046★紅輝獣(カーバンクル)にお名前が付きました
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
小さくなった紅輝獣を左の掌の上に移した途端に、今の今までクッタリとしていた紅輝獣が、もそりと蠢く。
えっ? もしかして、仮死状態から自力で覚醒めるの?
右の腕輪に収納しようとした動作を止め、私は左手の掌の上に乗せた紅輝獣を黙って見守る。
う~ん…なるほど……この子(紅輝獣)ってば、他の子達よりも生命力が強いようね。
だから、広範囲の大規模な認識阻害のシステムの一部に組み込まれていたのね。
私が見守る視線の先で、紅輝獣は更にそもそっとちょっと身動きしてから、小さな3対の翼をプルプルと震わせ、クッタリとへちゃぶれていた身体をゆっくりと起こす。
完全に身体を起こし、ちょこんとお座りして、軽く頭を振り、閉じられている瞼をピクピクさせた後、前足で顔をコシコシして目をパチパチさせる。
あらあら………可愛いわぁ~……本物のウサギさんみたいねぇ~……。
顔はウサギとフェネックの中間で少し丸くもっちりしているのね。
ウサギと大きく違うのは、フェネックのような長いもふもふなお尻尾かしらねぇ。
ふふふふ………フェネック☓ロップイヤーって感じだから、差し詰めフェネップとでも呼べば良いのかしらね。
前世の世界には存在しない、ファンタジー系のゲームとかにしか存在だものねぇ~……紅輝獣って。
そんな私の視線の先で、小さくなってしまった紅輝獣は、まるで本物のロップイヤーのように、大きく長いテロンとした耳をコシコシとグルーミングし始める。
勿論、本物のフェネックよりも長くもふもふなお尻尾の乱れた柔らかそうな長毛を整えだす。
たぶんに、仮死状態から自力救済したことで、無意識の条件反射で身繕いをしているのだろう。
そんな紅輝獣の自然体な姿を、私は思わずマジマジと見詰めてしまっていた。
紅輝獣が《封印》されていた結晶体を破壊す時に、腕の中から肩へと乗り移っていたコウちゃんが、小さく舌打ちする。
あぁ~……もう…コウちゃんてば、ヤキモチを妬いているみたいね。
今までの子達は仮死状態で意識が無かったから、そこまで強い反応しなかったけど………。
などと考えている間に、左の掌の上では身繕いをすませた紅輝獣が、ちょこなんと姿勢正しくお座りし、私を見上げる。
『タスケテ…イタダキ…アリガトウ…ゴザイマス………』
最初の時のコウちゃんよりはかなり流暢な念話を受け取り、私はびっくりする。
あら……《封印》から解放したばかりなのに、随分と意識ははっきりしているようね。
ある意味で、コウちゃんと一緒で、自我がしっかりあるのね。
「えぇーと…意識と身体は大丈夫かしら? なんか、かなり縮んだようだけど………」
ちょっと困ったようなニュアンスで聞けば、紅輝獣ははっきりとした念話を送って来る。
『ダイジョウブ…デス……イシキ…ヲ………タモツ…タメ…カラダヲ…チイサク…シタ…ダケデスカラ………ブシツケニ…ナリマスガ…ワタシノ…アルジニ…ナッテ…イタダケマセンカ…ソウシナイト……コノだんじょんカラ…デラレナイ…ノデ』
その言葉として普通に聞こえるような強くしっかりとした念話に、私はクスッと笑ってしまう。
なんだろう、この子(紅輝獣)ってば、鬼畜眼鏡の腹黒さんぽいわね。
もし、人形をとったら、そういう感じよねぇ………。
ふむ、コウちゃんは王道の王子様の姿かしらね。
などと思いながら、私は頷く。
「いいわよぉ~………となると、お名前を与えれば良いのかしら? それとも、血の契約? どういう契約でする?」
私の言葉に、フェネップ(私命名の新品種〔笑〕)にタテガミと長いもふもふお尻尾を持つ紅輝獣は小首を傾げてから答えた。
『…デワ……名ヲ…クダサイ……』
私は頷いて、目の前の紅輝獣の子に似合いそうな名前を考える。
えーとぉ……どんなのが良いかしらねぇ?
呼びやすい名前が良いわよねぇ~………。
ありがちな名前で、まさかそれが【真名】っていうのが良さそうよね。
紅輝獣って額に宝石が嵌まっているから……。
ふむ、ありきたりっぽいけど、私が知っている宝石の名前をあげてみようかしら?
「貴方の額の宝石は赤いから………いくつかそれで見繕うわね。
まずは【真名】ね。どれが、良いかしら?
金紅石のルチルに血玉髄のブラッドストーン。
紅玉髄のカーネリアンに紅水晶のローズクォーツ。
あとは、紅玉のルビーに柘榴石のガーネットかしらねぇ。
私が知っている赤系の宝石の名前って、こんなところかしらね? どれが良いかしら? 私としては、柘榴石ガーネットなんかが良いかなぁ~なんて思うんだけど?」
私の言葉を黙って聞いていた紅輝獣は、コクリっと頷いて答える。
『では、柘榴石のガーネットで………』
私から【真名】を受け取ったことで、不安定だった存在が安定したらしく、念話がよりはっきりした感じで私に届く。
「それじゃ、柘榴石から取って【真名】を柘榴としましょうか。でも、それは【真名】として隠すお名前よ。普段は、ガーネットから取って……ガーくん……いや、ガッちゃんかしら………」
左の掌の上で3対の翼をあまりにも嬉しそうにパタパタさせるので、つい何でも食べる某アニメのガッちゃんが浮かんでしまい、私は無意識に笑ってしまった。




