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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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043★まだ発見できていない子がいるようです


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 不安を覚えた私に、コウちゃんはケラケラと笑う。


『あはははは………そんなことぉ~………』


「そんなことって………私には切実に不安なんだけどぉ」


『だぁ~いじょうぶだよぉ~………ママは左右の腕輪の(あるじ)にちゃぁ~んと認められているから、ママの豊富(ほうふ)な魔力が循環(じゅんかん)しているから』


 その言葉に、ちょっと考え込む。

 そんな私に、コウちゃんはちゃんと私に理解(わか)りやすく説明してくれた。


 コウちゃんに言わせると、左右の腕輪の(あるじ)と認められている私が腕輪を()めているコトで、私の保有する魔力が自然に腕輪の中に流れるらしい。

 勿論(もちろん)私はこの地下迷宮の大気の中に滞留(たいりゅう)する、濃厚な魔素(まそ)真那(まな)の中で呼吸しているので、極自然(ごくしぜん)身体(からだ)の中に、それらを取り込んで循環(じゅんかん)しているので、そちらも両方の腕輪に流れているとのことだった。


 だから生命維持(せいめいいじ)勿論(もちろん)のこと、ゆっくりと収納した子達を(いや)す効果があるらしい。

 それを聞いて、私はちょっと安心した。


「ねぇ…コウちゃん、これで全員を解放したのかしら? ちゃんと全部攻略し()わったのかな?」


 私の質問に、コウちゃんは何か悩んでいる風に小首(こくび)を、こてんっと(かし)げる。


『……………』


 答えたくない様子(ようす)から、私は(さっ)してしまう。

 どうやら、これで全員ではないようだ、と。


「その様子だと、まだなのね」


 私の(つぶや)きに、コウちゃんは嘆息(たんそく)するように小さな声で言う。


『いや、これで…外へ出ることはできる………』


 それで、私は理解(わか)ってしまう。

 まだ敵対集団に虜囚(とら)えられて、異空間の【虚牢(うつろう)】に《封印》されて【秘匿封印(ひとくふういん)】された子が存在していると。


 ただ、たぶん残った子を《封印》から解放しなくても、私とコウちゃんを含む、右の腕輪の中の子達はこのダンジョンから出ることができるのだろう。

 言いよどむコウちゃんは、私をこれ以上、危険な目にあわせたくないと思っているんでしょうね。


 だけど私としては、まだ《封印》されている子が居るなら、残酷な異空間の【虚牢(うつろう)】の《封印》から解放して助け出したい。

 たぶん、コウちゃんも私と同じ気持ちなのね。


 私を危険に(さら)したくない思いと、異空間の【虚牢(うつろう)】に《封印》されている子を解放したいという思いに(さいな)まれているのね。

 コウちゃんたら……馬鹿ねぇ……見捨てるような決断なんてしたら、後で絶対に慟哭(なく)って理解(わか)っているでしょうに………。


 コウちゃんという存在に助けられた私が、コウちゃんの心と兄弟姉妹(きょうだいしまい)の全員を救うわ。

 私には《封印》された子達を解放する力があるのだから………。


「コウちゃん、あと《封印》されている子は、いったいどんな子なの?」


 私の質問に、コウちゃんは少し躊躇(ためら)ったあとに、(あきら)めたように嘆息(たんそく)してあっさりと答える。


『えぇーとぉ………たぶん、紅輝獣(カーバンクル)だと思う……(ひたい)に綺麗な紅玉が付いてるヤツ』


 紅輝獣(カーバンクル)ねぇ………脳裏にコウちゃんが無意識に投影したのが、かなり当て字てきな漢字が浮かぶ。

 紅輝(こうき)って言うのは、たぶん(ひたい)()っている宝石のことを表現(あらわ)しているのかしらね?


 たしか、ゲームなんかに出現(しゅつげん)するときの姿も、(ひたい)に大きな魔力を持った宝石を持っている獣って設定が大半だったわね。

 (ひたい)の宝石に()められた力が有って、補助魔法とか防護魔法を使える………だったわね。


 特異(とくい)なのになると、極上の治癒系(ちゆけい)の魔法を持っていたりするのよね。

 基本、どのデザインも可愛いのよねぇ~………。

 (ひたい)に大きなカボッションの宝石が(かざ)り、やっぱり大きなお耳があって………。

 あぁ…タテガミがあるのも有ったわねぇ………。


 でもコウちゃんの兄弟姉妹(きょうだいしまい)だろうから、(ひたい)の宝石の上とかに(つの)が有って、きっと3(つい)の翼持ちでしょうね。


 ウサギに近いのかしら?

 それともキツネに近い姿なのかしら?


 うふふふふ………その姿はきっと(あい)らしいでしょうねぇ~………。

 きっと、コウちゃんとは違う可愛いさのある子でしょう……早く見たいわ。


「そう、それじゃその子も見付けてあげましょうね、コウちゃん」


 私がうっとりしたのを見て、コウちゃんはちょっとだけ()め息を()いて答えた。


『うん………とはいっても、俺にも……何処(どこ)(ふう)じられたか……実は、わからないんだよねぇ………』


 なるほど、コウちゃんはやっぱり万能ナビさんではないようね。

 まぁ~……敵対集団が色々(いろいろ)(いじ)っているようだしね。


 でも、歩いていればそのうち見付かると思うのよねぇ………。

 私の中の何かが、絶対に発見(みつけ)られるって(うった)えているもの。


 ふふふふ………まず、基本的なコトとして違和感を(さぐ)ることね。

 部屋への(とびら)出現(あらわ)れないことを考えると、この右側の強欲(ごうよく)の回廊じゃない可能性も考慮しないとね。

 とにかく、もう一回ゆっくりと歩いてみますか………幻の獣、紅輝獣(カーバンクル)を求めて………。


「それじゃ、確認して歩きますか……コウちゃんも、違和感とか感じたら教えてね」

 

 私は、すべての(とびら)の消えた右側の強欲(ごうよく)回廊の前後左右を(あらた)めて確認しながら、ゆっくりと歩みを進める。


 一応、探索の基本である印付(しるしづ)けをちゃんとしている。

 コウちゃんの助言で、(わず)かな傷も付かないこの強欲(ごうよく)の回廊に、唯一の塗料(とりょう)となる華の(つぼ)みを(つぶ)して(こす)りつける。


 ちなみに華の(つぼ)みは、あのコウちゃんの兄弟姉妹(きょうだいしまい)が【秘匿封印(ひとくふういん)】されていた部屋の(あや)しい植物のモノである。


 コウちゃんが(むし)れると言ったので、結構な量をしっかりと採取(さいしゅ)しておいたのだ。


 始点となる場所に(しるし)を付けて、見落としがないかじっくりと確認して歩いた。


 結果から言うと、新しい扉は次のイベントに進むモノでしかなかった。




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