059★パーティー会場にて・レギオンの回想3〔sideレギオン〕
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
パーティー会場に入りシルビアーナがルドルフ皇太子にエスコートされていないことを確認し、私は姿が見えない愛娘の居場所を探そうと歩き始めた。
そんな私に、目敏く忌々しい侍従長が声をかけてきた。
「カイドール辺境伯、遠方よりよくお越しくださいました。皆さまがいらっしゃる場所へとご案内いたします」
チッ…また、コイツか………カイドール家は辺境伯などではなく、侯爵なのだがな。
毎度毎度、慇懃無礼な態度で気に障るヤツだ。
ブランデル皇帝の私達への扱いと態度のセイで、こんな小者にまで軽んじられることになってしまった。
シルビアーナさえ取り戻せば、さっさと捨てられると言うのに、名目上はルドルフ皇太子の婚約者だが、実際には私達カイドール一族に対する人質ではないか。
その証拠に、シルビアーナは呪具を嵌められた上に、ずっと冷遇されたままだ。
そして、こういう滅多にない機会でさえ、シルビアーナと直接会話できないように、私を魔法障壁が張られた場所に案内するのだ。
形式上、断る訳にもいかず、魔法障壁が張られた場所に行くしかないではないか。
まったく、コイツは皇家主催のパーティーで、私を見付けると必ず、魔法障壁の張られた一画へと私を案内する。
その場所には、各国の大使と貴族、たまに王族なども居た。
要するに重要人物を守るために、特別に警備を厚くした場所だったりする。
だが、それは、表向きの話しで、皇族の血を引く私の謀反を警戒して、この場所に封じているのだ。
ようするに、ブランデル皇帝のしていることが、それだけ不当なことであり、我がカイドール一族が何時その牙を剥いてもおかしくないと思っていると言うことだ。
そう思うなら、もっと私の可愛いシルビアーナを大切に扱わんかっ。
お前達が、私達の可愛いシルビアーナにしていることは知っているぞ。
必ず、その報いは受けてもらうからな。
内心でハラワタが煮え繰り返るのをグッと抑えて、私は生意気な侍従長の案内のもと、、魔法障壁の張られた一画へと入った。
フンッ……この程度の魔法障壁など、既に私には何の意味も無いのだがな。
私の【雷獣牙】の一振りで砕くことができる。
私の魔力は、皇帝ブランデルと元クリスタリア王国第1王女である皇妃アデリーヌの2人を合わせた魔力に、宮廷魔術師長レアンドルの魔力を合わせたよりも多くなっている。
あの魔獣が跋扈する辺境で魔力枯渇を起こしては、魔力回復薬エリクシルをガブ飲みして、魔物や魔獣、魔昆虫や魔樹などと戦って得た魔力だ。
それでも、シルビアーナの持って生まれた魔力量よりはかなり落ちるがな。
本当に、シルビアーナの魔力量が膨大だと判明った時点で、もっと警戒するべきだった。
今更そんなコトを言っても詮無いことだと理解っては居るが、返す返すも当時の私は間抜けだった。
いや、アレクサンデル皇帝陛下がお亡くなりにならなければ、こんなことにはならなかっただろう。
正道を歩んでこられたアレクサンデル皇帝陛下は、とても心優しく聡明で、曲がったことが嫌いな方だった。
先代皇帝陛下のアレクサンデル様の死だとて、ブランデル皇帝がその地位を簒奪するために、暗殺したのだろう。
私は、そう疑っている。
あまりにも全ての事柄のタイミングが良すぎたからな。
そんなに、最高権力が欲しかったのか、ブランデル皇帝よ。
常に正しき道を選択する父親がそんなに疎ましかったか?
自分の父親を暗殺するほどに………。
お前の人道を外した行いが、私の魔力を高め、小さな牙を大牙へと磨き上げたのだぞ。
迅雷のレギオンと謳われた剣の腕はより鋭さを増している。
ふふふふ………このパーティー会場に居る近衛騎士を全て屠ってでも、我が愛しき娘シルビアーナ、お前を絶対に取り戻す。
もはや、この国に未練も何も無い。
私の行動が原因で、滅ぶなら、それも良いだろう。
それが、皇帝ブランデルと皇妃アデリーヌが我等がカイドール一族にした仕打に対する結果なのだから………。
もはや民の嘆きなど知るものか。
愛しい娘を奪われた、私達の嘆きを知らないのだから………。
見て見ぬふりをした、公爵家や侯爵家を含めた貴族がどうなろうと知ったことではないわ。
ブランデル皇帝やアデリーヌ皇妃を諫めることもせず、ルドルフ皇太子を放任した報いを受けるがよい。
それに、北の魔物の群れを押し返し、以前の直轄領よりも魔の森を押し返したのだから、その分の恩恵を彼らは受けていたのだから。
私達カイドール一族が、領地替えを受け入れてから、魔物の被害はほとんど無くなっていたはずだからな。
だというのに、私達カイドール一族の総領姫であるシルビアーナを、この国の貴族共は一切大事にしなかった。
それどころか、ろくな魔力も才能も持たずに誕生したルドルフ皇太子の魔力の底上げをするために、シルビアーナにおぞましい呪具を着けさせて、その魔力を好き勝手に奪って使用させていた。
それに加担しただろう宮廷魔術師長レアンドル、覚悟しておけよ、シルビアーナが味わった辛苦以上の苦しみを味じあわせてやるからな。
嗚呼、なんとおぞましい奴等だ。
ブランデル皇帝は、到底、あの心優しく常に正しき道を歩いていた、先代皇帝陛下アレクサンデル様と皇太后セレナーデ様の御子とは思えぬわ。




