071★パーティー会場にて・そして新たなる断罪が始まる3〔sideレギオン〕
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
「…………」
私の言葉に、言い返す言葉を探してブランデルは黙り込む。
「伯母上だとて、シルビアーナは可愛い孫だったんだ。それを、魔力をほとんど持たずに生まれた馬鹿息子のために、お前はシルビアーナを魔力搾取する生贄にした。挙句に、不憫を強いたとシルビアーナを愛でるならまだしも、呪具で感情を制御し、更に行動を制限しただろうが。それを、哀しんだり怒ったりしないはずが無いだろう? あの優しい慈愛の伯母上が………」
私の言葉に、ブランデルは頭を両手で押さえるようにして首を振りながら力無く言う。
はぁ~……本当に、こいつも考えなしだよなぁ………。
「ルドルフは、私の息子で、母上の実の孫なのに………」
はぁ~……本当に、こいつも考えなしだよなぁ………。
息子の自分の子《孫》だから、無条件に愛されると思っていたのか?
そんな傲慢さや不出来なところばかり似たから、ルドルフはああなんだな。
だいたい、お前が次に正妃として選んだアデリーヌ皇妃が、伯母上に嫌われているって知らなかったのか?
「たしかに、孫かもしれないがな。気に入らない嫁の産んだ孫息子だぞ。情が薄くなっても当たり前だろう。まして、お前が私達夫婦の手元からシルビアーナを攫って、呪具を嵌めて強引に自分の息子の婚約者としたんだからな。だというのに、シルビアーナの魔力を強奪してはじめて使える魔力の恩恵も知らずに、無碍に扱う姿を見続けていたのだ。もともと薄かった情が綺麗さっぱりと消えるのは当たり前だろうが」
私の言葉に、それを信じたくないブランデルは食い下がる。
「しかし、シルビアーナは、血が繋がっていないのに………」
更に、そんなはずは無いとブツブツと口中で呟くブランデルに、私は嘲笑を持って言う。
「たしかに、シルビアーナは伯母上とは血が繋がっていない。だが、伯母上の最愛の人である、先代皇帝アレクサンデル陛下の血族なんだぞ。同腹の妹の血統だけあって、シルビアーナの方が魔力の色合いが、先代皇帝アレクサンデル陛下にそっくりだったからなぁ~………。伯母上は、生贄とされたあげくに無碍に扱われるシルビアーナが不憫でしかたがなかったんだ。少女時代は着飾らせて可愛い姿を楽しむはずだったんだ。母親は、可愛い女の子を欲しがるものなんだぞ。己の真実を知らず、身の程知らずな傲慢者に育った孫息子のルドルフと比べれば、可愛くて当然だろう」
そう私が言えば、ブランデルは信じたくないという思いで唇を戦慄かせる。
「色を無くし、感情の大半を封じられて、醜い姿になったシルビアーナが、それでも可愛いと………」
「きさまがソレを言うのかっ……私に、本気で斬られたいようだな? シルビアーナは本当に美しく可愛い子だったのだぞ。お前の手の者に攫われ、おぞましい魔力搾取や感情制御などの呪具を嵌められるまでは………。あの子とディアの人生の幸せを奪ったお前を、私はけして許しはしないっ……」
そう言い放つ私に、廃嫡された馬鹿が絡んで来る。
「俺とシルビアーナを比べるな。俺は………」
どこまでもお花畑でお馬鹿な元皇太子に、言い返そうと視線を向ければ………。
我が親友の息子が、憤りを浮かべて側に来て、その言葉を遮った。
「私のルビアを奪い、あんな寂しい状態にしたお前を、私は絶対に許さない」
そう言い放った彼は、本来私達が決めたシルビアーナの真実の許婚である、ルドレイツ侯爵家嫡子のアルディーンだ。
既に自分が父親である皇帝に、廃嫡を言い渡されたことで、身分を失ったという事実を認識しない、何処までもお花畑な大馬鹿者は、身の程知らずにも言い返す。
「はっ…あんな醜い女、欲しいと言えば、さっさと譲ってやったモノを、俺にそれを言えなかったのは、お前がぐずだったからだろう」
自分より格下と思い込んでいるが故の愉悦に満ちた言葉に、アルディーンは嘲笑をもって言い放つ。
「殺されたいか? ルドルフ? 君は1度も私に勝ったコトが無いだろう。まして、既に廃嫡を言い渡された身で、身分を失っているというのに………。この私にそんな口がきけるとでも思っているのか? まぁ…あんな品の無い娼婦風情に入れ込むから、廃嫡されるんだよ」
「きさま、殺してやる」
その叫びと共に、お花畑の大馬鹿者は魔法を行使しようとしたようだが………。
私とブランデルの会話を聞いていなかったのか?
本当に、どうしようもないほど救いようの無い大馬鹿者だな。
ルドルフが火炎系の呪文を唱えても、何も発動しなかった。
そう、小さな火の玉程度も、その掌からは出ることは無かった。
ハハハハハ………当然だな、魔力の供給源となっていたシルビアーナの呪具、娼婦もどきの小娘に与えるために、自分の手で外したのだからな。
だが、お花畑の大馬鹿者は現実を受け入れられないらしい。
「馬鹿なっ…なんで、魔法が発動しない………えっ…魔力が……えっ? ええっ? 感じないっ…俺の魔力っ………どうしてっ? …なんでっ? ………」
そこに至って、初めてお花畑の大馬鹿者は、自分が魔法を使えないという事実に気付いたようだ。
だが、それも当然のことだろう。
シルビアーナの身体に嵌められた呪具によって吸い上げていた、膨大で強大な魔力は、もはや途絶えている。
自らの手で、その根源を解放したということを、ここまで来ても認識していないので、アルディーンが嘲笑いながら現実を突き付ける。




