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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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56/148

056★私の時間感覚と実際の時間経過はかなり違うようです


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 不安を(おぼ)えて言えば、コウちゃんはケロッと言う。


『ママぁ……まだ、ここに来てから、前世の時間でせいぜいが40分ちょっとくらいだよ。どんなに多く見積(みつ)もっても、まだ1時間も経過(けいか)していないよ』


「えっ?」


 驚きの声を上げた私に、ガッちゃんが言う。


(あるじ)さまをこちらに転移させた者は、(あるじ)さまを確実に()き者にするために、本当にこの地下迷宮の深淵部(しんえんぶ)に送ったようですね。時間経過(じかんけいか)は、その地点から左の部屋に入るまでの時間が大半です』


 えっとぉ~……あの難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョンの【狂いし神子の討伐(とうばつ)】の攻略のための正規ルートと思わされていた、(にせ)ルートから左の安全部屋まで歩いていた時間がほとんどなの?

 って、あれ? だったら、あの安全地帯となっている部屋の時間経過(じかんけいか)って、どうなっているの?

 聞いてみようかな?


「コウちゃん、あの左右の部屋って時間経過(じかんけいか)どうなっているの?」


 私の問いかけに、コウちゃんが笑って言う。


『左の部屋が、通常時間の百倍ぐらい遅い部屋で、右の部屋が百倍早いんだよ。両方の部屋に入って中を確認するだけだったら、だいたい経過時間(けいかじかん)はトントンになるように設定されているよ。もっともどちらかしか(とびら)は開かないようになっているけどね。安全部屋で休憩すると、攻略時間が変化するようになっているんだよ。……でもってママは、右の部屋にきちんと入ってないから……攻略時間が短くなっているね。ちなみに強欲(ごうよく)の回廊は左右ともに時間停止しているからね』


 (ひたい)の魔石で(そと)様子(ようす)()ていたらしいガッちゃんが、その後を続ける。


『本来は入った部屋によって時間経過(じかんけいか)が変化しますが、(あるじ)さまは右の部屋にはほとんど滞在(たいざい)しておりませんので、左の部屋に入るまでの時間に、ほんの十数分を追加した程度(ていど)の時間しか経過(けいか)しておりません………』


『ちなみに右側の百倍時間の経過(けいか)が早い部屋の方が、生命力をより搾取(さくしゅ)するシステムとなっています。疲労や魔力などは回復されますが、対価(たいか)に生命力が(しぼ)り取られて、本来のスペックにデバフが()されるようになっています』


 はぁぁぁ~………うっそぉぉぉ~………そんなのってありぃ~っ。

 私、よく右側の安全部屋を使用していたわよっ。

 バフではなく、デバフがかかったまま、幻影(げんえい)のラスボスと戦闘って………。


 2人に言われた事実を苦い思いで飲み下し、意識を無理矢理に切り替える。 そういえば、左右の強欲(ごうよく)の回廊は時空間が停止した空間だってコウちゃんが言っていたわね。

 ってことは、思っている以上に時間経過(じかんけいか)はしていないってことなのね。


「そっか…そんなに時間は()ってないんだ」


 そう(つぶや)きながら、私はお父様が、あのお花畑でお馬鹿なルドルフ皇太子に、婚約破棄された挙句(あげく)に、未来の宮廷魔術師長間違いなしと言われている、あの美少年のコリウスに転移されたのを見ていたことに気付いた。


 えっ? あのパーティー会場にお父様が居たってこと?

 意識を制御されていたセイで、気付くことができなかったわ。


(あるじ)さま? その声を送って来る者の姿を(うつ)しましょうか?』


 その言葉に、私はびっくりして聞く。


「えっ? そんなことできるのガッちゃん?」


 私の言葉に、コウちゃんは、アッなるほどという顔をする。


『ママ…左手首のインベントリの中に、ガッちゃんと共鳴する水晶球があるんだ』


「へっ…そうなの? どれかしら?」


 そう(つぶや)きながら、私はコウちゃんが言った水晶球なるモノを意識しながら、左手首の腕輪に()まる魔晶石を見る。

 と、コウちゃんが爪先(つめさき)でチョイッと魔晶石を(さわ)った。


 その瞬間、コロンッと指輪が(てまひら)の中に落ちて来る。


 えっ? これぇ? いや、たしかに小さい水晶球は付いているけど…………。

 コレが何の(やく)に立つの?


 疑問顔の私に、ガッちゃんがストンッと目の前の床に降り立ち言う。


(あるじ)さま、その水晶珠を僕の(ひたい)の魔石に()れさせてください』


 私は言われた通りに、ガッちゃんの(ひたい)(かざ)る大きな魔石に、指輪の水晶珠をちょんっと()てる。


『ママ…そしたら、指輪をガッちゃんの前に置いて、5歩ぐらい後ろに退(さが)った方が良いよ。いや、今のママの歩幅(ほはば)だと、もう少し後ろに退(さが)らないと危ないかな?』


 コウちゃんがそう助言してくれたので、私は言われたとおりに、床に置いた指輪からかなり退(さが)った。

 と、指輪に付いていた水晶球がスゥーっと大きくなった。


 指輪に付いていた1センチ程度の水晶珠は、前世の感覚で言うところの、直径3メートルはあろうかという水晶球に変化していた。


『では、(あるじ)さまに思念(しねん)(おく)って来た者を周辺(しゅうへん)背景(はいけい)ごと(うつ)しますね』


 そう言って、ガッちゃんが水晶球に両手を()てた。




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