044★紅輝獣(カーバンクル)を見付けました
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
右の強欲の回廊を丹念に調べたが、どうしてもソレらしいモノが見付からず、私は困惑する。
これだけ探してもソレらしいモノが無いってことは、ここじゃ無い可能性も考えないといけないわね。
なんといっても、コウちゃんの言動から推測すると、この地下迷宮は、コウちゃん達と敵対している集団に、だいぶ弄られているみたいだし………。
難攻不落の深淵の絶望ダンジョンって言われるだけあるのよねぇ。
もしかしなくても、あのなんちゃって乙女ゲームのイベント【狂いし神子の討伐】よりも、更に難易度が跳ね上がっているのかもしれないわね。
はぁ~……本当に…この右の強欲の回廊に居ないっていうなら…あと考えられることと言ったら……別の場所しかないわね。
たぶん、紅輝獣は、特別な子ってことなんでしょうね。
右の強欲の回廊の部屋に隠されていなかったコトを考えると………。
紅輝獣は、別の場所へと移動させられていると仮定しても良いわね。
でもって、紅輝獣の特殊能力(補助魔法や防護魔法など)を活かした方向で《封印》されたまま、この地下迷宮の攻略防衛に利用されている可能性があるわね。
私が推察している間、コウちゃんはソワソワと周囲を伺い、無意識に耳をピクピクさせて必死に手がかりを探していた。
クスッ………新しい子(紅輝獣)が来るのが嫌っていうわりに、心配するコウちゃんて、本当に可愛いわ。
そう言えば、トラちゃんもそうだったわねぇ………。
前世の私が新しい子を家に連れて来ると、拗ねる癖に、最終的には面倒みていたもんねぇ………ああ、懐かしいわ。
「コウちゃん、コレだけ探しても紅輝獣を異空間にある【虚牢】に【秘匿封印】した部屋の扉が出現れないんだから、この右の強欲の回廊に居ない可能性もあるわ。ここは、とりあえず次のイベント攻略しに行きましょう」
『………ママぁ………』
私の言葉に、コウちゃんは未練タラタラで右の強欲の回廊を見回す。
そんなコウちゃんに提案する。
「とにかく先に進んでから、もう1度ここに返って来るという手もあるわよ。先のイベントを攻略しないと出現しないイベントっていうのも結構あるから………」
コウちゃんは私の説明を聞いて、前世でのさまざまなゲームやラノベの設定を思い出したらしく、やっと頷く。
『うん……たしかに…RPGで裏面とかあったもんね。表の攻略を全部すませて、1度エンディングに行ってからじゃないと、開かない扉とかお宝とかイベント………先に進むしかないね』
おお、流石に前世の私の魂に付いて回っただけあって、ゲームにも詳しいわねぇ………。
ただ、乙女ゲームの方が見事に思い出せないのよねぇ………そう、タイトルが………。
今のところ判っているのは、私、シルビアーナ・カイドールが、そのなんちゃって乙女ゲームで悪役令嬢の役を担当していたってことだけ………。
じゃなくて、今は先に進まないとね。
この先にあるイベントで出現れる可能性もあるしね。
気分的にはスッキリしないものの、この右の強欲の回廊に唯一出現れている、次のイベントへと続く扉に入ることにした。
扉を開けて入ると、其処は部屋では無かった。
私はすぐに足を進めず、一度立ち止まって、新しい回廊を落ち着いて観察する。
見た目は強欲の回廊とさほど変わらないわねぇ。
ただ少しだけ強欲の回廊の壁よりも、明るかった。
回廊には照明という器具が存在しないために、場所によって明るさが違うのだ。
「コウちゃん……その……なんか感じる? 厭な感じとか、妙に惹きつけられるとか、あるかしら?」
私の問いかけに、コウちゃんは忙しなく耳をピクピクさせ、ヒゲをヒクヒクさせてから首を振る。
『……うぅ~ん………何にも感じないよぉ………』
コウちゃんの反応と言葉に頷く。
「うん、私も特に何も感じないわね。んじゃ、とりあえず先に進みましょうか」
『……うん………アイツ……何処に居るんだろう?』
ポツリと心配そうに呟くコウちゃんを肩に乗せたまま、私はこの先が迷路になっていないことを願いつつ、無意識に左手を回廊の壁に触れさせながらゆっくりと足を進めた。
見付かっていない子が紅輝獣なので、視覚を特殊能力(補助魔法や防護魔法など)で誤魔化されないための予防である。
手の感覚まで誤魔化されちゃったら、もうどうしようもないけどね。
せめて左手側の壁だけは、触感で探索しながら進みましょう。
それでも、欲張って右手側の壁まで調べるのは自重した。
とにかく、私はゆっくりと周囲に微かな変化も無いことを確認しつつ、歩く。
回廊は、視覚的には只管に真っ直ぐだった。
嬉しいことに、迷路疑惑は杞憂で終わりました。
延々と黙々と歩き続けたたら、はい、探していた紅輝獣を《封印》している菱形の立方体を見付けました。
「良かったぁ~…居たわね…紅輝獣……これで最後…よね? にしても、良かったわぁ~迷路じゃなくて………」
コウちゃんも、ホッとしたように呟く。
『うん………良かったぁ~……これで…全員のはず……』
そう、紅輝獣を《封印》した立方体の菱形の水晶だかガラスだかが、堂々と回廊の行き止まりの壁に半分埋まって設置されておりました。
ようするに、この奥に続く道があるという証拠ですね。




