060★パーティー会場にて・レギオンの回想4 〔sideレギオン〕
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
なんにしても、我がカイドール一族は十年以上、総領姫シルビアーナを奪われ、強制的に領地替えされたことを耐え忍んだ。
もはやこの国や皇家には、既に義理は果たした。
今度は、私と娘シルビアーナの貸しを回収させてもらうぞ。
さて、あの馬鹿はどんな風に行動するのか?
そして、その時のブランデル皇帝とアデリーヌ皇妃は、果たしてどんな行動をとるのか?
クックククク………楽しみだな。
待っていろディアーナ、君の嘆きは、私が晴らす。
ラインハルト、お前とシルビアーナを逢わせてやろう。
いっそ、あの馬鹿とブランデル皇帝を去勢してやろうか……。
クスクス………私達が我慢するのもここまでだ。
私の護衛兵達の剣は、すべてミスリル銀製で、それぞれの属性に合わせた魔法をエンチャントしておいた。
魔力切れを考えずに戦えるように、回復の腕輪も各自5本ほど腕に嵌めている。
一定以上戦って、シルビアーナを手にしたとき、私が『転移しろ』と命令すれば、彼等はあの場所に転移するように、転移のピアスも着けている。
準備は万端だ。
さて、あの馬鹿どもは、いったいどんな茶番を起こしてくれるのかな?
まずは、我がカイドール一族の総領姫である、私のシルビアーナを見付けてやらねばな。
魔法障壁の内側もそれなりの広さがあるので、私は動ける範囲の中でパーティー会場内を、シルビアーナの姿を求めて見て回る。
すると、ちょうど視線の先にその求めていた姿を見付ける。
生来の色を失った灰色の髪のふくよかな少女が、パートナー役の従者と共に、パーティー会場内に入ってきたところだった。
その姿にとうとう婚約者であるシルビアーナを、あの馬鹿なルドルフ皇太子はエスコートすることすらしなくなったかと思った。
ああ……そう言えば、すっかり忘れていたが、腕に娼婦のような小娘を抱いて、パーティー会場の中央付近に居たな。
将来有望な………と言われている青年達を誑かして、自分の周りに侍らせている小娘を見て、私は嗤う。
何故なら、間違いなく、今日、あの脳内お花畑な馬鹿は、婚約破棄を宣言するだろう、と思い、私は一瞬だが、暗く嗤ってしまった。
もうすぐ、シルビアーナを取り返せると、確信したからだ。
誑かされた者達の命運がどうなろうと知ったことではない。
そんな瑣末なことよりも、やっと見付けた愛しい娘の姿に、私は詰めていた息をそっと吐き出した。
良かった………ちゃんとこのバーティー会場に来てくれたか。
父親である私が来たから、理由を付けてパーティー会場には来させない可能性もあったが、杞憂だったか。
だが忌々しいな、馬鹿の瞳の色(青)である、極上のサファイアを嵌めたサークレットとチョーカーとブレスレットを、合いも変わらず着けさせられている。
嗚呼、可哀想な私のシルビアーナ。
愛しき我が娘よ、その呪具を着けていなければ、月の光を集めたような銀髪と、けぶるような紫の瞳をしていたものを………。
今は、ふくよかになって、目鼻立ちもはっきりとしていないが、本来なら月の女神の化身と謳われたディアーナと同じように、美しい容姿をしていたものを………。
愛らしい幼子の時代も花の蕾みが綻ぶような少女時代も、あの忌まわしい呪具のセイで、人に嘲笑われるような容姿で過ごすしか無かった、お前が不憫でならない。
皇族や王族、上位貴族の血を引く者達は、その血ゆえに美しいものなのに………。
シルビアーナは、生来の姿と色を封じられ、偽りの姿になっているために、お前の魂はその違和感で苦しんでいる。
その結果が、そのふくよか過ぎる姿なのだ。
私達の元に取り戻したなら、本来の色と姿と魔力を取り戻し、おしゃれを楽しむ普通の少女として………。
家族と一緒に過ごす、心穏やかな生活をお前に与えよう。
お前に求婚者が群がるのは業腹だが、その群れを視線ひとつで操る姿を見てみたいとも思う。
親の愛情と庇護を受けることができずに、お前が心の中に育ててしまった寂しい思い、切ない思い、悲しい思い、悔しい思いを晴らしてやりたい。
呪具に、感情の大半を封じられ、色々な感情を口にすることもできなくなっているお前に、笑い泣く自由を取り戻してやりたい。
何よりも、シルビアーナ、我が愛しき娘よ、お前をこの腕に抱きしめたい。
お前の母であるディアーナと、弟であるラインハルトと一緒に………。
今は、亡き母と父も、お前を抱きしめたかったと言って、逝ってしまったことを伝えたい。
お前は、祖父母達にも愛されていたんだと………。
シルビアーナに、皇太子妃としての教育を与えると言っておきながら、蓋を開けてみるれば、皇妃アデリーヌは何の世話もしていない。
それどころか、退屈しのぎや気紛れで、シルビアーナをイジメていたというコトを、私は知っている。
どこまで、シルビアーナを蔑ろにすれば気が済むのだ。
それでも、昨年に亡くなった皇太后陛下セレナーデ様が、お前を皇太后宮に引き取り、皇妃教育を与えてくれていただけマシだったと思うしかないのだろうな。
私達が付けていた乳母は、戻されてしまったが………。
その手に、こっそりと貴女の手紙を持って、一族に戻ってきたから………。
私は、その手紙の内容を思い出す。
悔しい時、哀しい時、心折れそうな時、何度も読み返しただけに、暗記してしまった手紙の内容を………。




