037★どうやら、コウちゃん達を《封印》した者がいるようです
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
えっとぉ……顕現したこの菱形の立方体って……ガラスか水晶みたいな物質になっているのね。
とにかく、コウちゃんが言ったように、魔力を通してみましょう。
両手に魔力を集中させて、中に居る一角天馬と腕輪に届けと思いながら注ぐ。
すぅーっと何かが大きく抜け出るのを感じつつ、私は魔力を注ぎ続ける。
あうぅぅぅ~………なんか、膝というか両足全体に力が入らなくなってきたんですけどぉ………。
でも、ここで止めるわけにいかないっ。
クゥー……キツイ………やだ……クラクラしてきたわ。
もしかして、魔力枯渇が近いのかなぁ………。
魔力を注ぎ続けた私が、もうダメと思った頃になって、両手の掌に感じていた硬質なモノが唐突に忽然と消失した。
途端に、音もなくキラキラした光りの粉のようなモノになって、空間に溶け消えて行く。
私はといえば、両手の掌をペタッと表面に着け向ていたことで、支えを失ってガクンッとへたり込んでしまう。
そんな私の目の前では、菱形の立方体の中に居た一角天馬の幼体がふわりと床に降り立ち、そのまま崩れ落ちるように、その場に力なく横たわった。
私は力の入らない足に舌打ちしつつ、ヨロヨロと立ち上がり、視線の先で崩れ落ちてピクリとも動かない一角天馬のところへと向かう。
ほんの数歩先程度の距離を歩く私にコウちゃんが心配そうに言う。
『大丈夫? …ます…ママ……』
心配そうなコウちゃんに、私は微笑う。
「大丈夫よ、コウちゃん。魔力はね、魔力枯渇をすると生存本能から、自分が持っているキャパが少しだけ広がるモノなの。だから、必要な時は思いっきり使った方が良いのよ」
『本当にぃ?』
心配してくれるコウちゃんに、ちょっと肩を竦める。
「ほら…ここは何であれ、安全な空間だから………まぁ、ちょっと無理しちゃったかなぁ………それでも、無理してでも、やらないといけないときってあるのよ」
はぁ~……それでも、このシルビアーナのスペックは高いわよねぇ………。
ほとんど感知したことも、使用したことも無い魔力や魔法をすぐに使えるんだし………。
いや、コウちゃんていうナビをゲットできる幸運値も幸いしているわね。
ソレもこれも、あのお花畑でお馬鹿なルドルフ皇太子との婚約破棄がきっかけ………。
逆に考えると、あんなモノと婚約していたことで、私の幸運値が思いっきりマイナスになっていたっことよね。
じゃないわ、とにかくこの子(一角天馬)の状態の確認を………。
ヨロヨロと側へとにじり寄った私が見たモノは、ぐったりとした一角天馬の幼体の姿だった。
えっとぉ……もしかして、ものすごく弱っている?
身動きひとつしないことを不審に思って、私はぐったりとした一角天馬の幼体をよくよく観察する。
………えっ? もしかしなくても…息をしていない……みたい。
うそっ…やだっ…どうしよう?
この子ってば、死んでいるの?
「コウちゃん、この子ってば死んでいるの?」
思わずそう聞いてしまった私は、肩のコウちゃんに手を伸ばし、震えながら抱き締める。
コウちゃんは私の腕に素直にスポッと入り込み、愛らしいお手手をひょいっと持ち上げて言う。
『大丈夫だよぉ~…ママぁ…こいつ……魔力枯渇の状態で、この中に《封印》されたから、仮死状態になっているだけだから………でも、蘇生には時間と魔力や魔素や真那が必要だから………』
えっ…魔力枯渇で…《封印》されていたの?
仮死状態から蘇生させるには、魔力の他に、魔素や真那が必要なの?
でも、もう、私の魔力かなり尽きかけなんですけどぉ………どうしよう?
すぐに蘇生を始めないと、そのまま死んじゃわない?
「コウちゃん、どうしよう?」
その事実に行きあたり、わたわたする私に、コウちゃんは冷静な言葉で言う。
『大丈夫、そんなに簡単に死んだりしないよ。ただ、回復するのにとても時間がかかるだけで………。魔素や真那がある空間で、安全な場所に隠しておくなら、たぶん12~13年ぐらいで自然と覚醒めるんじゃないかな?』
その説明に、私は頭痛を覚える。
コウちゃん、本気で私を独り占めしたいのね。
本当に、前世で飼っていたトラちゃんにそっくりねぇ………。
でも、だったら、このダンジョンの魔素や真那って他よりも濃厚なんだから、こんなに弱っているのっておかしくない?
「ねぇ…このダンジョンの魔素や真那って濃いんでしょう…なんで、この子(一角天馬)は仮死状態なの?」
私の質問に、あっさりと答える。
『ああ、それ………《封印》されていたからだよ……あの菱形の立方体は、ここにママが顕現させるまで、何も無い【虚牢】の異空間に《封印》されていたからだよ。【虚牢】っていう異空間は一切のエネルギーになるモノが含まれていない虚無な時空間なんだ』
えっとぉ……よく理解らないわ……何も無い【虚牢】の異空間ってなに?
異空間だから、現在いる場所と異なった空間ということよね。
それに虚無な時空間ってことは、本当に何も無い、それこそ時間という概念さえもない空間ってことなのかしら?
その何もない虚無の空間である、【虚牢】という異空間にこの子(一角天馬)を《封印》したの?
いや、その前に、いったい誰がそんなコトをしたっていうの?
やだ、考えることいっぱいじゃない………あぁぁぁぁぁ………もう、いいや。
とにかく、私は、この子を蘇生させてあげることを考えないとね。




