056★私の時間感覚と実際の時間経過はかなり違うようです
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
不安を覚えて言えば、コウちゃんはケロッと言う。
『ママぁ……まだ、ここに来てから、前世の時間でせいぜいが40分ちょっとくらいだよ。どんなに多く見積もっても、まだ1時間も経過していないよ』
「えっ?」
驚きの声を上げた私に、ガッちゃんが言う。
『主さまをこちらに転移させた者は、主さまを確実に亡き者にするために、本当にこの地下迷宮の深淵部に送ったようですね。時間経過は、その地点から左の部屋に入るまでの時間が大半です』
えっとぉ~……あの難攻不落の深淵の絶望ダンジョンの【狂いし神子の討伐】の攻略のための正規ルートと思わされていた、偽ルートから左の安全部屋まで歩いていた時間がほとんどなの?
って、あれ? だったら、あの安全地帯となっている部屋の時間経過って、どうなっているの?
聞いてみようかな?
「コウちゃん、あの左右の部屋って時間経過どうなっているの?」
私の問いかけに、コウちゃんが笑って言う。
『左の部屋が、通常時間の百倍ぐらい遅い部屋で、右の部屋が百倍早いんだよ。両方の部屋に入って中を確認するだけだったら、だいたい経過時間はトントンになるように設定されているよ。もっともどちらかしか扉は開かないようになっているけどね。安全部屋で休憩すると、攻略時間が変化するようになっているんだよ。……でもってママは、右の部屋にきちんと入ってないから……攻略時間が短くなっているね。ちなみに強欲の回廊は左右ともに時間停止しているからね』
額の魔石で外の様子を視ていたらしいガッちゃんが、その後を続ける。
『本来は入った部屋によって時間経過が変化しますが、主さまは右の部屋にはほとんど滞在しておりませんので、左の部屋に入るまでの時間に、ほんの十数分を追加した程度の時間しか経過しておりません………』
『ちなみに右側の百倍時間の経過が早い部屋の方が、生命力をより搾取するシステムとなっています。疲労や魔力などは回復されますが、対価に生命力が搾り取られて、本来のスペックにデバフが架されるようになっています』
はぁぁぁ~………うっそぉぉぉ~………そんなのってありぃ~っ。
私、よく右側の安全部屋を使用していたわよっ。
バフではなく、デバフがかかったまま、幻影のラスボスと戦闘って………。
2人に言われた事実を苦い思いで飲み下し、意識を無理矢理に切り替える。 そういえば、左右の強欲の回廊は時空間が停止した空間だってコウちゃんが言っていたわね。
ってことは、思っている以上に時間経過はしていないってことなのね。
「そっか…そんなに時間は経ってないんだ」
そう呟きながら、私はお父様が、あのお花畑でお馬鹿なルドルフ皇太子に、婚約破棄された挙句に、未来の宮廷魔術師長間違いなしと言われている、あの美少年のコリウスに転移されたのを見ていたことに気付いた。
えっ? あのパーティー会場にお父様が居たってこと?
意識を制御されていたセイで、気付くことができなかったわ。
『主さま? その声を送って来る者の姿を映しましょうか?』
その言葉に、私はびっくりして聞く。
「えっ? そんなことできるのガッちゃん?」
私の言葉に、コウちゃんは、アッなるほどという顔をする。
『ママ…左手首のインベントリの中に、ガッちゃんと共鳴する水晶球があるんだ』
「へっ…そうなの? どれかしら?」
そう呟きながら、私はコウちゃんが言った水晶球なるモノを意識しながら、左手首の腕輪に嵌まる魔晶石を見る。
と、コウちゃんが爪先でチョイッと魔晶石を触った。
その瞬間、コロンッと指輪が掌の中に落ちて来る。
えっ? これぇ? いや、たしかに小さい水晶球は付いているけど…………。
コレが何の役に立つの?
疑問顔の私に、ガッちゃんがストンッと目の前の床に降り立ち言う。
『主さま、その水晶珠を僕の額の魔石に触れさせてください』
私は言われた通りに、ガッちゃんの額を飾る大きな魔石に、指輪の水晶珠をちょんっと当てる。
『ママ…そしたら、指輪をガッちゃんの前に置いて、5歩ぐらい後ろに退った方が良いよ。いや、今のママの歩幅だと、もう少し後ろに退らないと危ないかな?』
コウちゃんがそう助言してくれたので、私は言われたとおりに、床に置いた指輪からかなり退った。
と、指輪に付いていた水晶球がスゥーっと大きくなった。
指輪に付いていた1センチ程度の水晶珠は、前世の感覚で言うところの、直径3メートルはあろうかという水晶球に変化していた。
『では、主さまに思念を送って来た者を周辺の背景ごと映しますね』
そう言って、ガッちゃんが水晶球に両手を当てた。




