届けて、娘の姿を見ることができた 〔sideレギオン〕
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
だというのに、ルトは私をサラリと無視して、あの憎たらしい侍従長に声をかける。
「侍従長、外務大臣を呼び出せ。いくら、非公式でも、大使からの連絡はあったはずだろう? それとも、お前も来訪していたコトを知っていたのか?」
淡々とした問いかけに、ちょっと困ったような表情で、言い訳がましく侍従長は答える。
「私は、外務大臣のロシフォール閣下より、丁寧に案内する人物リストを頂いて、この会場に案内しただけです。仮の名前を教えられていただけなので………」
シルビアーナを助け出すのを邪魔して、逆鱗を踏み抜いたことで、報復されることに怯えている侍従長は、私の様子をチラチラと伺いながら答える侍従長に、アーダベルトは知らないふりで確認する。
「そうか、誰が誰かは判別らないんだな?」
アーダベルトの再度の確認にも、侍従長は自分には判別りかねますと答えた。
「はい。私どもが知るべきでは無い情報ですので………」
そんな言葉が、今の私に通用すると思うなよ。
知らないで済むと思うなよ。
「だとよ。レギオン、あのいけ好かないロシフォールを、呼び出すしか無いようだぜ」
アーダベルトからの言葉に、嘆息する。
「はぁー……そのようだな」
そこで一度言葉を切ってから、私は侍従長に冷淡に言い放つ。
「侍従長、貴様を許すことは無い。それが仕事だったと言う戯言は聞かん。我がカイドール一族の総力を持って、貴様の一族を目の前で殲滅してやる。せいぜい残りの時間を惜しむが良い。家族を奪われる苦しみを味わうがよい」
その言葉と同時に、縋り付こうとする侍従長に背を向けて、パーティー会場に来ている賓客達を改めて確認する。
ちなみに、私に慈悲を請おうとしている侍従長は、私が連れて来た護衛騎士達によって排除されたことは言うまでもない。
我がカイドール一族に連なる者達は、ブランデルの悪行に加担した者には容赦が無いのだ。
背後で慈悲を求める侍従長は、アストリス殿がさっさと声を封じてくれた。
はぁ~私が、ロシフォールって幼馴染って言ってもなぁ………。
ロシフォール達は、アーダベルト達と違って、裏がメインのヤツラだから、苦手なんだよなぁ~……。
あーめんどくせー………なんで、私が………。
なんて、腐っていたら、もっといや~んなコトになりそうだしなぁ………はぁ~……。
表面上はにこやかに笑っているが、実際は煮詰まっているロシフォール達が、呼んでもいないのにやってきた。
自分から私のところに来るってコトは、もはや収拾不能寸前だからか?
嗚呼懐かしき日々だなぁ………。
こういうパターンって、今は亡き皇帝陛下である伯父上の裁定が欲しいんで、宜しくって時ばっかりだったよな?
あの頃は、海千山千の伯父上が、しっかりと裁定してくれたけど………。
ここに居るのは、私とアーダベルト、バルドゥール、ユリシーズ、ギルダールという脳筋に近い者達のみ………。
いや、師匠イグナシオ殿が居る。
師匠に聞けば(押し付けちまえば)なんとかなるはず。
私が、ほっと息を抜くと、ルトが視線で聞いてくるので、思いついたコトを口にした。
「ルト、ここは、経験豊な師匠に丸投げしよう」
「おお……その手があったか」
「だろう」
私とアーダベルトが盛り上がっていると、近寄って来たバルドゥール、ユリシーズ、ギルダールが不思議そうな顔で私達を見ていた。
そんな私達に、ロシフォール達が、ボソッと酷いコトを言う。
「レギー、そんなことして良いのか? 師匠に頼みごとをすると、倍の仕事を押し付けられるぞ。下手したら、シルビアーナ姫の婚約者に、我が息子イルバインを………なんて言うかもしれないぞ」
痛いところを突かれた私は、一瞬言葉を詰まらせてから言う。
「うっ…嫌なコトを言うなよ。私個人の話じゃなくて、国交に関わるんだぞ。引き換えに何かを要求するってのは、いくら師匠でも………」
なんて会話をしていたら、空気を読まない侍従長が、他国の皇子や王子達一行を、私達の前に案内してくれた。
先ほど封じた声は、落ち着いたところで仕事をさせるために解放したらしい。
まんま、声を封じておけば、余計な仕事をしなかったものを………。
どおぉぉぉーして、お前ら侍従達は、余計な仕事は速いんだよぉぉ。
なんて思いは、皇族のプライドで捩じ伏せて、私は静かに微笑んでみせる。
その間に、ブランデルはそっと私達の後ろに隠れやがった。
声を封じられていようと、泰然としていればいいものを、これ幸いで私を盾にしおって。
後でしばき倒すぞ、ブランデル。
そんなイラついた状態の私に、魔法使いのアストリス殿が話しかけてきた。
「レギオン殿、他国の皇族様達との会話は長引くと思いますので、せめて、シルビアーナ姫と会話だけでも先にしてはいかがでしょうか?」
その言葉に、私の中に希望の光りが灯る。
居場所が判明っていて、やり取りができるならば、シルビアーナの生存率が上がる。
「繋がったのか?」
だから、つい確認してしまう。
「はい、完全に繋がりました。こちらのミスリル銀の鏡に話しかけてください。繋がるとお互いの姿が映ります。幸いなことに姫様のいらっしゃる空間に強力な力を宿した水晶の存在がありましたので………」
「そうか……シルビアーナ…シルビアーナ、父の声は聞こえるか?」
その呼びかけに………。
『えっ?』
驚く娘の声が響く、そして、誰かとのやりとりらしい声が少しの間続いた、その後に………。
色が違うだけで、我が愛しきディアと………かなりふとましいが………そっくりな娘の姿が、ミスリル銀の鏡に映った。
何時の間に、そんなに痩せたんだ?
だが、顔色も良くなっている。
なによりも意識がちゃんとしっかりしている。




