045★紅輝獣(カーバンクル)を《封印》から解放できました
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
「それにしても、こんな丸見えで設置しているなんて予想外だわ」
私の言葉に、コウちゃんがやっと最後の子を見付けた嬉しさから、もふもふの長い尻尾をファサファサと無意識に振りながら言う。
『それは違うよぉ~ママぁ……』
「えっ? 違うの? こんなに露骨に丸見えだけど?」
『…ママぁ……ソコから、もう間違いなんだよぉ』
「なにが間違いなの?」
コウちゃんの言葉に、私は無意識に小首を傾げる。
『あのね……ここにはね。認識阻害が張り巡らされているの。ママはソレに騙されなかったから、丸見えって思っているの』
「そうなの?」
『うん……此処わねぇ………』
ご機嫌でコウちゃんは、このどう考えても裏側としか思えないような正規ルートの説明をしてくれた。
コウちゃんに言わせると、左右両方の腕輪を身に着けている上に、私自身が身に着けているティアラとピアスもあって、奇跡的なほど様々な効果が相殺されたお陰で騙されなかったらしい。
私には、そのまま《封印》の結晶体が見えているけど、普通なら何にもない行き止まりの壁に見えるとのことだった。
そして、やはり私が推察どおり、壁に埋めることによって、紅輝獣が持つ特殊能力(補助魔法や防護魔法など)を引き出し、大規模な認識阻害を発動させているらしい。
更にコウちゃんの見解も私と一緒で、あの右側の強欲の回廊に存在しなかった紅輝獣は、次へのステップを邪魔する為に、この場所に設置したのではないかということだった。
私もそれが1番正しいのではないかと思い頷く。
精神的な疲労感と、ずっと無意識に周囲を探索していたことで減った魔力を戻すために、私は壺のお水をコクコクと飲む。
スゥーとお水と共に魔力などが身体に浸透し、フワッと全身が暖かいモノに包まれる。
「ヨシッ………全回復っ………そんじゃ…最後の子を解放しますか」
魔力が完全回復したのを感じた私は、紅輝獣を《封印》から無理やり解放することにした。
水晶だかガラスだか不明な菱形の立方体に両方の掌をピッタリと着けて、ありったけの魔力を注ぎ込む。
勿論、魔力枯渇を起こすギリギリまで魔力を注ぎ込んだ………が。
今まで《封印》よりかなり強固で、なかなか破壊れる気配が来ない。
ぐっ…もう……ダメッ……クッ…なんで破壊せないのよぉ~……。
もしかして、注ぎ込む魔力が足りていないってことぉ?
見かけは同一のモノに見えるけど、他の子の《封印》の数倍、下手したら数十倍、強固な結晶体ってコト?
だから、異空間にある【虚牢】に【秘匿封印】しないで此処に埋めたのね。
誰にも《封印》が解放されない自信があったから、隠さなかったってコト?
ムカつくわっ……ぜぇぇぇ~ったいに、解放してやるっ!
もっと…もっとよっ…最後まで………。
強固な結晶体を破壊すために、私は内包する魔力を思いっきり絞りだして力尽くで《封印》をこじ開ける。
私が湧きあがった憤りに任せて、魔力枯渇になるコトも構わず、ありったけ叩きつけるように注ぎ込んだ瞬間。
両方の掌をあてていた結晶体が音を響かせた。
ビシッ ピキッ ピシピシッ パキパキッ
音を立ててひび割れた次の瞬間、蜘蛛の巣のように幾筋もの白いひびが結晶体へと走る。
パッシャァーンッ
と、涼やかな音と共に砕け散った。
キラキラとした結晶体の成れの果ての粉末が辺りに舞う。
そんな中で、私は《封印》の結晶体から解放された紅輝獣を抱きとめていた。
うふふふ………最初にであったコウちゃんぐらいかしらねぇ。
やっぱり、この子も3対の翼があるのね。
定番の大きなお耳に、もっふもっふなタテガミ付き………。
「コウちゃん、これで全回収で良いのかな?」
私の確認に、コウちゃんはやれやれという表情を浮かべながら頷く。
『うん、これで……俺の………』
そう小さく何かを呟いたコウちゃんは、私以外の何かに心が囚われていたように感じた。
それは、コウちゃんの秘密に関係しているのかな?
どんな秘密を持っているかはわからないけど………。
まぁ、誰しも秘密の1つや2つはあるんだから気にしないことにしましょう。
何時かコウちゃんが話してくれたら良いなぁ………。
そんなコトを考えながら、私は抱きとめた紅輝獣の身体を確認するように撫でる。
良かったわぁ~……解放できて……魔力はほぼ空になっちゃってクラクラだけど、お水を飲めば回復できるからOKOKね。
大きさがかなり縮んでしまい、今は手のひらサイズの小型のウサギぐらいまで小さくなっていた。
うふっ………なんかこの子もモコモコしているし、耳も大きくて………。
そう、タテガミ付きのフェネックみたいね。
お耳の大きさや長さはロップイヤー以上にあるわねぇ。
いやぁぁぁ~ん……ものすごく可愛いわぁ~…。
コウちゃんの可愛さとは別種の可愛さね。
………でも水晶の中に居た時は、かなり大きく見えたのに、実際はこんなに小さいのねぇ。
もしかして、能力を引き出されていた分、余計に縮んじゃった………とか。
私は、掌サイズにまで縮んだ紅輝獣をマジマジと見てから、ひとつ溜め息を吐く。
「はぁ~……とりあえず、この子も右の腕輪の中で待って居てもらうしかないわね」
そう呟いて、右手首のインベントリにとりあえず収納しようと、左手の掌の上に移した。




