061★皇太后セレナーデ・ハイオシスからの手紙 1通目 〔sideレギオン〕
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
『カイドール侯爵レギオン殿へ
シルビアーナの皇妃教育は、皇太后たるこの私セレナーデが、愛情と責任を持って養育しますコトを誓います。
また、シルビアーナの身の安全も、必ず確保します。
本来の領地を離れ、魔の森と接する辺境に移動させられるという苦渋を吞んでくれたことを感謝します。
本来は、その地を守る者達すら奪われ、基礎の基礎から、警備体制を構築する苦労をさせる、我が息子の不心得と不徳を、母として、そなたの義伯母として、書面にて謝罪します。
夫たる皇帝陛下・アレクサンデル様を失った私には、もはや息子のブランデルを抑える力はありませんでした。
ですから、貴方の信頼する乳母とシルビアーナの乳兄弟を帰します。
シルビアーナ自身の人質とされないように………。
独りになってしまうシルビアーナを哀れとは思いますが、私以外の人間がシルビアーナに愛情を与えるコトを禁じておきます。
シルビアーナに、この魑魅魍魎が跋扈する宮廷内で、心許せる存在を、私以外に作らせません。
また、私は心を魔物にし、シルビアーナに優しく甘い言葉と行動をとる者達を、排除します。
シルビアーナが、甘言に誘われて、攫われたりしないように………。
だから、貴方達の手紙も贈り物も、私は、受け取らないことを、ここに宣言します。
それは、貴方達からの贈り物と偽って送られるだろう、毒薬や呪い、呪具などの危険な術や物を、シルビアーナが受け取ってしまわないようにするためです。
レギオン、私は、娘をブランデルに奪われた貴方に酷いことを言っていると判っていますが、あえてそうします。
全ては、貴方達カイドール侯爵家がシルビアーナを切り捨てたと、ブランデルに思わせるためです。
それと、次に子ができても決して表に出さないようにしなさい。
特に男の子なら、暗殺者が送られるでしょう。
また、女の子なら、奪って政略結婚のコマとするでしょう。
これから先、ブランデルには子は生まれません。
私が、ブランデルに高熱を一週間ほど発する薬を飲ませました。
高熱を発する流行り病が、帝都で発生していたのは僥倖でした。
貴方も知っている宮廷医師のヒポクラティスの診たてでも、もう子供は望めないと宣言されました。
勿論、本人にも、皇妃や側室、愛妾達にも、子種が消えたことは伝えていません。
側室である、グレイスの生んだ皇子が、最後の子です。
皇室としては、皇位継承権の有る皇子は、皇太子とスペアの皇子がいれば十分です。
それでも、駄目だったら、レギオン、貴方か貴方の子供に、皇位継承権を与えれば良いだけのことです。
貴方やディアーナ、シルビアーナに対するブランデルの罪に、私なりの罰を与えました。
だからと言って、ブランデルの暴挙の罪を、すべて謝罪したことにはなりませんが………。
皇太子が、皇太子としての自覚と能力を持ち、シルビアーナを大切に皇太子妃となすならば、あの呪具の秘密を、私が本人に伝えます。
ですが、ルドルフ皇太子があのまま馬鹿だったのなら、呪具の秘密を伝えないように画策します。
そうすれば、軽率で馬鹿なルドルフ皇太子は、シルビアーナ以外の見た目だけの娘を選ぶでしょう。
そして、ブランデルのが嵌めた皇太子妃を象徴する装身具の形をした呪具を勝手に外すという行動をとるでしょう。
まず間違いなく、シルビアーナが呪具を嵌められた理由を知らなければ、婚約破棄をするでしょう。
馬鹿は馬鹿なりに考えて、皇太子は父であるブランデルが、側にいない時に、そういうことをするでしょうからね。
だから、その時に、シルビアーナを取り戻せるように、魔の森の魔物達と戦い、魔力と力を高めなさい。
力を付けなさい、レギオン。
貴方の信頼できる部下達と共に。
そして、我がハイオシス皇家の血筋の者としての………いいえ、カイドール侯爵家としてのプライドを捨てて、ソレント王国とアルビナ帝国に助力を頼みなさい。
シルビアーナに着けられた呪具をはずすという、繊細な作業は、レギオン貴方には無理だから………。
願わくば、ルドルフ皇太子がシルビアーナを愛して、国を割らないようにと………ただただ願うだけです。
慈悲深き地母神ガイアーナに、これから毎日私は祈ります。
未来は決まっていないのだから、時を有効に使ってください。
民を、国を、皇家を守る剣、カイドール侯爵家の主たるレギオンを信じています。
セレナーデ・ハイオシス』
その手紙で私は、自分が背負っている義務と責任の重さを実感する。
本来、カイドール家は侯爵家である。
私自身も、皇家の血筋を色濃く引いている。
ブランデル皇帝がシルビアーナを攫い人質にして、帝国の北部へと領地替えを強行した時に、カイドール家を辺境伯へと貶めた。
ただ、辺境伯と侯爵は、地位や権力という意味である意味とんとんなので、多くの高位貴族達はブランデル皇帝がしたことに不服があっても、騒ぐことができなかった。
そんな中、ブランデル皇帝が我がカイドール侯爵家を、カイドール辺境伯と呼ぶために、辺境伯が定着してしまった。
だから、年若い貴族達の中には、その真実を知らずにいる者がいる。
また、我がカイドール侯爵家を疎ましく思っていた公爵家や侯爵家の者達が、ブランデル皇帝の言動と行いに迎合したセイもある。
そんな輩が多数いる、この国を守る気はとうに失せた。




