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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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79/143

079★やっと声を届けて、娘の姿を見ることができた 〔sideレギオン〕


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 だというのに、ルトは私をサラリと無視して、あの(にく)たらしい侍従長に声をかける。


「侍従長、外務大臣を呼び出せ。いくら、非公式でも、大使からの連絡はあったはずだろう? それとも、お前も来訪(らいほう)していたコトを知っていたのか?」


 淡々とした問いかけに、ちょっと困ったような表情で、言い(わけ)がましく侍従長は答える。


「私は、外務大臣のロシフォール閣下より、丁寧に案内する人物リストを(いただ)いて、この会場に案内しただけです。(かり)の名前を教えられていただけなので………」


 シルビアーナを助け出すのを邪魔して、逆鱗(げきりん)()()いたことで、報復(ほうふく)されることに(おび)えている侍従長は、私の様子(ようす)をチラチラと(うかが)いながら答える侍従長に、アーダベルトは知らないふりで確認する。


「そうか、(だれ)(だれ)かは判別(わか)らないんだな?」


 アーダベルトの再度の確認にも、侍従長は自分には判別(わか)りかねますと答えた。


「はい。私どもが知るべきでは無い情報ですので………」


 そんな言葉が、(いま)(わたし)通用(つうよう)すると思うなよ。

 知らないで()むと思うなよ。


「だとよ。レギオン、あのいけ好かないロシフォールを、呼び出すしか無いようだぜ」


 アーダベルトからの言葉に、嘆息(たんそく)する。


「はぁー……そのようだな」


 そこで一度言葉を切ってから、私は侍従長に冷淡(れいたん)に言い放つ。


「侍従長、貴様(きさま)を許すことは無い。それが仕事だったと言う戯言(たわごと)は聞かん。()がカイドール一族の総力を持って、貴様(きさま)の一族を目の前で殲滅(せんめつ)してやる。せいぜい残りの時間を()しむが良い。家族を奪われる苦しみを味わうがよい」


 その言葉と同時に、(すが)り付こうとする侍従長に背を向けて、パーティー会場に来ている賓客達(ひんきゃくたち)(あらた)めて確認する。


 ちなみに、私に慈悲(じひ)()おうとしている侍従長は、私が連れて来た護衛騎士達によって排除(はいじょ)されたことは言うまでもない。

 

 ()がカイドール一族に連なる者達は、ブランデルの悪行(あくぎょう)加担(かたん)した者には容赦(ようしゃ)が無いのだ。


 背後で慈悲を求める侍従長は、アストリス殿がさっさと声を(ふう)じてくれた。


 はぁ~私が、ロシフォールって幼馴染って言ってもなぁ………。

 ロシフォール達は、アーダベルト達と違って、裏がメインのヤツラだから、苦手なんだよなぁ~……。


 あーめんどくせー………なんで、私が………。

 なんて、(くさ)っていたら、もっといや~んなコトになりそうだしなぁ………はぁ~……。


 表面上はにこやかに笑っているが、実際(じっさい)煮詰(いつ)まっているロシフォール達が、呼んでもいないのにやってきた。


 自分から私のところに来るってコトは、もはや収拾不能寸前しゅうしゅうふのうすんぜんだからか?


 嗚呼懐(ああなつ)かしき日々(ひび)だなぁ………。

 こういうパターンって、(いま)()き皇帝陛下である伯父上(おじうえ)裁定(さいてい)が欲しいんで、(よろ)しくって時ばっかりだったよな?


 あの(ころ)は、海千山千(うみせんやません)伯父上(おじうえ)が、しっかりと裁定(さいてい)してくれたけど………。


 ここに居るのは、私とアーダベルト、バルドゥール、ユリシーズ、ギルダールという脳筋に近い者達のみ………。


 いや、師匠イグナシオ殿が居る。

 師匠に聞けば(押し付けちまえば)なんとかなるはず。


 私が、ほっと息を抜くと、ルトが視線で聞いてくるので、思いついたコトを口にした。


「ルト、ここは、経験豊(けいけんゆたか)な師匠に丸投(まるな)げしよう」


「おお……その手があったか」


「だろう」


 私とアーダベルトが()り上がっていると、近寄って来たバルドゥール、ユリシーズ、ギルダールが不思議そうな顔で私達を見ていた。


 そんな私達に、ロシフォール達が、ボソッと(ひど)いコトを言う。


「レギー、そんなことして良いのか? 師匠に(たの)みごとをすると、倍の仕事を押し付けられるぞ。下手したら、シルビアーナ姫の婚約者に、()が息子イルバインを………なんて言うかもしれないぞ」


 痛いところを()かれた私は、一瞬言葉を()まらせてから言う。


「うっ…嫌なコトを言うなよ。私個人の話じゃなくて、国交に(かか)わるんだぞ。引き()えに何かを要求するってのは、いくら師匠でも………」


 なんて会話をしていたら、空気を読まない侍従長が、他国の皇子や王子達一行を、私達の前に案内してくれた。


 (さき)ほど(ふう)じた声は、落ち着いたところで仕事をさせるために解放したらしい。

 まんま、声を(ふう)じておけば、余計(よけい)な仕事をしなかったものを………。


 どおぉぉぉーして、お前ら侍従達は、余計(よけい)な仕事は(はや)いんだよぉぉ。


 なんて思いは、皇族のプライドで()()せて、私は静かに微笑(ほほえ)んでみせる。

 その間に、ブランデルはそっと私達の後ろに(かく)れやがった。


 声を(ふう)じられていようと、泰然(たいぜん)としていればいいものを、これ(さいわ)いで私を(たて)にしおって。

 後でしばき(たお)すぞ、ブランデル。


 そんなイラついた状態の私に、魔法使いのアストリス殿が話しかけてきた。

 

「レギオン殿、他国の皇族様達との会話は長引くと思いますので、せめて、シルビアーナ姫と会話だけでも(さき)にしてはいかがでしょうか?」


 その言葉に、私の中に希望の光りが(とも)る。

 居場所が判明(わか)っていて、やり取りができるならば、シルビアーナの生存率が上がる。


(つな)がったのか?」


 だから、つい確認してしまう。


「はい、完全に(つな)がりました。こちらのミスリル銀の(かがみ)に話しかけてください。(つな)がるとお(たが)いの姿が(うつ)ります。(さいわ)いなことに姫様のいらっしゃる空間に強力な力を宿した水晶の存在がありましたので………」


「そうか……シルビアーナ…シルビアーナ、父の声は聞こえるか?」


 その呼びかけに………。


『えっ?』


 驚く娘の声が響く、そして、誰かとのやりとりらしい声が少しの間続(あいだつづ)いた、その後に………。


 色が違うだけで、()(いと)しきディアと………かなりふとましいが………そっくりな娘の姿が、ミスリル銀の(かがみ)(うつ)った。


 何時の間に、そんなに()せたんだ?

 だが、顔色も良くなっている。

 なによりも意識がちゃんとしっかりしている。





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