064★パーティー会場にて・茶番は続く〔sideレギオン〕
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
|伯母上《皇太后陛下セレナーデ様》が書いて送って来た最後の手紙の内容が、私にもう無用な我慢をしなくて良いと教えてくれる。
どうせ捨てる祖国だ、ぶん殴ってやるっ。
シルビアーナを貶めるルドルフ皇太子は最低5発だな。
いや、まて、あの貧弱者に5発も持つか?
ろくに鍛錬をしていないと報告が来ていたぞ。
私のシルビアーナが、あのような惨めな姿になってしまったのは、貴様がろくな魔力も持たずに生まれたセイだろうがっ。
本当のシルビアーナは美しく可愛い子なのだぞっ。
もう、ぶち殺してやるっ。
私の中の何処かで、ブチッという何かが千切れる音が響いた瞬間に、怒りが沸騰して、爆発的に魔力が高まった。
その次の瞬間には、宮廷魔術達が張った魔法障壁を、あっさりと砕いていた。
ガッ……ビシビシッ……シャーンッ
それなりの魔力持ちならば、魔法障壁が破壊された音に気付くはずなのだ。
だが、どうやら脳内お花畑なルドルフ皇太子とその取り巻きは、自分達の断罪劇に酔っていて気付かないらしい。
パーティー会場にいた大半は、魔法障壁が破壊された音に振り返っているというのにな。
お陰で、警備をしていた近衛騎士達がワラワラと集まってきやがる。
同じ魔法障壁の中に居た賓客や公爵や侯爵が真っ青になって、私から後退る。
私から立ち昇る憤怒の高魔力であてられて、貴婦人とか呼ばれるスズメどもが頽れるが、知ったことかっ。
私が一歩を踏み出すと、魔法障壁の外で会談していた招待客達が我先にと逃げる。
その代わりに、ワラワラと近衛騎士が湧いてくる。
ったく、魔法障壁は破壊したが、シルビアーナがいる場所に向かうには、近衛騎士が多すぎて邪魔だな。
なんで、こんなに居るんだっ。
まだ、ブランデル皇帝もアデリーヌ皇妃も来ていないつぅーのにっ。
ルドルフ皇太子に、そんなに付けていたのか?
だったら、シルビアーナに対する仕打ちを止めろよっ。
ああ、腹か煮え繰り返るわっ。
クソッ…邪魔だっ…退けっ……ええい、退かんかっ。
招待客がパニックを起こすと面倒だから、進路を塞ぐ者達を鞘で殴るしかなではないか。
はぁ~……ったく、なんて、面倒なのだ。
あの馬鹿は、どうしてパーティー会場の中央から、皇族の出入り口を兼ねた階段付近に移動して、あのような茶番劇を始めるんだ。
こっちは、会場中央付近の廊下側の壁付近に居たっていうのに………。
あのままパーティー会場の中央に居てくれれば、すぐにシルビアーナを助け出せたというのに。
だいたい何の証拠も出さずに、あの馬鹿は近衛騎士団長の息子に、シルビアーナを捕まえさせようとする。
皇太后陛下セレナーデ様の付けた従者は、邪魔だと蹴られて飛んでしまった。
くそっ………あんなに、弱いとは思わなかったんだろうなぁ~………。
だが、許せんのは、近衛騎士団長の息子だ。
私のシルビアーナの両手を握り、その背中に足をかけるなぞ、万死に値する。
だが、あの脳内お花畑な馬鹿者は、本当に大馬鹿者たったようだな。
幸いなことに、あの呪具のことを、聞かされていなかったようだ。
私とシルビアーナにとっては、とんでみない僥倖だな。
くっくくくく………あの馬鹿者が、自らシルビアーナの呪具を外してくれるとはな。
どうやら、自分がシルビアーナの魔力で体裁を整えられているというコトを教えられていなかったようだ。
ああ、本当に良かった。
魔力譲渡されている、対の腕輪を持つ者が外すのが一番シルビアーナに負担が無いからな。
後は、あの子を我が手に取り戻すだけ………。
シルビアーナに着けられた呪具さえなければ、もう、なんの遠慮も用もないわっ。
はぁ~……でも、このうざっと居る招待客と、近衛騎士達が邪魔だっ………。
私のシルビアーナの元に行くのを邪魔する障害物どもめ………。
そう思いながら、私は目の前を遮る者達を薙ぎ払いながら、愛しい娘のもとへと一心に向かう。
遅々として進まない中、シルビアーナは近衛団長の息子の息子に突き飛ばされていた。
おのれっ…絶対に、許すものかっ………私の娘に………。
近衛騎士団長の息子の所業に、怒り心頭になりつつも招待客や近衛騎士達を薙ぎ倒しながら、急いでシルビアーナを確保しようとあがく。
そんなあと少しで手か届くというところまで来た私の眼前で、床に幾何学模様の魔法陣が展開されていた。
その魔法陣を見た瞬間、私は焦った。
それが、良くないモノだと瞬時に理解ったから………。
娼婦に溺れた青二才どもの所業が、帝国を揺るがすモノであると知った貴族達は、その瞬間、顔色を悪くさせたが………。
勿論、私の邪魔をことごとくしていた忌々しい侍従長も、顔色を悪くして驚きの声を上げる。
「…えっ? なにを………」
「今頃驚いたとて遅いわっ……貴様が邪魔しなければっ……何処へとも判明らない転移などで跳ばされなかったものをっ…」
そう愛しい私の娘は、この私の手が届く前に、魔法陣の光りに包まれて、その場から消失してしまったのだった。




